本論文では, まずフラクタル性をもつ時系列のインパルス応答関数をスケール関数により近似的に展開した場合に, 時間軸方向にインパルス応答を伸長することにより予測が行える原理について説明し, 予測誤差などについて整理する. 次に, フラクタル性をもつ時系列について, フラクタル次元が未知である場合に, 時系列をウェーブレット変換係数から計算できる方法を整理する. これらを現実の株価時系列へと適用して, 株価予測誤差の検討, フラクタル性, その次元推定について述べる. 具体的な応用例として株価の
オプション取引
のシミュレーションをとりあげ, 本論文の予測手法とこれに基づくオプション戦略の有効性について示している.
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