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クエリ検索: "不規則抗体"
755件中 1-20の結果を表示しています
  • 赤澤 杏奈, 福島 臣啓, 余頃 瑞希, 渡邊 麻衣, 和田 浩太郎, 石川 友規, 河野 圭史, 奥 格
    日本集中治療医学会雑誌
    2020年 27 巻 6 号 501-504
    発行日: 2020/11/01
    公開日: 2020/11/01
    ジャーナル フリー

    【はじめに】

    不規則抗体
    は,抗A,抗B以外の赤血球抗原に対する抗体である。患者背景により
    不規則抗体
    の陽性率は異なるが,ICU入室患者における報告はない。【対象と方法】2012年1月から2015年11月に当院ICUに入室した患者を対象とした。
    不規則抗体
    陽性患者においては,年齢,性別,抗体の種類,輸血歴の有無などを電子カルテで調査した。【結果】この期間に
    不規則抗体
    検査を実施された患者数は770例で,そのうち陽性例は14例(1.8%),年齢は64.0±14.7歳(平均±標準偏差)で,性別は男性11例,女性3例であった。輸血歴ありが5例(35.7%),なしが4例(28.6%),不明が5例(35.7%)であった。臨床的意義のある温式抗体は10例(1.3%)であった。【結語】
    不規則抗体
    陽性患者はまれではなく,当院ICUの陽性率は1.8%であった。ICU患者では輸血歴を問診できない症例が多く,不適合輸血による副作用も重篤となりうる。ICU管理が必要な重症患者に対して
    不規則抗体
    検査を積極的に行うことで,輸血による合併症を回避できる可能性がある。

  • 田伏 洋治, 田伏 克惇, 小林 康人, 勝見 正治, 尾野 光市, 稲生 正樹, 山本 誠己
    日本臨床外科医学会雑誌
    1984年 45 巻 12 号 1671-1674
    発行日: 1984/12/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    輸血の既往のある62歳の男性において直腸癌手術をおこない,その術前術後にかけて8日間に計2,200mlの全血輸血を実施した. 7, 8日目の輸血後急激に間接ビリルビン優位の黄疸が増強した.輸血時の交叉試験では生食法,クームス法にて陰性であったが,黄疸出現後の
    不規則抗体
    検査では生食法,クームス法ともに高力価の抗E抗体が検出され,抗E抗体による副作用と推定された.これは輸血初期には免疫抗体が低力価であったが,今回のたびかさなる輸血がsecondary responseをひきおこし,急激に力価上昇がおこって溶血反応が進行したものと考えられる.本症例では黄疸以外には不都合な合併症もおこらず,ほぼ順調な術後経過をとった.さらに1年後の
    不規則抗体
    検査でも低力価の抗E抗体が存在していた.
  • 加藤 周司, 前防 則彦, 幸田 正明, 中西 正, 吉賀 正博, 高階 良作, 林 正則, 中村 充男, 恒光 兼介, 沢田 克徳, 我 正巳, 水谷 昭夫
    日本腎臓学会誌
    1982年 24 巻 6 号 705-711
    発行日: 1982/06/25
    公開日: 2010/07/05
    ジャーナル フリー
    Within the last six years, 5 examples of red cell antibodies have been found in the sera of 69 patients maintained on chronic hemodialysis . The frequency with which these irregular antibodies were detected was about 7 .2%, and many of the patients who were revealed to have irregular antibodies, had a history of prior transfusion and pregnancies. Since there was no attempt at systematic study, the true incidence may well have been higher. These identified antibodies were anti N, anti Leb+anti HI mixture, anti Lea+anti Leb mixture, anti HI and anti P1. In the first case, it has been suggested that extracorporeal circulation may induce an unusual degree of antigenecity on red cells. These irregular antibodies appeared to be of much clinical significance as hemodialysis patients may customarily receive blood transfusion and renal transplantation in future. We are planning further investigations in order to find the evidence by which we may discriminate between the roles of blood transfusion and of extracorporeal circulation in the induction of antibodies.
  • 丸橋 隆行, 北爪 洋介, 田代 香奈, 長岡 出, 竹内 紗耶香, 相馬 真恵美, 須佐 梢, 西本 奈津美, 石川 怜依奈, 岩原 かなえ, 横手 恵子, 入内島 裕乃, 関上 智美, 横濱 章彦
    日本輸血細胞治療学会誌
    2019年 65 巻 5 号 782-792
    発行日: 2019/10/25
    公開日: 2019/11/15
    ジャーナル フリー

