らい患者における
ぶどう膜炎
の発症に対するHLAの関与を検討した。対象は,らい患者65例と,正常対照の健康成人138例である。患者群の内訳は,
ぶどう膜炎
の既往のある者は32例で,
ぶどう膜炎
の既往のない者は33例である。HLA-A,-B,-C,-DR, DQ抗原の検索は,対象者の末梢血リンパ球を用い補体依存性リンパ球細胞障害試験を行った。HLA-DRB1対立遺伝子はPCR-SSCP法とPCR-RFLP法を施行し検索した。その結果, HLA-DR2抗原頻度は対照群で138例中49例(35.5%),
ぶどう膜炎
のある群で32例中26例(81.3%)で, HLA-DR53の頻度はそれぞれ69.6%と37.5%あった。対照群との比較において,HLA-DR2が
ぶどう膜炎
のある群で有意に増加し(Pc<0.0005), HLA-DR53は有意に低下していた(Pc<0.05)。血清学的タイピングでは
ぶどう膜炎
のない群と対照群との間に有意差を示すHLA抗原はなかった。HLA-DR2対立遺伝子では,DRB1*1501のみ有意な差を認め,対照群との比較において
ぶどう膜炎
のある群でオッズ比7.1(PC<0.000005),
ぶどう膜炎
のない群はオッズ比4.1(Pc<0.005)であった。らい患者における
ぶどう膜炎
の癸症に.HLA-DRBI*1501の強い相関を認めた.
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