本研究では,廃棄されたシステムの一部が再使用され,それによって利益が生じる問題を考える.システムには修理不能な破局的故障と修理可能な故障の2種類が発生し,一定期間(これを運用期間と呼ぶ)まで破局的故障が発生しなかった場合にはリユースによる利益が得られる.運用期間中に修理可能な故障が発生した場合は修理が行われシステムの運用を続けるが,破局的故障が発生したときはその時点でシステムを廃棄し,リユースによる利益は得られない.ここでは2種類のモデルを提案し,それぞれに対し単位時間あたりのライフサイクルコストを導出する.そして,幾つかの条件の下,最適な運用期間に関する幾つかの性質を数値的及び理論的に明らかにする.
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