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クエリ検索: "カルバペネム系抗生物質"
724件中 1-20の結果を表示しています
  • 小林 芳夫, 内田 博, 上遠野 保裕
    日本化学療法学会雑誌
    2001年 49 巻 11 号 653-658
    発行日: 2001/11/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    1999年1~6月に慶応義塾大学車央臨床検査部にて血液培養検体から分離・同定した197株を対象とし, meropenem (MEPM)の抗菌力を対照薬剤とともに測定した。さらに, 前回同様に調査した1997年10月~1998年3月の分離株での成績と比較してMEPMに対する血液山来の臨床分離株の感受性の動向を検討し, 以下の結果を得た。
    1. MEPMを含むカルバペネム系薬は, グラム陽性菌のうち, 本来抗菌活性を期待できないmethicillinesistant Staphylococcus aureusなどのブドウ球菌の多剤耐性株に対する抗菌力は不十分であったが, その他の菌株に対してはおおむね良好な抗菌力を示した。
    2. グラム陰性菌に対しては, MEPMはimipenem (IPM) およびpanipenem (PAPM) に比べ優れた抗菌力を示した。またPseudomonas aeruginosaにおいて, IPM, PAPMでMICが16μg/mL以上の株が認められたが, MEPMでは認められなかった。
    3. 前回調査時の成績と比較してMIC50, MIC90いずれについても2管以上上昇した菌種はなく, MEPMの臨床分離株に対する抗菌力に顕著な耐性化の傾向は認められなかった。
  • 鈴木 由美子, 西成 千里, 遠藤 晴美, 田村 智英子
    The Japanese Journal of Antibiotics
    2001年 54 巻 4 号 145-170
    発行日: 2001/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    1999年に全国の医療機関より収集したグラム陽性菌14菌種310株, グラム陰性菌21菌種590株, 嫌気性菌10菌種120株を対象とし, Meropenem (MEPM) の抗菌活性を対照薬剤を含めて測定するとともに, これまでに調査した1993年及び1997年臨床分離株での成績と比較してMEPMの抗菌活性の動向について検討し以下の結果を得た。
    1. MEPMは, MRSA, E. faecium, E. avium, メチシリン耐性のS. epidermidis (MRSE) を除くほとんどの臨床分離株に対して優れた抗菌活性を示した。
    2. 近年メタロβ-ラクタマゼの産生により高度耐性が問題となっているS. marcescensP. aeruginosaを含むグラム陰性菌, 嫌気性菌全般に対しては, MEPMはIPM, PAPMに比較して顕著に優れた抗菌活性を示した。
    3. MEPMは, 上市後5年を経過した時点においても顕著な耐性化を認めず, 開発時に確認された広域かつ強力な抗菌活性を維持していた。
  • 平石 徹, 宮田 愛子, 原 哲郎, 荒明 美奈子, 小川 弘
    The Japanese Journal of Antibiotics
    2001年 54 巻 12 号 581-595
    発行日: 2001/12/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    新規カルバペネム抗生剤biapenem (BIPM) の各種細菌に対する殺菌力をimipenem (IPM), panipenem (PAPM), meropenem (MEPM) およびcaftazidime (CAZ) のそれと比較した。Staphylococcus aureusに対しては, BIPMはIPM, PAPMおよびMEPMとほぼ同程度の殺菌力を示した。Escherichia coli, Klebsiella zpneumoniaeに対してBIPMの殺菌力はIPM, PAPMより優れMEPMより若干弱かった。Pseudomon asaeruginosaに対してBIPMの殺菌力はIPMより優れ, MEPMとほぼ同程度であったが, 薬剤作用1時間の菌数の減少はBIPMが優れていた。PAPMは殺菌力を認めなかった。
    以上, BIPMの殺菌力はP. aeruginosaを含む検討5菌種に対して強く, BIPMの臨床での早期効果に関与していると考えられた。
