本稿では,先行研究を視野に入れ,
シュトゥットガルト
芸術アカデミーでヘルツェル教授の下に学び,パリ留学後,フランクフルト芸術学校,並びに
シュトゥットガルト
芸術アカデミー教授となったW・バウマイスター(1889-1955)の芸術教育と芸術教育観について研究した。同研究を通して,ナチズム崩壊後バウマイスターによって
シュトゥットガルト
芸術アカデミーの改革提案が提出された時どのような造形芸術観が構想されていたか,この点が解明された((1)同改革案の基底には,感動,探求といった成長世代の内面世界・社会的・人間的価値の世界を起点とした思想が提出されていた事,(2)また次のような造形芸術上のエートスが主張された事(ダルムシュタット対話(1950))。寛容,自由な創造,現代のユマニテ,モダン・アート,様々な社会的価値,感受性等,現代の民主主義社会の下での芸術意識とそのパースペクティヴ)。
抄録全体を表示