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クエリ検索: "アリピプラゾール"
410件中 1-20の結果を表示しています
  • *田崎 みなみ, 古郡 規雄, 久保 一利, 横山 沙安也, 篠崎 將貴, 菅原 典夫, 井上 義政, 下田 和孝
    日本臨床薬理学会学術総会抄録集
    2021年 42 巻 42_2-P-I-2
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/17
    会議録・要旨集 フリー

    背景:

    アリピプラゾール
    は、統合失調症治療の第一選択薬とされている。長期の
    アリピプラゾール
    投与は、ドーパミン作動薬としての活性に起因すると思われる低プロラクチン血症を引き起こす可能性がある。しかし、低プロラクチン血症と定常状態の
    アリピプラゾール
    濃度の関係性に関する情報はほとんどない。方法: 被験者は、
    アリピプラゾール
    で治療した統合失調症と診断された男性患者66人と女性患者177人である。
    アリピプラゾールおよびデヒドロアリピプラゾール
    の血漿濃度とプロラクチンの血漿濃度は、それぞれ高速液体クロマトグラフィーと酵素免疫測定法を用いて測定した。そして、5 ng/mL未満のプロラクチン濃度を低プロラクチン血症と定義した。結果: 男性患者66人中52人(79%)、女性患者177人中58人(33%)に低プロラクチン血症がみられた。男性の血漿プロラクチン濃度と
    アリピプラゾール
    の濃度 (rs=-0.447、p <0.001) および有効成分 (
    アリピプラゾールとデヒドロアリピプラゾール
    )濃度(rs = -0.429、p <0.001) の間に有意な逆相関があった。女性では、血漿プロラクチン濃度と血漿
    アリピプラゾール
    の濃度 (rs = -0.273、p <0.01) および血漿中の有効成分濃度 (rs = -0.275、p<0.01) との間にも有意な逆相関が見られた。結論: これらの発見は、低プロラクチン血症は
    アリピプラゾール
    で治療された統合失調症患者の血漿薬物濃度の濃さと関係していることを示している。

  • *岡田 佑輔, 赤沢 学
    日本臨床薬理学会学術総会抄録集
    2022年 43 巻 43_1-C-O05-5
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/12/26
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】

    本研究の目的は統合失調症患者における

    アリピプラゾール
    持効性注射剤(以下、
    アリピプラゾール
    LAI)のパリペリドン持効性注射剤(以下、パリペリドンLAI)に対する有用性を評価することである。

    【方法】

    診療報酬請求データベースを用いてコホート研究を行った。研究対象は2015年5月1日から2019年11月30日の間に外来で

    アリピプラゾール
    LAI又はパリペリドンLAIを開始した統合失調症患者とした。アウトカムは精神科病棟への入院及びLAI治療の中止とした。Cox比例ハザード回帰モデルを用いてパリペリドンLAIに対する
    アリピプラゾール
    LAIのハザード比を推定した。

    【結果・考察】

    アリピプラゾール
    LAI及びパリペリドンLAIを開始した患者はそれぞれ244人及び98人であった。精神科病棟への入院に関するハザード比は0.96(95%信頼区間:0.45-2.09)であり、LAI治療の中止に関するハザード比は0.85(95%信頼区間:0.53-1.35)であった。

    健康関連QOLをプライマリエンドポイントとしたランダム化比較試験(以下、RCT)において、

    アリピプラゾール
    LAIはパリペリドンLAIと比べて優れていたことが報告されているものの、精神科病棟への入院及びLAI治療の中止をアウトカムとする本研究においては
    アリピプラゾール
    LAIとパリペリドンLAIの間に明確な違いは確認できず、RCTの結果を支持する結果は得られなかった。アウトカムにより相対的有用性は異なる可能性が考えられた。

    【結論】

    精神科病棟への入院及びLAI治療の中止のリスクに関して、

    アリピプラゾール
    LAIとパリペリドンLAIとの間に明確な違いは確認できなかった。

  • 石田 哲朗, 木川 昌康
    日本プライマリ・ケア連合学会誌
    2019年 42 巻 1 号 47-48
    発行日: 2019/03/20
    公開日: 2019/03/28
    ジャーナル フリー

    目的:精神遅滞を伴うてんかん患者の衝動性,易怒性に対する,

    アリピプラゾール
    の有効性を検討する.

