本研究では,ローコストキャリア(LCC)の参入後,市場が大きく拡大したタイ国内航空市場を事例として,LCCのビジネスモデルの特徴,航空需要に与えた影響,LCC利用者の属性と満足度について分析を行った.ビジネスモデルについては,Thai AirAsiaはノーフリルに徹しているのに対し,One-Two-GoとNok Airは一部でフリルサービスを提供している.経営戦略として,Thai AirAsiaが路線数を継続的に増やしている一方で,One-Two-Goは高需要路線に集中して増便している.Nok Airは親会社である
タイ国際航空
との連携を深めており,コードシェアや路線の補完を実施している.
タイ国際航空
とLCCの利用者属性は異なるものの,運賃面で競争しており,運賃に敏感な旅客が
タイ国際航空
からLCCに移っている.LCC内の競争では,運賃以外のサービスが集客力に影響している.
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