本研究は, 家具など身近に使用されている木材に対するイメージ評価が年齢によってどのように変化するのか, 高齢者と若年齢者との差について明らかにすることを目的としている。本実験では, 10種類の樹種についてSD尺度上で評価を行った。その結果, 20歳代, 60歳代, 70歳代の被験者ではその評価に関し異なった傾向を持っていることが示唆された。因子分析の結果, 木材は, 20歳代は「心地よさ」「著しさ」「現代的」「派手さ」の4因子で, 60歳代は「心地よさ」「軽快さ」「現代的」の3因子で, 70歳代は「心地よさ」「軽快さ」「現代的」「著しさ」の4因子で各々構成されていることが明らかになった。また, 高齢者は, 樹種の明度が評価に影響を与える傾向にあり, 若年齢者と比べると樹種に対し評価が曖味になる傾向が見られた。
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