    輸血前検査の

    不規則抗体
    スクリーニングの実施は,安全で迅速な輸血を行う上で極めて重要である.本研究では二次抗体にAnti-Human IgG PEを使用し,フローサイトメトリーにて解析することで臨床的意義のあるIgGクラスの
    不規則抗体
    のみを検出する方法として開発した(FCM-SC).結果はフローサイトメトリーによる検体(Sample)と陰性対照(Negative)との平均蛍光強度の比(S/N比)によって評価した.FCM-SCのカットオフ値は,カラム凝集法(CAT)で陽性かつ,PEG-IAT等による追加試験においても陽性であった最低値のS/N比1.7以上を陽性値と設定した.抗Eや抗Sなどの臨床的意義のある抗体では,CAT陽性95例のうちFCM-SCで83例が陽性,12例が陰性であった.その12例全例でFCM-SCとPEG-IATによる結果は陰性であり一致した.CATにて抗Mと抗Leaが陽性の29例のうちFCM-SCが陰性であった22例については反応増強剤無添加―間接抗グロブリン試験による追加試験も陰性であり一致した.自己抗体,寒冷凝集などCATにて反応の特異性を認めなかった33症例のうち,FCM-SC陰性であった9例については還元剤処理後の血漿を用いたPEG-IATによる追加試験も陰性であり一致した.以上の結果よりFCM-SCは臨床的意義のあるIgGクラスの
    不規則抗体
    のみを検出する効果に優れており,
    不規則抗体
    スクリーニングとして活用できる可能性が示唆された.

  • 加藤 周司, 前防 則彦, 幸田 正明, 中西 正, 吉賀 正博, 高階 良作, 林 正則, 中村 充男, 恒光 兼介, 沢田 克徳, 久我 正巳, 水谷 昭夫
    人工透析研究会会誌
    1982年 15 巻 1 号 33-37
    発行日: 1982/01/31
    公開日: 2010/03/16
    ジャーナル フリー
    血液透析療法の確立により, 慢性血液透析患者の長期生存が可能となるにつれ, 種々合併症が問題とされている.
    この1つとして, 慢性血液透析患者に認められる
    不規則抗体
    について検討することを目的とした. スクリーニング法には食塩水法, アルブミン法, 抗グロブリン法, ブロメリン法を併用し, 血液透析導入前, 導入後は3-6か月ごとにスクリーニングを行い,
    不規則抗体
    の存在する場合には同定検査を行った.
    その結果, 全く輸血歴がなく, 臨床症状もない2名の慢性血液透析患者に
    不規則抗体
    を検出した. 症例1は抗HI抗体であり, 抗体価は2倍であった. また, 患者の血液型はA1, Rh1rh (CcDee), NNss, Le(a+b-), P2で, 直接抗グロブリン試験は陰性であった. さらに, 成人O群赤血球を用いた寒冷凝集反応が32倍であることから, 本患者に検出された
    不規則抗体
    は抗HI特異性をもつ寒冷凝集素と考えられた.
    症例2は抗P1抗体で, 抗体価は2倍であった. また, 患者の血液型はA1, Rh1Rh1 (CCDee), MMss, Le(a-b-), P2で, 直接抗グロブリン試験は陰性であった.
    本邦では慢性血液透析患者に
    不規則抗体
    が認められたとの報告はきわめて少ない. しかし, 著者らの検討では慢性血液透析患者では従来, 最も
    不規則抗体
    が高頻度に認められるとされている経産婦群より高い. しかも, 慢性血液透析患者に
    不規則抗体
    が存在する場合, 患者が将来, 輸血, 手術, 腎移植等に遭遇する機会を考慮すると, 臨床上, きわめて重要な意義をもつことが予想される.
    以上から, 慢性血液透析患者では
    不規則抗体
    のスクリーニングの必要性が痛感される.
  • 藤原 晴美, 石塚 恵子, 渡邊 弘子, 古牧 宏啓, 山田 千亜希, 芝田 大樹, 榛葉 隆人, 砂子 桃子, 根本 直紀, 猪野 楓, 小沢 茜香里, 小幡 由佳子, 竹下 明裕
    日本輸血細胞治療学会誌
    2019年 65 巻 5 号 810-816
    発行日: 2019/10/25
    公開日: 2019/11/15
    ジャーナル フリー

    不規則抗体
    検査は,通常赤血球製剤の輸血後には実施しないため,輸血後の各
    不規則抗体
    の真の陽性率は不明である.輸血後の
    不規則抗体
    の陽性化について多施設共同前方向性研究を企画し,今回はそのパイロット試験を実施した.