    方法:40代女性.中等度神発達遅滞,症候性全般てんかんがあり,施設入所中であった.衝動性や易怒性を認め,入所施設職員に対する暴力行為があった.また,高用量の抗てんかん薬,抗精神病薬が処方されており,倦怠感および日中傾眠傾向を認め,就労が困難な状態にあった.

    アリピプラゾール
    を併用した.

    結果:精神症状の改善が得られ,昼夜の覚醒リズムも改善した.そのため,日常生活も安定し,作業所通所による就労も再開できた.著明な副作用は認められなかった.

    結論:精神遅滞を伴うてんかん患者の衝動性,易怒性に対して,

    アリピプラゾール
    が有効な可能性がある.

  • 山下 佑介, 皆川 貴美乃, セドキーナ アンナ, 那和 雪乃, 松井 宏晃, 熊井 俊夫
    聖マリアンナ医科大学雑誌
    2017年 45 巻 3 号 199-206
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/12/04
    ジャーナル フリー

    統合失調症の病態発現において,酸化ストレスの関与が示されている。これまでに非定型抗精神薬は抗酸化作用を有することが報告されているが,様々な臨床症状を持つ統合失調症の病態発現機序および抗精神病薬の神経細胞に対する作用は未解明な部分が多い。本研究では,非定型抗精神病薬である

    アリピプラゾール
    の神経細胞に対する作用を明らかにするために,ヒト神経芽細胞腫SH-SY5Y細胞を用いて,液体クロマトグラフ質量分析法によるショットガンプロテオミクス解析を行った。その結果,
    アリピプラゾール
    添加SH-SY5Y細胞において抗酸化酵素のperoxiredoxin (Prx) 1と6が同定されたことから,
    アリピプラゾール
    添加による抗酸化酵素の発現変化を検討した。SH-SY5Y細胞において
    アリピプラゾール
    添加によりPrx6とsuperoxide dismutase (SOD) 1の有意なタンパク質発現増加が認められた。一方で,Prx1とSOD2,カタラーゼ,グルタチオンペルオキシダーゼの発現には変化が見られなかった。
    これらのことから,
    アリピプラゾール
    は神経細胞においてPrx6とSOD1の発現増加を介した抗酸化作用を有することが示唆された。

  • 中島 淳, 和泉 智久, 大屋 和福, 齊藤 夕佳, 近藤 啓太, 丹羽 敏幸
    薬剤学
    2017年 77 巻 2 号 90-103
    発行日: 2017/03/01
    公開日: 2017/03/01
    ジャーナル フリー

    A sustained-release injectable formulation with polylactic acid-glycolic acid (PLGA) copolymer particles was developed. The suspension of the formulation dispersed in injection fluid provided excellent gliding performance when extruded from the syringe. The PLGA microparticles (MRPs) with aripiprazole (ARP), as a model drug in this study, were prepared by a spray-dryer. The resultant MRPs were entrapped in a granular matrix composed of water-soluble additives and a surfactant through a drop freeze-drying process to design the granulated microparticles (G-MRPs). In this study MRPs and G-MRPs were evaluated for their physicochemical and pharmaceutical properties. It was found that the MRPs, which were spherical particles approximately 1-20 μm in size, were strongly aggregated in the aqueous phase. The clogging of a needle hole was frequently observed while discharging MRP suspension from the syringe, resulting in increased gliding force up to around 5 kgf, which was detected by extrusion force. On the other hand, the G-MRPs were spherical granules 200-400 μm in size, and had a microparticles-in-granule structure in which the MRPs were embedded in the porous matrix inside the granule. Unlike the MRPs, the G-MRPs had excellent needle passagability with tolerant gliding force, which was attributed to the nearly mono-dispersibility of the MRP particles in the injection fluid. ARP release behavior from G-MRPs could be controlled by changing PLGA:ARP ratio, which indicated a potential for development of a depot-type injectable formulation. In addition, the G-MRPs had excellent powder properties, suggesting that the current granulated MRP solid dosage form would contribute to automatic filling into a pre-filled syringe.

