水田転換畑における
トウモロコシ
の栽培は湿害により不安定となることが多い。そこで
トウモロコシ
とソルガムの混播による省力安定生産技術について湛水処理を行って検討した。
得られた成果の概要は次のとおりである。
1.湛水試験の結果,
トウモロコシ
とソルガムを混播することにより,
トウモロコシ
が湿害を受けて低収の場合でも, ソルガムが
トウモロコシ
の減収を補って安定収量が確保されることが明らかになった。
2.湿害のない場合, 混播の1番草の収量は
トウモロコシ
が主体となることが判明した。
3.ソルガムの品種について検討した結果, スズホ (兼用型, 中稈, 分げつ少) は
トウモロコシ
の生育に対する抑制が少なく, 一方P988 (スーダン型, 長稈, 分げつ多) は収量的に高かった。
トウモロコシ
の収量を高めるためにスズホの方が適当と判断された。
4.播種法について, 両草種を同じ播種溝に播種する同条播種よりも草種間に20cmの条間を設けた2条並木播種の方が, 草種間の競合を緩和する傾向にあった。
5.以上の結果より,
トウモロコシ
は早生品種, ソルガムは兼用型の早生品種を用いて混播し, 2回刈を行うことにより, 排水不良な転換畑でも収量を安定させることが可能と考えられる。
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