我が国のこれまでの公共投資の地域間配分政策において, 族議員に代表される政治セクターが少なからぬ影響力を有してきたとされる. 過度に所得再分配的な地域間配分が行われた結果, 多大な非効率を引き起こしてきたとされ, 現在, その見直しが進められている. 本研究では以上の問題意識のもと, 特に, 我が国の国政選挙において大きな
一票の格差
が存在していた点に着目する. 公共選択論における代表的モデルの一つである中位投票者モデルを取り上げ, 現行の国政選挙制度の下で
一票の格差
が存在する場合と是正された場合のそれぞれにおいて, いかなる地域間配分が実施され, 社会的厚生水準にいかなる影響が生じたかについて実証分析を行う.
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