【目的】従来使用してきた布
おむつ
から,近年急激に紙
おむつ
へと移行し,乳幼児の発達や環境問題などが議論されている。そこで,本研究では乳幼児の
おむつ
使用の実態を把握し、1988年、1992年の
おむつ
に関する実態調査研究との比較を行う。また、
おむつ
の種類別に基礎実験、モニターによる着用調査を行い、
おむつやおむつ
カバーの着用感や管理について、衛生面、経済面、環境面から検討を加えるものとする。
【方法】調査対象は乳幼児の保護者である。調査方法は自記式質問紙法とし、保育所・保育園等に依頼し後日回収または郵送による回収とした。調査内容は, 基本的属性,
おむつ
の使用状況,
おむつ
に対する意見・不満・要望,環境問題に関する保護者の意識とした。実験対象は,紙
おむつ
4種,布
おむつ
3種,布の
おむつ
カバー4種で、測定内容は通気性,摩擦感,尿戻り量,保水量であり,実験結果より性能の良い
おむつ
を乳幼児に着用してもらい,その母親に子どもの着用感,漏れなど11項目について評価を依頼した。
【結果】今回の調査では紙
おむつ
のみの使用が86.0%と最も多く、時間による
おむつ
の交換が明らかとなった。また、紙
おむつ
が子どもにとって良いものであって欲しいと思いながらも低価格の
おむつ
を求め、ゴミの増大につながると考えながらも外出先で処理したいという様に、考え方の矛盾点も認められた。通気性実験では,測定不能の紙
おむつ
が4種中3種あった。布
おむつ
では,輪型のドビー織の
おむつ
が最も通気性があることが明らかとなったが,摩擦感,尿戻り量,保水量において紙
おむつは布おむつ
に比較して良好な結果が得られた。モニター調査では保水量が最も低いドビー織の輪型が高評価であった。
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