  • 小林 芳夫, 杉田 香代子, 上遠野 保裕
    日本化学療法学会雑誌
    2004年 52 巻 8 号 433-439
    発行日: 2004/08/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    2002年9月~2003年3月に慶應義塾大学中央臨床検査部にて血液培養検体から分離・同定した145株を対象とし, meropenem (MEPM) の抗菌力を対照薬剤とともに測定した。さらに, 本検討における成績を同様に調査した1997年10月-1998年3月の分離株および1999年1-6月の分離株における成績と比較することにより, MEPMに対する血液由来臨床分離株の感受性動向を検討し, 以下の結果を得た。
    (1) MEPMは, カルバペネム系薬の中でも, グラム陰性菌に対して特に優れた抗菌活性を示し, Pseudomonas aeruginosaに対する耐性株 (MIC≧16μg/mL) も最も少なかった。
    (2) MEPMを含むカルバペネム系薬は, グラム陽性菌のうち, 本来抗菌活性を期待できないmethicillinresistant Staphylococcus aureusなどのブドウ球菌の多剤耐性株に対する抗菌力は不十分であったが, その他の菌株に対してはおおむね良好な抗菌力を示した。
    (3) 1997-1998年および1999年における分離株での成績と比較して, 2002年度分離株において, MEPM耐性株の顕著な増加は認められなかった。
  • 田中 日出和, 岩井 重富, 佐藤 毅, 国松 正彦, 古畑 久, 加藤 高明, 千島 由朗, 新井 尚之, 増田 英樹, 藤井 雅志, 田中 隆
    CHEMOTHERAPY
    1994年 42 巻 Supplement4 号 506-512
    発行日: 1994/12/28
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新注射用
    カルバペネム系抗生物質
    biapenem (BIPM) について外科領域における基礎的・臨床的検討を行った。
    外科臨床分離株Staphyloceccus aureus (27株), Coagulase-negative Staphylococcus (27株), Escherichia coli (27株), Klebsiella pneumoniae (27株), Enterobacter cloacae (27株), Pseudomonas aeraginosa (27株) についてBIPMの抗菌力を日本化学療法学会標準法に従い106cells/ml接種で, imipenem (IPM), panipenem (PAPM), meropenem (MEPM), ceftazidime (CAZ) およびpiperacillin (PIPC) を対照薬として最小発育阻止濃度 (MIC) を測定した。
    本剤のS. aureus, E. coli, K. pneumeniae, E. cloacaeに対するMIC90はすべて1.56μg/mlであり, IPMとほぼ同等, CAZ, PIPCと比べ優れた抗菌力を示した。CNSのMIC90は100μg/mlであり他剤と同様抗菌力は弱かった。
    P. aeruginosaでのMIC90は25μg/mlで対象薬のうち最も優れた抗菌力を示した。
    体液組織移行については, 総胆管結石術後T-tube挿入症例で同意の得られた肝機能正常な4例に本剤300mgを30分かけて点滴静注し, 経時的に血液および胆汁を採取し, 濃度測定を行った。
    血漿中移行は, 点滴終了直後, 30分, 1時間, 2時間, 4時間後のそれぞれの値は33.1±22.4, 9.0±2.3, 5.8±2.3, 2.4±1.4, 0.9±0.3μg/ml (Mean±SD) であった。胆汁中移行は, 点滴終了直後, 30分.1時間, 2時間, 4時間後のそれぞれの値は4.1±4.7, 5.7±6.1, 4.5±4.4, 2.0±1A, 0.6±0.3μg/ml (Mean±SD) であった。
    臨床的検討は, 本剤投与の同意の得られた外科領域感染症14例 (腹膜炎9例, 腹壁膿瘍1例, 胆管炎1例, 胆嚢炎1例, 肺炎2例) に本剤1回300mg, 1日2回投与を行った。
    臨床効果は著効7例, 有効5例, やや有効1例, 判定不能1例であった。有効率は12/13 (92.3%) であった。本剤に起因すると思われる自他覚的副作用および臨床検査値異常は全例に認められなかった。以上より本剤は外科領域感染症に対する, 高い有用性が示唆された.
