本研究は、利用者にも競争事業者にも大きな影響を及ぼす可能性のある、NTT東西の電話網(PSTN)からIP網への移行計画に関わる課題を評価することを目的とする。評価に当たっては、(1)消費者志向、(2)将来志向、(3)競争中立性、(4)規制の比例性の4つの視点を重視する。そのため、本稿は以下のように構成する。第一に、移行の背景として、ブロードバンドと携帯電話の普及の影響を確認する。第二に、2010年以降公表されたNTT東西の移行に関する文書を分析する。第三に、NTT東西の計画を受けた総務省の対応を分析する。第四に、NTT東西の計画と総務省の対応を対照させることによって、移行に当っての課題を明らかにする。最後に、以上の分析に基づき円滑な移行に向けての筆者の提案と今後の課題を示す。
なお、本件は現在進行中の事象であり、また移行計画の詳細が必ずしも示されていないことから、本研究も中間的なものであることを付記しておく。
安全の立場から,選択肢の増加や多様化という最近の自由化の方法論について,いくつかの疑念を述べたい.ここでの主要な論点はつぎの二つである.一つは,このような方法論は情報や知識が十分でない対象においては,過剰な判断負荷を強いることになり,これは安全を阻害する可能性があるのではないかという懸念である.もう一つは,どんな場合でも選択肢の中には最善の肢があるはずだから,安全のためには選択に任せるよりも,なんらかの方法でこれを指定してルール化するほうが適当ではないかという問題である.その点,真の安全の安定性や継続性を得るには,たとえ,選択というキーワードが市場主義に基づいた現代の潮流であるとはしても,これだけを強調するのは疑問というのがここでの基 本的な考え方である.
難治性の疾患における持続中枢神経感作と言われる病態の疫学,基礎・臨床的な位置付けさらには患者のケアにむけての研究をまとめた.本総説は厚生労働研究班の各員の研究結果を示したものなので,必ずしもまとまりがない点に限界があるが,今までは疾患縦断的に診断治療がおこなわれてきた難治性疾患における中枢神経感作の役割を横断的にみたという意味でもわれわれの研究の結果は一部ではあるが解明したものといえる.結果として,中枢神経感作は種々の疾患,特に難治性のもので明らかに何らかの役割を呈していることが示せた.さらにその治療法の解明には至らぬまでも,患者ケアに繋がる方略を示せたものと考えられ,今後の研究の基盤となることが望まれる.
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