    2016年から2018年に当施設で初回の赤血球製剤の輸血を実施し,同意を得た被検者を対象に,

    不規則抗体
    の有無を追跡した.
    不規則抗体
    の発現に影響する因子として性別,年齢,原疾患,輸血歴,輸血量,輸血回数と最終の輸血日から最初の検査実施日までの期間を調査した.

    参加の承諾は307例から得られ,輸血後263例に

    不規則抗体
    検査がのべ267回実施された.輸血前の
    不規則抗体
    の陽性率は1.6%(5/307例),輸血後の陽性率は3.8%(10/263例),1.9%(5例)で新規に
    不規則抗体
    (抗C:1例,抗Jka:1例,抗E+抗c:1例,抗E:2例)が検出された.輸血量の平均値は,新規に
    不規則抗体
    が検出された群が20±14(中央値:13)単位で,非検出群の7±8(4)単位に比べ多かった(p=0.002).

    安全性や倫理面で本試験を実施する上で障害はなかった.

  • 畠山 元, 吉川 和彦, 田中 純一, 由井 三郎, 山下 隆史, 紙野 建人, 梅山 馨, 村井 順一郎, 黒木 哲夫
    日本臨床外科医学会雑誌
    1982年 43 巻 11 号 1268-1273
    発行日: 1982/11/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    (1)輸血後に
    不規則抗体
    が出現し,溶血性貧血を呈することは比較的稀とされている.
    (2)われわれは特発性門脈圧充進症(IPH)の食道静脈瘤に対し経腹的食道離断術兼摘脾術を行ない,その際2,000mlの輸血を行なった後に,極めて珍らしいKidd抗体(抗JKb)が出現し,術後溶血性貧血を併発した症例を経験した.
    (3)現在までにかかる
    不規則抗体
    は10数種類が知られているが,このうちKidd抗体は本邦においては1970年から1979年までの10年間で,われわれの集計しえたかぎりでは10例の報告が見られるにすぎず,極めてまれなものと思われる.
    (4)このような輸血後の
    不規則抗体
    の出現による溶血を避けるためには,輸血前にかかる抗体の存在することも考慮して,
    不規則抗体
    のスクリーニングを必ず行なうべきであると思われ,若干の文献的考察を加えて報告した.
  • 医療
    1979年 33 巻 Supplement 号 251-253
    発行日: 1979/09/01
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 稲岡 千佳子, 矢原 健, 安井 昌博
    日本輸血細胞治療学会誌
    2013年 59 巻 3 号 486-491
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/07/19
    ジャーナル フリー
    当センターで
    不規則抗体
    検査を実施した妊産婦について,
    不規則抗体
    の種類,溶血性疾患発症状況とその治療内容(胎児輸血,交換輸血,新生児輸血,光線療法,γグロブリン製剤投与)について集計し,考察を試みたので報告する.
    2003年2月~2011年7月に
    不規則抗体
    検出検査を行った13,902検体中,冷式抗体を除いた
    不規則抗体
    陽性数は279件(2.0%),妊産婦数では8,251名中
    不規則抗体
    陽性者は89名(1.1%)で,その内訳はRh系47名(52.8%),MNSs系19名(21.3%),その他の抗体15名(16.9%),同定不可8名(9.0%)であった.これらの妊産婦から出生した児83例中,溶血・黄疸で治療を要した児は21例(25.3%),治療例の内,さらに胎児輸血・交換輸血・新生児輸血を実施した症例は10例(12.0%)であった.
    不規則抗体
    の種類別に見ると,抗D抗体とRh系複合抗体保有例の母体より出生した児の治療率は他の
    不規則抗体
    症例に比べて高く,加えて輸血を必要とした症例もこれらの群で多く見られた.また,抗M,抗Jra抗体保有例においても重症例が認められた.
  • 櫻木 美基子, 清川 知子, 細川 美香, 帰山 ともみ, 中尾 まゆみ, 池田 珠世, 押田 眞知子, 青地 寛, 永峰 啓丞, 冨山 佳昭
    日本輸血細胞治療学会誌
    2013年 59 巻 4 号 579-585
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/08/30
    ジャーナル フリー
    当院で2010年7月1日から2011年8月31日の14カ月間に
    不規則抗体
    検査を実施した症例中,輸血後に
    不規則抗体
    が陽性化した症例に関して,その頻度および臨床経過を検討した.
    不規則抗体
    検査の件数および実患者数は,検査件数16,945件,
    不規則抗体
    陽性456件(2.7%),実患者数は9,839例,陽性203例(2.1%)で,陽性203例中臨床的意義のある
    不規則抗体
    は93例(0.95% 93/9,839)であった.93例中輸血後に陽性化したのは14例(15% 14/93)であった.輸血実患者数は1,627例で,うち輸血後に
    不規則抗体
    検査を行ったのは700例であったため,輸血患者の2.0%(14/700)で輸血後に
    不規則抗体
    が陽性化した.さらにこの14例中輸血後30日以内に
    不規則抗体
    が陽性化した7例の副作用症状について検討したところ,1例が遅発性溶血性輸血副作用(DHTR),2例がDHTR疑診例で,残り4例は遅発性血清学的輸血副作用(DSTR)と考えられた.またDHTR 1例とDHTR疑診例1例は抗C+抗eが原因であり,これらの抗体のDHTRにおける重要性が示唆された.7例中4例が輸血歴を,女性4例中3例が妊娠歴を有しており,免疫既往のある患者はDHTRやDSTRを起こす可能性が高いと考えられた.
  • 大槻 晋也, 道野 淳子, 雨野 里奈子, 佐竹 伊津子, 富山 隆介, 和田 暁法, 村上 純, 仁井見 英樹
    日本輸血細胞治療学会誌
    2022年 68 巻 5 号 527-532
    発行日: 2022/10/05
    公開日: 2022/10/26
    ジャーナル フリー