  • 鳥井 真由美, 泉 美也子, 森川 歩, 土屋 浩一郎, 滝口 祥令
    臨床薬理
    2004年 35 巻 1 号 130S
    発行日: 2004/01/31
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
  • (注射剤に関する研究 第1報)
    中井 由佳, 徳山 絵生, 辻 絵里子, 内田 享弘
    医療薬学
    2006年 32 巻 5 号 429-435
    発行日: 2006/05/10
    公開日: 2007/11/09
    ジャーナル フリー
    The purpose of this study was to evaluate the stability of a commercial panipenem injection having a broad spectrum of in vitro antimicrobial activity and its clinical utility in treating serious infections. The effects of temperature and initial panipenem concentration on its stability in the solution media of isotonic sodium chloride solution and glucose injection solution were examined by high-performance liquid chromatography. We also observed the coloration of sample solutions visually.
    Temperature was found to be a critical factor determining the degradation rate of panipenem in the injection. The remaining concentrations of panipenem in 0.5 g/100 mL solutions stored at 5, 25, and 40°C for 6 h, were 99, 98, and 89%, respectively, while the corresponding figures for 1.0 g/100 mL solutions were 99, 96, and 80%, respectively. Therefore, the initial concentration also seems to affect the degradation rate. The solution medium did not affect the stability of the panipenem product. The degradation rate increased continuously with time.
    The visually observed coloration of samples prepared with 5% (w/v) glucose was greater than that of the corresponding samples prepared with isotonic sodium chloride solution. However, such color changes in the solutions were not sufficiently reliable to be able to determine the extent of panipenem degradation.
  • 町田 充, 葛山 晴子, 露崎 浩子, 佐川 賢一, 加賀谷 肇, 村瀬 勢津子, 矢後 和夫, 島田 慈彦
    日本病院薬学会年会講演要旨集
    1998年 8 巻
    発行日: 1998/08/17
    公開日: 2019/03/15
    会議録・要旨集 フリー