  • 田鳥 祥宏, 小林 啓之
    日本薬理学雑誌
    2014年 144 巻 6 号 265-271
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/12/10
    ジャーナル フリー
    ドパミン神経伝達には,統合失調症陽性症状(幻覚・妄想)と関連すると考えられる高濃度のドパミンにのみ反応する低感度のphasic 相,パーキンソン病様運動障害や高プロラクチン血症と関連する低濃度のドパミンで反応する高感度のtonic 相,行動のモチベーションと関連する中濃度のドパミンで反応する中感度のintermediate 相がある.我々はヒト型ドパミンD2 またはD3 受容体の発現密度が異なるCHO 細胞株を樹立してドパミンに対する感度レベルの異なる系を作成し,ドパミンD2 受容体部分アゴニストおよび抗精神病薬のin vitro 薬理作用を評価した.ドパミンD2 受容体発現細胞において,
    アリピプラゾール
    を含む部分アゴニストは,低発現・低感度レベル(高ドパミン濃度で反応)細胞においてアンタゴニストとして,中発現・中感度レベル細胞において部分アゴニストとして,高発現・高感度レベル細胞においてアゴニストとして作用した.
    アリピプラゾール
    のドパミンD2 受容体に対する固有活性は,統合失調症患者の陽性症状改善効果が不十分であった部分アゴニストよりも低く,また,パーキンソン病様運動障害を生じた部分アゴニストよりは高かった.
    アリピプラゾール
    の適した固有活性が優れた臨床特性(有効性と副作用の乖離)に寄与していると考えられる.
    アリピプラゾール
    を含む部分アゴニストはドパミンD3 受容体発現細胞においても部分アゴニスト作用を示した.統合失調症患者において抗うつ効果が報告されている抗精神病薬は,ドパミンD3 受容体発現細胞と比べてドパミンD2 受容体発現細胞に対して,より低濃度でアンタゴニスト作用を示した.これらの抗精神病薬の低濃度でのドパミンD2・D3 受容体アンタゴニスト作用の乖離が抗うつ効果に寄与している可能性がある.
  • 廣瀬 毅, 間宮 教之, 山田 佐紀子, 田口 賢, 亀谷 輝親, 菊地 哲朗
    日本薬理学雑誌
    2006年 128 巻 5 号 331-345
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/11/14
    ジャーナル フリー
    統合失調症は,生涯罹病危険率が人口の0.75~1 %を占める代表的な精神疾患であり,中枢のドパミン作動性神経の過剰活動にその主な原因があると考えられている(ドパミン過剰仮説).過去には,クロルプロマジンを始めとしてハロペリドールなどのドパミンD2受容体アンタゴニスト作用を有する薬剤が数多く開発された.これら定型抗精神病薬は総合失調症の症状の中で,幻覚,妄想および精神運動性興奮などの陽性症状に対しては効果がある反面,情動の平板化,感情的引きこもりおよび運動減退などのいわゆる陰性症状に対しては効果が弱い.安全性の面では,アカシジア,ジストニア,パーキンソン様運動障害などの錐体外路系副作用が多く,高プロラクチン血症が問題になっていた.1990年代に入って,非定型抗精神病薬の概念を確立させたクロザピンに続くオランザピンの開発,リスペリドンを始めとするserotonin-dopamine antagonist(SDA)の開発などで,先述した定型抗精神病薬の欠点の中で特に錐体外路系副作用を軽減することができた.しかし,非定型抗精神病薬の残る副作用として,体重増加,脂質代謝異常,過鎮静作用,心臓QT間隔延長などがクローズアップされ,より安全性と効果の面で優れた,次世代の抗精神病薬の登場が待たれていた.大塚製薬では,1970年代後半より,統合失調症のドパミン過剰仮説にのっとり,シナプス前部位ドパミン自己受容体へのアゴニストの研究を開始した.その後,その研究をシナプス前部位ドパミン自己受容体へはアゴニストそしてシナプス後部位ドパミンD2受容体に対してはアンタゴニストとして作用する新しい化合物の研究へと発展させ,その成果として,ドパミンD2受容体部分アゴニスト,
    アリピプラゾール
    を見出した.
    アリピプラゾール
    は,ドパミンD2受容体部分アゴニスト作用を有する世界で初めての抗精神病薬であり,既存薬とは異なりドパミン神経伝達に対してdopamine system stabilizer(DSS)として働くことより次世代の抗精神病薬として注目されている.
  • -市販開始後 3 カ月間における処方の 12 週間追跡調査-
    桑原 秀徳, 別所 千枝, 原 妙美, 行武 江利子, 小川 真由美
    医療薬学
    2007年 33 巻 9 号 748-754
    発行日: 2007年
    公開日: 2009/09/04
    ジャーナル フリー
    Aripiprazole,an antipsychotic having a novel dopamine D2 partial agonist mechanism of action was launched in Japan in June 2006.Since there is still not much experience of using this new drug in Japan,we decided to find out how doctors prescribe it and whether its prescription has been affecting chlorpromazine (CP) equivalent dosages of antipsychotics and concomitant use of anticholinergics by examining antipsychotic and anticholinergic prescriptions over 12 weeks for patients who were started on aripiprazole within 3 months of approval.We also sent a questionnaire to prescribers concerning their expectations of aripiprazole and the reasons if it had been discontinued.It was found that aripiprazole was much prescribed to patients receiving a single antipsychotic medication,and the most common expectation was further improvement of hallucinations and delusions.After the 12 weeks of the follow up,the prescription of aripiprazole increased the number of antipsychotics significantly but did not affect the CP equivalent dosage and percentage of concomitantly used anticholinergics.We found that the most common reason for discontinuation of aripiprazole was insufficient effectiveness for hallucinations and delusions,but in no patient was it withdrawn due to adverse effects.It seems that a complete switch to aripiprazole takes time even though it was prescribed to patients for whom switching was relatively easy,raising the possibility of polypharmacy and prolonged administration of anticholinergics.It is thus necessary to continuously monitor the administration of aripiprazole as well as that of other antipsychotics in order to prevent polypharmacy.
  • 松田 貴邦
    Drug Delivery System
    2018年 33 巻 2 号 151-155
    発行日: 2018/03/25
    公開日: 2018/06/25
    ジャーナル フリー
    統合失調症は服薬アドヒアランスの維持が難しいことが知られており、アドヒアランス低下による再発や入院リスクの悪化が問題視されている。そこで、中性で溶解性が低い
    アリピプラゾール
    水和物結晶の特性を利用し、エビリファイ®持続性水懸筋注用が開発された。臨床試験において、本剤は4週に1回の投与で有効血漿中濃度が維持され、精神症状の悪化/再発までの時間がプラセボ群と比較して本剤群で有意に延長されたことが示された。現在、日米欧を含め30カ国以上で販売されており、統合失調症治療における選択肢の1つとして用いられるようになった。本剤の製剤の特徴、製剤開発の経緯、薬物動態、臨床成績を紹介する。
  • 鈴木 幹生, 新留 和成, 前田 健二, 菊地 哲朗, 宇佐美 智浩, 二村 隆史
    日本薬理学雑誌
    2019年 154 巻 5 号 275-287
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/11/15
    ジャーナル フリー