    多発性骨髄腫に対する分子標的薬であるDaratumumab(DARA)投与患者では,赤血球膜表面上に微弱に発現しているCD38の影響により間接抗グロブリン試験(IAT)が偽陽性となり輸血前検査に影響を及ぼすため,IATに使用する赤血球はジチオスレイトール(DTT)処理を行う必要がある.

    今回我々は,DARA投与患者で

    不規則抗体
    を保有する2症例を経験した.症例1は,DARA投与前の
    不規則抗体
    検査で抗Eを検出したため,投与後の輸血検査の際,事前にE抗原陰性赤血球液(RBC)を選択することが可能だった.症例2は,投与前の
    不規則抗体
    スクリーニングは陰性だったが,投与後に5回のRBC輸血を行い5回目の輸血検査で抗Cが検出された.そのため
    不規則抗体
    を同定し適合血で交差適合試験を行うまでに赤血球試薬及びRBCに対し計3回のDTT処理が必要であり,輸血準備に長時間を要した.交差適合試験で併用している酵素法はDARAの影響を受けていない.今回経験したRh抗原に対する
    不規則抗体
    は日本人において検出率も高く,DARA投与患者の
    不規則抗体
    スクリーニングに酵素法を取り入れることはRh抗原に対する
    不規則抗体
    の適合血選択時の時短に繋がると考える.

  • 田辺 昇, 田中 正夫, 竹尾 貞徳, 前川 宗一郎, 吉田 康洋, 池尻 公二
    医療
    1990年 44 巻 5 号 538-541
    発行日: 1990/05/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    症例は58才女性, 昭和59年12月25日左混合型脳内出血のため他院にて血腫除去術を受け, この際3単位の輸血を受けた. 術後経過は順調であつたが昭和60年2月18日, 著明な貧血を認めたため, 輸血6単位施行したところ発熱, 黄疸, 褐色尿, 乏尿, LDH 1617IU/l, (I型43%), ハプトグロビン15mg/dl, BUN 104mg/dl, Cr 9.3mg/dlを認め, 血管内溶血, 急性腎不全と診断, 3月4日東京都立駒込病院に転院後保存療法にて改善した. また
    不規則抗体
    として抗E, 抗Dia抗体が検出された. 本例は輸血後
    不規則抗体
    により血管内溶血を起こし, 腎不全が惹起されたものと考えられる.
    不規則抗体
    による腎不全の報告例は本邦ではまれと考えられたので報告した.
  • 村井 良精, 遠藤 輝夫, 盛合 美加子, 片山 雄貴, 遠藤 明美, 淺沼 康一, 田中 信悟, 髙橋 聡
    医学検査
    2021年 70 巻 4 号 773-777
    発行日: 2021/10/25
    公開日: 2021/10/25
    ジャーナル フリー HTML