  • 山口 惠三, 石井 良和, 岩田 守弘, 渡邊 直樹, 上原 信之, 保嶋 実, 葛西 猛, 諏訪部 章, 小畑 律子, 賀来 満夫, 金光 敬二, 吉田 浩, 佐藤 敏夫, 村上 正巳, 高橋 綾子, 石郷 潮美, 藤田 直久, 小森 敏明, 一山 智, 前田 重隆, 山中 喜代治, 村田 葉子, 相原 雅典, 木下 承晧, 伊東 紘一, 渋谷 泰寛, 菅野 治重, 久保 勢津子, 前崎 繁文, 橋北 義一, 猪狩 淳, 小栗 豊子, 岡田 淳, 田澤 庸子, 中島 秀喜, 竹村 弘, 堀井 俊伸, 馬場 尚志, 田港 朝彦, 根ケ山 清, 村瀬 光春, 宮本 仁志, 草野 展周, 三原 栄一郎, 神辺 眞之, 板羽 秀之, 小野 順子, 吉村 尚江, 平潟 洋一, 松田 淳一, 犀川 哲典, 平松 和史
    The Japanese Journal of Antibiotics
    2004年 57 巻 1 号 70-104
    発行日: 2004/02/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    Meropenem (MEPM) を含むカルバペネム系抗菌薬を中心に, 全国の医療機関28施設より収集した2002年の臨床分離株2557株 (グラム陽性菌1500株, グラム陰性菌899株, 嫌気性菌158株) に対する最小発育阻止濃度 (MIC) を測定し, 以下の結果を得た。
    1MEPMは, グラム陰性菌全般, 特に腸内細菌科, Haemophilus influenzaeに対し, 優れた抗菌活性を示した。また, Pseudomonas aeruginosaに対するMEPMのMIC90は供試薬剤の中で最も低く, imipenem (IPM) あるいはciprofloxacin (CPFX) 耐性株に対する交差耐性率も低値であった。更に, グラム陽性菌・嫌気性菌に対しても, MEPMは, methicillinresistantStaphylococcus aureus, methicillin-resistant Staphylococcus epidermidis等の多剤耐性菌を除くほとんどの臨床分離株に対し, 優れた抗菌活性を示した。
    2.基質拡張型β-ラクタマーゼ (ESBL) 産生株が, Escherichia coliにおいて4株 (3.1%), Klebsiella pneumoniaeにおいて2株 (19%) 認められたが, これら菌株に対し, MEPMをはじめカルバペネム系抗菌薬は優れた抗菌活性を示した。
    以上より, MEPMは上市後7年以上を経過した時点においても, 広域かつ強力な抗菌活性を保持していることを確認し, 依然として臨床的に有用性の高いカルバペネム系抗菌薬であるとの結論を得た。
  • 谷村 弘, 相川 直樹, 炭山 嘉伸, 横山 隆
    日本化学療法学会雑誌
    2005年 53 巻 Supplement1 号 260-272
    発行日: 2005/07/20
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    幅広い抗菌力を有する新しいカルバペネム系抗菌薬doripenem (DRPM) について, その体内動態を検討するため胆嚢胆汁中・胆嚢組織内濃度測定試験 (前期第n相試験) および腹腔内浸出液中濃度測定試験 (第III相試験) を実施した。また, 臨床効果を検討するために外科感染症患者を対象とした後期第II相および第III相試験を実施した。その結果, 以下の成績を得た。
    1. 体内動態
    胆嚢摘出手術予定患者10例にDRPM 250mg 30分単回点滴静注した時, 胆嚢胆汁中濃度は<0.16~154μg/mL, 胆嚢組織内濃度は<0.10~1.87μg/gであった。
    開腹手術を施行した患者5例にDRPM 250mg 30分単回点滴静注し, 経時的に検体を採取した時の最高血漿中濃度は10.5~24.4μg/mL, 最高腹腔内浸出液中濃度は2.36~5.17μg/mLであった。
    2. 臨床効果と安全性
    後期第II相試験として, 手術創感染22例, 腹腔内膿瘍4例, 腹膜炎7例, 肝膿瘍4例, 胆嚢炎6例, 胆管炎5例に対して, DRPM 250mg 1日2~3回または500mg 1日2回を3~14日投与した結果, 臨床効果は著効12例, 有効31例, やや有効2例, 無効3例で, 有効率は89.6%(43/48例) であった。細菌学的効果における消失率は61.3%(19/31例) であった。副作用として症状の発現率は2.1%(1/48例), 臨床検査値異常の発現率は15.2%(7/46例) であった。
