石川県金沢市藤江の幹線道路脇において12年間(1999~2010年)の夏と冬の大気粉塵を捕集し、多環芳香族炭化水素(PAH)6種類(pyrene、benz[
a]anthracene、chrysene、benzo[
b]fluoranthene、benzo[
k]fluoranthene、benzo[
a]pyrene)およびニトロ多環芳香族炭化水素(NPAH)7種類(1,3-、1,6-、1,8-dinitropyrenes、1-nitropyrene、6-nitrochrysene、7-nitrobenz[
a]anthracene、6-nitrobenzo[
a]pyrene)をそれぞれHPLC-蛍光検出法、HPLC-化学発光検出法で測定し、その変遷を明らかにした。この間に、PAH濃度は冬63.9%、夏75.6%減少、NPAH濃度は冬88.0%、夏89.2%減少した。また[1-NP]/[Pyr]値は冬と夏ともに著しく減少した。自動車排ガス規制の強化によって排出源としての自動車の寄与率が低下したことが、大気中PAH、NPAH濃度および[1-NP]/[Pyr]値が顕著に減少した主要因と考えられた。
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