    ブレクスピプラゾール(レキサルティ®)は,大塚製薬が

    アリピプラゾール
    に続いて創製した,世界で2番目のドパミンD2受容体部分アゴニスト系の新規抗精神病薬である.本剤はセロトニン5-HT1A受容体及びD2受容体に対しては部分アゴニストとして,5-HT2A受容体に対してはアンタゴニストとして作用し,セロトニン・ドパミン神経系伝達を調節することから「セロトニン・ドパミン アクティビティ モジュレーター:SDAM」という新しいカテゴリーに分類される薬剤である.非臨床薬理試験において本剤は他の非定型抗精神病薬と同等の抗精神病様効果を示すとともに,錐体外路症状(カタレプシー),高プロラクチン血症,遅発性ジスキネジア等の副作用発現リスクが低いことが示唆された.また,抗精神病薬でしばしば問題となる過鎮静,体重増加に関連するヒスタミンH1受容体に対する作用は弱い.さらに本剤は,複数の認知機能障害モデルにおいても改善作用を示した.国内外で実施された臨床試験の結果から,本剤は統合失調症の急性増悪期及び長期維持療法に有効であることが示されている.また有害事象については,非臨床薬理試験で示唆されたとおり,錐体外路症状,高プロラクチン血症,体重増加の発現が低いことが示された.さらに非定型抗精神病薬で問題となっている脂質代謝異常の発現も低かった.加えて,
    アリピプラゾール
    で問題となっていたアカシジア,不眠,焦燥感の発現頻度が少なかったことは,セロトニン神経系への作用が強力であることや,D2受容体に対する固有活性が
    アリピプラゾール
    より小さいという本剤の特徴に基づくものと考えられた.これらのことから,本剤は既存の抗精神病薬の中でも最も合理的な薬理作用を有する薬剤の一つであると考えられ,優れた有効性と安全性・忍容性プロファイルを示す薬剤として統合失調症患者の治療に貢献できることが期待される.