    第III相試験として, 腹腔内膿瘍7例, 肝膿瘍2例, 胆嚢炎6例にDRPM 250mg 1日2~3回, または500 mg 1日2回を4~14日投与した結果, 臨床効果は, 著効2例, 有効13例で, 有効率は100%であった。細菌学的効果における消失率は54.5%(6/11例) であった。副作用としての症状は認めなかったが, 臨床検査値異常は26.7%(4/15例) に認めた。
    以上の成績から, DRPMは1回250mgを1日2~3回, または1回500mgを1日2回投与することにより, 外科感染症に対して有用な薬剤と考えられる。
  • 生方 公子, 千葉 菜穂子, 小林 玲子, 長谷川 恵子, 日暮 芳巳, 岩井 友美, 奥住 捷子, 紺野 昌俊
    日本化学療法学会雑誌
    2002年 50 巻 1 号 1-10
    発行日: 2002/01/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    2001年に分離された緑膿菌に対するbiapenem (BIPM), meropenem (MEPM), imipenem (IPM), およびpanipenem (PAPM) のカルバペネム系薬4薬剤を含む計10薬剤の抗菌力を寒天平板希釈法によって測定した。カルバペネム系薬のMIC50とMIC90は, それぞれ次のようであった。BIPMは1μg/mLと16μg/mL, MEPMは0.5μg/mLと8μg/mL, IPMは2μg/mLと32μg/mL, PAPMは8μg/mLと32μg/mLであった。BIPMの感受性はIPMとの間で他薬剤よりも高い相関が認められた (γ=0.9218)。臨床分離の緑膿菌6株に対するMIC以上におけるBIPMの殺菌効果は, MEPMおよびceftazidime (CAZ) のそれよりも優れ, またその殺菌作用は10%の新鮮ヒト血清添加によってさらに増強された。緑膿菌#8株をBIPMのMIC (1μg/mL) で2時間処理した際のPAE効果は, 10%のヒト血清を添加したBIPMでのみ認められた。緑膿菌#8株からのPBPsに対する3薬剤の結合親和性は, [3H] benzylpenicillinを川いて解析され, MICにおける結果は次のようであった。BIPMはPBP4 (100%)>>PBP1A/1B (73.9%)>PBP 3 (69.0%)>PBP2 (61.2%); MEPMはPBP 3 (92.5%)>PBP4 (87.1%)>>PBP1A/1B (60.0%)>PBP2 (58.9%); CAZはPBP 3 (100%)>PBP 1A/1B (96.0%)>>PBP2 (51.4%)=PBP4 (51.2%) の順であった。PBPsに対する親和性の特徴はこれら3薬剤を緑膿菌に作川させた後の形態変化ともよく下一致していた。BIPMのMIC以上に晒された後の細胞は桿菌からスフェロプラストあるいはバルジ形成への形態変化を生じ, しかも細胞表面に強い損傷が認められた、。溶菌は10%のヒト新鮮血清を添加すると有意に増強された。MEPMに晒された際にはバルジ形成を伴うフィラメント細胞, およびCAZではフィラメント細胞のみの形態変化がそれぞれ観察された。両薬剤によって処理された細胞は, 細胞表面の損傷はほとんど観察されなかった。BIPMのMIC以上において短時間で生ずる強い殺菌作用は, PBP4に対する高い親和性と, MICよりも低い濃度からのPBP1A/1B, PBP3, PBP2に対する高い親和性によってもたらされるものと推測された。
  • 小林 芳夫, 墨谷 祐子, 杉田 香代子, 上遠野 保裕
    日本化学療法学会雑誌
    2006年 54 巻 3 号 263-270
    発行日: 2006/05/10
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    2004年1月~2004年10月に慶慮義塾大学中央臨床検査部にて血液培養検体から分離・同定した144株を対象とし, meropenem (MEPM) の抗菌力を対照薬剤とともに測定した。さらに, 本検討における成績を同様に調査した1997年10月~1998年3月の分離株, 1999年1~6月の分離株および2002年9月~2003年3月の分離株における成績と比較することにより, MEPMに対する血液由来臨床分離株の感受性動向を検討し, 以下の結果を得た。
    (1) MEPMは.カルバペネム系薬のなかでも, グラム陰性菌に対して特に優れた抗菌活性を示し, Pseudomonas aeruginosaに対する耐性株 (MIC≧16μg/mL) も認められなかった。
