新潟県下の8小学校, 3中学校の学童生徒851名を対象に, 電算機により永久歯皆報のファイリングを行なった。これは昭和45年4月から現在昭和49年4月まで5年間のデータを各学童, 各歯牙, 各歯面単位で行なったもので, 内容は各学童についての所属施設, 入学年度 (年齢), 個人識別のための一連番号, 性別などであり, さらにデータ識別として検査年度, 歯種さらに欠席, 転出などの不在情報, 歯牙状態を示すものとして萠出状態, 各歯面の情報としてう蝕状態, 歯垢の付着状態などである。
このファイリングシステムは5つの機能の異るなプログラムから成る。具体的には歯牙検診によるカルテの作成カルテ内容のコード化と入力カードフォーマットの設計, 電算機によるデータの入力と誤情報の検出, データの集積, 分類配列, 修正, 削除, 追加などのファイルメインテナンス, テープなど外部記憶装置によるデータの集積と保管である。
学童に多発するう蝕を中心とした疫学的研究手段の1つとして, 電算機による学童の永久歯の経年観察データのファイリングについて, そのファイル作成上および利用上の方法, 問題対策, 効果などにつき考察した。
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