  • 菊地 哲朗
    ファルマシア
    2007年 43 巻 2 号 139-141
    発行日: 2007/02/01
    公開日: 2018/08/26
    ジャーナル フリー
  • 日本発ブロックバスター「アリピプラゾール」
    倉橋 伸幸
    ファルマシア
    2017年 53 巻 6 号 527-529
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/06/01
    ジャーナル フリー
    1988年に薬学修士課程を修了した筆者は大塚製薬に入社。その後、研究所から開発へと部署を変え、さらに米国で大手製薬企業と
    アリピプラゾール
    のグローバル開発及び販売を経験した。帰国後、同製品の日本上市を行い、2011年から再び渡米し現在も中枢領域におけるグローバル医薬品開発と商業化を担当している。一介の研究員だった筆者の経歴を紹介するともに、今後社会へと羽ばたく薬学生に対するメッセージを述べる。
  • 李 康広, 神農 悦輝, 金城 真, 新崎 章
    日本顎関節学会雑誌
    2017年 29 巻 1 号 10-15
    発行日: 2017/04/20
    公開日: 2017/05/19
    ジャーナル フリー

    患者は33歳の女性で,閉口障害を主訴に当院救急診療部を受診し,右側顎関節前方脱臼の診断で脱臼の整復処置が行われた。再度脱臼が自然発生したため,当科へ対診となった。初診時,仮面様顔貌が認められ,下顎が左側に偏位し,さらに小刻みに振戦していた。最大開口量の測定は困難であった。パノラマ顎関節4分割モード撮影を行ったところ,右側の下顎頭は関節結節の前方にわずかな逸脱を認めた。一方,左側の下顎頭は下顎窩の中央部に位置していた。既往歴に関しては,統合失調症,不眠症,パーキンソン症候群および悪性症候群があり,服用薬は非典型抗精神病薬および睡眠薬であった。顎口腔ジストニア(下顎偏位型)と診断した。外側翼突筋下頭の持続的な過緊張を一時的に緩和させる目的で,Gow-Gates下顎神経伝達麻酔を施行した。続いて,下顎偏位および再脱臼の防止策として,顎間および顎外固定を施行した。翌日,固定は解除され,その後,患者の通院している診療内科で内服調整が行われた。6か月を経過した現在まで下顎偏位および再脱臼は認められない。Gow-Gates下顎神経伝達麻酔は下顎の偏位抑制に有効であった。顎間および顎外固定は下顎偏位および脱臼の再発防止に役立った。

  • ―ドパミンD2受容体パーシャルアゴニスト―
    齋藤 淳, 下田 和孝
    臨床薬理
    2007年 38 巻 1 号 51-52
    発行日: 2007/01/31
    公開日: 2008/10/31
    ジャーナル フリー
  • 石﨑 優子
    小児の精神と神経
    2023年 63 巻 3 号 241-244
    発行日: 2023/10/01
    公開日: 2023/10/06
    ジャーナル 認証あり
  • 須賀 隆行, 竹之下 美穂, 松岡 紘史, 安彦 善裕, 豊福 明
    日本歯科心身医学会雑誌
    2020年 35 巻 1-2 号 26-30
    発行日: 2020年
    公開日: 2022/01/21
    研究報告書・技術報告書 フリー
    Though amitriptyline is recognized as a primary treatment option for burning mouth syndrome, rumination about pain sometimes persists even after reduction of pain. A 58-year-old female with complaints of burning sensations of the tongue and mouth, and dry mouth sensation was referred to our clinic. With amitriptyline, the tongue pain was almost completely eliminated. However, two months later, symptoms recurred; she obsessively checked her tongue. Upon adding aripiprazole to amitriptyline, this obsessive symptom was quickly improved. Almost one year since the first visit, the oral symptoms have almost been relieved, without major side effects. This case suggests augmentation therapy of aripiprazole and amitriptyline may be effective for BMS patients with refractory rumination.
  • 大西 弘二
    ファルマシア
    2017年 53 巻 10 号 1007-1009
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/10/01
    ジャーナル フリー
    統合失調症の治療目標は、精神症状の再発を防ぐことにあり、そのため抗精神病薬による治療を継続することが重要である。しかし、病識の欠如等により、服薬アドヒアランスの維持が難しく、現在まで様々なアドヒアランスの対策が取られてきた。
    解決策の一つとして従来から臨床導入されてきたのが持続性注射剤であり、その特徴や有用性について理解を深めるために、最も新しい製剤であるエビリファイ水懸筋注用のプロフィールを説明する。
  • 松尾 裕彰
    日本医療薬学会年会講演要旨集
    2017年 27 巻 3-6-O7-01
    発行日: 2017/11/03
    公開日: 2019/03/23
    会議録・要旨集 フリー
  • 神林 崇, 大森 佑貴, 今西 彩, 高木 学, 佐川 洋平, 筒井 幸, 竹島 正浩, 小野 太輔, 塩見 利明, 清水 徹男
    神経治療学
    2018年 34 巻 4 号 406-410
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/02/20
    ジャーナル フリー