    (2) MEPMを含むカルバペネム系薬は, 本来抗菌活性を期待できないmethicillin-resistant Staphylococcus aureusなどのブドウ球菌の多剤耐性株を除く菌株に対しては概ね良好な抗菌力を示した。
    (3) 1997~1998年, 1999年および2002~2003年における分離株での成績と比較して, 2004年分離株においてはMEPM耐性株の顕著な増加は認められなかった。
  • 原 耕平, 渡辺 彰, 公文 裕巳, 品川 長夫, 井上 松久, 生方 公子, 後藤 直正
    The Japanese Journal of Antibiotics
    2001年 54 巻 11 号 541-564
    発行日: 2001/11/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
  • 後藤 陽一郎, 一宮 朋来, 生田 真澄, 仲間 薫, 山崎 透, 長岡 博志, 永井 寛之, 重野 秀明, 後藤 純, 田代 隆良, 那須 勝, 宮子 博, 伊東 盛夫
    CHEMOTHERAPY
    1991年 39 巻 Supplement3 号 441-448
    発行日: 1991/09/20
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発された注射用
    カルバペネム系抗生物質
    panipenem/betamipron [panipenem (PAPM) とbetamipron (BP) の合剤 (1:1に配合)] について, 臨床分離菌に対する抗菌力ならびに呼吸器感染症に対する臨床的検討を行い次の結果を得た。
    1) 抗菌力: 臨床材料から分離した27菌種927株 (グラム陽性球菌193株, Branhamella catarrhalis26株, 腸内細菌453株, ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌232株, Bacteroides fragilis 23株) について, 日本化学療法学会規定の方法により最小発育阻止濃度を測定し, imipenem (IPM), carumonam (CRMN), ceftazidime (CAZ) の抗菌力と比較した0PAPM/BPはStaphylococcus aureusを含むグラム陽性菌, グラム陰性菌に対して幅広い抗菌力をもち, IPMとほぼ同等の強い抗菌活性を示した。
    2) 喀痰内移行濃度: 4例にPAPM/BPO.5g/0.5gを30分間かけて点滴静注し, 喀痰内移行濃度を測定した。喀痰移行濃度は投与開始後1~2時間ないし3~4時間目の喀痰中に最高値で0.56~1.44μg/mlの値であった。
    3) 臨床成績: 呼吸器感染症5例 (肺炎4例, 気管支拡張症1例) を対象に, 1日2回点滴静注し, 臨床効果を検討した。1日投与量はPAPM/BPO.5g/0.5gを1例, 1.0g/1.0gを3例, 1.5g/1-5gを1例に使用し, 6~15日間投与した。総合効果は有効3例, やや有効2例と判定された。本剤投与による自・他覚的副作用は認めなかった。臨床検査値で1例にGOTの軽度異常を認めたが, 本剤投与終了後速やかに正常値に復した。また1例にクレアチニンクリアランスの低下がみられた。
    3) 外科領域の感染症10症例 (術後腹腔内膿瘍3例, 汎発性腹膜炎2例, 急性胆嚢炎2例, 急性胆管炎, 肛門周囲膿瘍および術後肺炎各々1例) に本剤を1回0.5g/0.5g, 1日2回投与を行った。10症例全例に有効であった。本剤に起因すると思われる自他覚的副作用および臨床検査値の異常出現は認めなかった。
  • 和田 光一
    日本内科学会雑誌
    2003年 92 巻 11 号 2118-2122
    発行日: 2003/11/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    β-ラクタム系抗菌薬のなかでもカルバペネム薬は最も抗菌力,抗菌スペクトルが広い.したがって,重症感染症.呼吸器感染症に対し,カルバペネム薬は有効率,救命率が最も高い.本系統の抗菌薬を早い時期に使用することにより,救命率の向上,患者のQOLの向上,治療費用の圧縮が可能である.一方,近年,カルバペネム薬にも耐性のメタロエンザイム産生グラム陰性桿菌が見られるが,これらの耐性菌を院内感染で拡げず,カルバペネム薬を使いこなすことが重要である.
