テルペンレスオイルの製造を目的として,果皮油成分に超臨界炭酸ガス(SC-C0
2)抽出法(75~200atm,35~60℃)を適用し,次の成果を得た.
(1)溶解度は,温度一定下では圧力の上昇に伴い0.5から11.5%に増大した.しかしながら,温度が上昇するもと75~100atmでは溶解度は3.4%から1.1%に減少し,120~200atmでは逆に3.5%から11.5%に増大した.
(2)リモネンが選択的に抽出されたのは,35℃では80atm以下,40および50℃では90atm以下,60℃では100atmであった.また,この時の果皮油成分のSC-CO
2に対する溶解度はいずれも1%以下であった.
(3)SC-CO
2相のPVT(圧力・体積・温度)関係を明かにするために,BWR状態方程式を適用し種々の条件下におけるモル容積,圧縮係数を求めた.
(4)35,40℃では臨界モル容積より圧縮された状態で選択的な抽出が可能であったが,50,60℃では臨界モル容積より大きなモル容積においてのみ分別抽出が可能であった.
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