    Delayed sleep phase disorder (DSPD) comprises a persistent or recurrent pattern of sleep disturbances, sleep disruption that leads to insomnia and/or excessive daytime sleepiness, and impaired functioning in social, occupational, or other spheres. Three techniques are typically used to treat DSPD : chronotherapy, phototherapy, and exogenous melatonin administration. Antipsychotics have not been reported in the treatment of DSPD, aripiprazole (APZ), which is a second generation antipsychotic, manifests a novel mechanism of action by serving as a partial agonist of D2 receptors. Depression is reported to be the most common psychopathology associated with DSPD, and APZ is reported to be effective in major depressive disorder as adjunctive therapy. Therefore, we speculated that APZ might be effective to treat DSPD, and we observed how APZ works for the treatment of DSPD.

    Methods : 18 subjects (including 7 women) who are 14–48–year–old (the average is 31.6) were included. The patients were prescribed 0.75–4.5mg APZ at once a day.

    Results : We prescribed 1.5–3.0mg/day of APZ, all subject reduced total sleep time (9.6 +/− 2.3h → 7.8 +/− 2.0h, p=0.03), many cases got up earlier (9.1 +/− 1.9h → 6.7 +/− 1.4h, p=0.005) in the morning and advanced their sleep phase within one week. The sleep onset was not significantly changed (23.5 +/− 2.0h → 22.9 +/− 1.9h, n.s.).

    Conclusion : Low dose of APZ would reduce nocturnal sleep time in the subjects who had prolonged sleep time and DSPD symptoms. The mechanism of action would be dopaminergic up regulation due to dopamine D3 agonistic activity. Since it is difficult for physicians to treat prolonged sleep time and DSPD symptoms, this medication would become a new therapeutic tool for these patients.

  • 永井 悦子, 勝野 朋幸, 紺屋 浩之, 小西 康輔, 中村 裕子, 美内 雅之, 片岡 政子, 浜口 朋也, 宮川 潤一郎, 難波 光義
    糖尿病
    2009年 52 巻 4 号 295-300
    発行日: 2009/04/30
    公開日: 2010/03/01
    ジャーナル フリー
    症例は44歳,女性.2007年2月に統合失調症に対し服用中のリスペリドンを3 mg/日に増量した頃より口渇が生じ,3月4日全身痙攣,血糖値2089 mg/dlにて,糖尿病性非ケトン性高浸透圧昏睡と診断した.同薬を中止し,インスリン加療を開始.治療経過良好にて,退院後は食事療法のみとなった.7月より妄想が出現しペロスピロンを開始した.12月に
    アリピプラゾール
    6 mg/日を追加したところ,5%台前半であったHbA1cが2008年1月25日受診時8.4%となった.外来でインスリン治療を再開するも血糖コントロールの改善なく,3月1日入院となった.当初,30単位/日のインスリンを要したが,
    アリピプラゾール
    中止後速やかに使用インスリン量が減少し,再び食事療法のみで血糖コントロール可能となった.米国精神医学会治療ガイドラインでは,
    アリピプラゾール
    は糖・脂質代謝異常を来たす危険性がない,あるいは治療域で稀にしか副作用が起きない薬剤とされているが,使用時には血糖測定をはじめ慎重な観察を行う必要がある.
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