  • 田坂 勝視, 石田 明人, 鎮西 忠信
    The Japanese Journal of Antibiotics
    2002年 55 巻 2 号 181-186
    発行日: 2002/04/25
    公開日: 2013/05/17
    ジャーナル フリー
    近年, 当院にて分離された緑膿菌32菌株のカルバペネム薬感受性について検討した。その結果, imipenem, panipenemおよびmeropenemのMICレンジは各々0.25-16mg/L, 0.5-16mg/Lおよび≤0.03-8mg/Lであり, 被験薬剤中でmeropenemが最も優れた抗緑膿菌活性を示した。また, NCCLS規定の感受性分類基準に従って分類した結果, imipenem, panipenemおよびmeropenemに対する耐性率は, 各々6.3%, 15.6%および0%であった。緑膿菌に対するimipenemおよびmeropenemのamikacinとのin vitro併用効果については別途用意した20菌株でchecker board法を用いて検討した。その結果, いずれの併用においても拮抗 (最小FIC index>2) を示す菌株は認められなかったが, 超相加効果 (最小FIC index<1) を示した菌株数は, imipenem/amikacin併用で8株 (40%) であったのに対し, meropenem/amikacin併用では14株 (70%) であった。この結果から, 緑膿菌に対するamikacinとの併用効果においてmeropenemはimipenemよりも優れることが示唆された。このようにmeropenemは単独, amikacin併用の両試験系において, 他のカルバペネム薬を上回る優れた抗緑膿菌活性を示した。Meropenemの単独療法あるいはアミノ配糖体との併用療法は緑膿菌感染症の治療において, その有効性および耐性化防止の観点から優れた治療法であり, 今回の検討の結果から, meropenemが依然として臨床的に有用性の高い抗菌薬であることが示唆された。
  • 荒明 美奈子, 田端 麻紀子, 清水 正樹, 谷 真理子, 原 哲郎, 渡部 宏臣
    日本化学療法学会雑誌
    2003年 51 巻 4 号 173-178
    発行日: 2003/04/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新規カルバペネム系薬biapenem (BIPM) のPseudomonas aeruginosaに対する短時間殺菌力をimipenem/cilastatin (IPM/CS), meropenem (MEPM) およびceftazidime (CAZ) と, ヒト血漿中濃度推移下での殺菌力についてIPM/CSおよびMEPMと比較した。P. aeruginosaに対するBIPMの短時間殺菌力はIPM/CSと同程度であった。BIPMはMEPMおよびCAZに比べ, 抗菌薬作用後1~2時間の初期に強い殺菌力を示した。BIPMおよびIPM/CSの高接種菌量での殺菌力は, 通常接種菌量での殺菌力と変わらなかったが, MEPMおよびCAZでは殺菌力の減弱が認められた。ヒトにBIPM300mg/30min投与時とIPM/CSおよびMEPMの500mg/30min投与時の血漿中濃度に薬物濃度をシミュレートしたin vitro pharmacokinetic modelにおける3剤の生菌数推移は同程度であった。以上の結果から, BIPMは緑膿菌感染症に優れた治療効果を示すことが期待できると考えられた。
  • 加藤 直樹, 加藤 はる, 田中 保知, 田中 香お里, 渡辺 邦友, 上野 一恵
    CHEMOTHERAPY
    1994年 42 巻 Supplement4 号 55-63
    発行日: 1994/12/28
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新カルバペネム系抗菌薬biapenem (BIPM) の嫌気性菌に対するin vitro抗菌力を他のカルバペネム系およびセフェム系抗菌薬と比較検討した。BIPMは参考菌株を用いた検討において幅広い抗菌スペクトラムを示し, 多くの菌種に対して0.78μg/ml以下のMICであった。このBIPMの成績はmeropenem (MEPM) やimipenem (IPM) にはやや劣るものの, latamoxef (LMOX) やceftazidime (CAZ) よりは勝っていた。また, インドール陽性のBacteroides fragilis groupに対してはBIPMはIPMより優れた抗菌力を示した。新鮮臨床分離株を用いた検討においては, 90%のB. fragilisに対するBIPMのMIC (MIC90) は1.56μg/mlで, MEPMには劣るもののIPMとは同等であった。Bacteroides thetaiotaomicronに対するBIPMのMIC90は0.78μg/mlで, 使用抗菌薬中最も強い抗菌力を示した。