目的 本研究では、地域服飾産業の活性化を図り、今後の東北の産業を担う専門的人材の創出を目的とした実践的教育のプロ
グラム
を検討している。これまでのプロジェクトでは、絹の新素材に着目して実施してきたが、2013年度から新たに東北地方の伝統素材である「青苧」に着目した。青苧栽培は、古くには産業として深く根付いていたが、現在では衰退している。本報告では、学生が青苧を用いて服飾関連商品の企画、製造、広報、販売までを実践したプロジェクトについて報告する。
方法 青苧プロジェクトは、服飾文化専攻「ブランドマネジメント演習」の授業において2013年度と2014年度に実施した。学生は同演習で設立した模擬アパレル企業の一員として活動し、青苧を利用した
ファッションブランド
のマネジメントを展開した。青苧は、青苧で地域産業の掘り起しを目指し活動する地元有志団体が栽培したものを利用した。
結果 ブランドマネジメントでは、学生が中心となってコンセプトの立案や商品企画を行い、青苧の素材は学生が苧引き(繊維の収穫)の作業をして原料を得る所から関わった。商品開発には青苧の原麻や糸、学生が織物や編物にしたものを使用し、さらに地元企業の協力を得て原麻を混ぜた青苧の和紙を作成し使用した。2013年度はカジュアル
ファッションブランド
「ラミー×ラミー」、2014年度は和をテーマにしたブランド「和-なごみ-」を創出し、年度毎に展示・販売会を開催した。
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