また, BIPMはPeptostreptococcus属に対してはIPMやMEPMには劣る成績であったが, Mobiluncus属やClostridium perfringensに対しては最も優れた抗菌力を有していた。B. fragilisの産生するβ-ラクタマーゼの内, oxyiminocephalosporinase (CXase) I型に対してはBIPMは酵素学的に安定で, 本酵素を産生する菌株に対するMICは低かった。CXaseII型には他のカルバペネム薬よりは安定であったものの, この酵素を産生する菌株に対するMICは200μg/mlで抗菌力はほとんど認められなかった。本薬剤連続投与によるマウス盲腸内でのClostridium difficileの異常増殖の実験では, IPMとほぼ同様に投与終了1日目にC. difficileの高菌数が認められたが.7日目には検出菌数は減少した。BIPMは嫌気性菌全体に幅広く, 非常に強いin vitro抗菌力を有することから, 臨床的にも嫌気性菌感染症に極めて有効であることが示唆された。
  • 杉野 安輝, 飯沼 由嗣, 奈田 俊, 多和田 行男, 天野 博史, 中村 匡宏, 長谷川 好規, 下方 薫, 柴田 尚宏, 荒川 宜親
    感染症学雑誌
    2001年 75 巻 8 号 662-670
    発行日: 2001/08/20
    公開日: 2011/02/07
    ジャーナル フリー
    カルバペネム系抗生物質
    のいずれかに中間あるいは耐性を示したP. aeruginosa 106株および.Acinetobacter spp.64株についてMEPM, IPM, PAPM, PIPC, CFPM, AZT, AMK, LVFXの薬剤感受性を測定した.両菌ともカルバペネム以外の薬剤に対しても耐性傾向を示す中で, P. aeruginosaではAMKの, Acinetobacter spp.ではLVFXの感性率がそれぞれ51 .1%, 55.6%と8薬剤中最も良好であった.
    カルバペネム系抗生物質
    のMIC相関では, 両菌とも大部分の株においてMEPMのMICがIPMやPAPMのMICより優れており, 特にP. aeruginosaにおいては, IPM耐性株94株のうち29株 (30.9%) がMEPMに感受性となった.さらに, カルバペネム耐性機序として, 2-メルカプトプロピオン酸を用いたdisk拡散法にてメタロ-β-ラクタマーゼの産生を検討したところ, P. aeruginosaでの陽性株はなかったが, Acinetobacter spp.では64株中8株 (12.5%) が陽性で, このうちの4株ではPCR法にて, blaIMP遺伝子が確認された.Acinetobacter spp.におけるメタロ-β-ラクタマーゼ産生株の存在は, メタロ-β-ラクタマーゼ遺伝子のグラム陰性桿菌間での拡散を示唆するものと考えられた.
  • 山崎 透, 後藤 陽一郎, 一宮 朋来, 永井 寛之, 重野 秀明, 後藤 純, 田代 隆良, 那須 勝, 宮子 博, 伊東 盛夫
    CHEMOTHERAPY
    1992年 40 巻 Supplement1 号 432-439
    発行日: 1992/04/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新しく開発された注射用
    カルバペネム系抗生物質
    meropenem (MEPM) について, 基礎的研究ならびに呼吸器感染症に対する臨床的検討を行い以下の結果を得た。
    1.抗菌力: 臨床材料から分離した25菌種983株 (グラム陽性球菌288株, Brmhamella catarrhalis34株, 腸内細菌469株, ブドウ糖非醗酵グラム陰性桿菌168株, Bacteroides fragilis 24株) について, 日本化学療法学会規定の方法により最小発育阻止濃度を測定し, imipenem (IPM), ceftazidime, cefotaxime, aztreonamの抗菌力と比較した。MEPMは, Staphylococcus aureus, Enterococcus faecalis, Streptococcus pneummiaeに対してはIPMと同じく強い抗菌力を示し, B. catarralisは全株0.0125μg/ml以下に分布して最も優れていた。グラム陰性桿菌に対してもXanthmmas maltophiliaを除き全般に最も優れた抗菌活性を示した。
    2.喀痰内移行濃度: 3例に0.5gを点滴静注し, 喀痰内移行濃度を測定した。最高濃度は1~4時間後にそれぞれ5.5μg/ml, 1.6μg/ml, 1, 3μg/mlであった。
    3.臨床成績: 呼吸器感染症4例を対象に1日量0.5~1gを2回にわけて7~8日間投与した。臨床効果は4例全例が有効と判定された。本剤投与による自・他覚的副作用および臨床検査値の変動は認めなかった。
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