    当院での輸血症例のうち,他施設から

    不規則抗体
    情報が得られた症例を抽出し,当院での輸血対応に有用であったかを後方視的に検証した。全7例の情報源は,前医からの診療情報提供書6例,
    不規則抗体
    情報カード保有1例であった。他施設から情報を得る利点として,結果報告あるいは対応決定までの時間短縮,市販試薬では同定困難であり,然るべき施設に検査依頼すべきかの判断に結びつくまでの時間短縮,抗体消失に起因する遅発性溶血性輸血反応(delayed hemolytic transfusion reaction; DHTR)の防止が考えられた。一方,情報伝達方法および受領後の活用法が統一されておらず,情報と検査結果が乖離した場合の判断に苦慮する場合などの課題も明らかになった。また今回の検討から,厚生労働省の指針にある「患者が携帯する
    不規則抗体
    カード」の普及が進んでいないことが推測された。今後,これらの課題が克服されることで,より安全な輸血医療に結びつくことが望まれる。

  • 石丸 健, 天満 智佳, 藤原 義一, 大江 真司, 加藤 俊明, 池田 久實
    日本輸血学会雑誌
    2004年 50 巻 6 号 768-773
    発行日: 2004/12/20
    公開日: 2010/03/12
    ジャーナル フリー
    We report here a rare case of delayed hemolytic transfusion reaction (DHTR) probably caused by a primary immune response. The patient was a 32-year-old Japanese female who underwent surgery for ectopic pregnancy. For treatment of intraoperative hemorrhage shock, she received 5 units of RBCs (all positive for Jka, C and e antigen) that were crossmatch-compatible by indirect antiglobulin testing using polyethylene glycol (PEG-IAT). On day 22 after transfusion, she showed symptoms of hemoglobinuria, reticulocytosis, and elevated serum levels of LDH (1, 106IU/L) and total-bilirubin (5.6mg/dL). She did not receive further transfusion during this period. On irregular antibody screening of patient serum collected 24 days after transfusion, anti-Jka was detected by PEG-IAT. Her blood was typed as B, DccEE, Jk (a-b+). She then received 1 unit of RBCs (Jka-negative but C, e-positive). Her anemia improved after transfusion and no hemolytic transfusion reaction was observed. IgM type anti-C+e in the patient detected on day 24 after the first transfusion did not seem to be involved in the DHTR because transfusion of C+e+RBCs on the 24th day did not cause DHTR. Further, we demonstrated that the immunoglobulin (Ig) class of the anti-Jka switched from IgM to IgG during the clinical course. These results suggest that the DHTR was probably due to anti-Jka caused by a primary immune response.
  • 志方 えりさ, 佐々木 貴代子, 平塚 ひとみ, 田島 八重子, 中山 中智祥
    日大医学雑誌
    2016年 75 巻 3 号 113-117
    発行日: 2016/06/01
    公開日: 2016/07/20
    ジャーナル フリー
    日本大学病院輸血室では,平成26 年10 月に全自動輸血検査装置(IH-1000;バイオ・ラッドラボラトリーズ株式会社)を導入し,
    不規則抗体
    スクリーニングを自動化した.今回我々は平成23 年1 月以降に検出された
    不規則抗体
    について検出率と特異性を変更前後で検証した.対象は83 検体(総数5390).変更前後での
    不規則抗体
    検出率はそれぞれ1.19% (53/4432),2.94% (30/958),うち臨床的意義がある抗体は前が33 検体(62%),後では25 検体(83%) であった.変更後,総検出率は上昇し臨床的意義のない抗体の検出が低下した.一方,前の方法では認められなかった酵素法陽性かつIAT 陰性の抗E抗体が2 検体認められた.自動化は輸血の標準化,輸血過誤の防止に有用であるが,そのなかで検出された個々の
    不規則抗体
    の臨床的意義の有無の判断は,抗体の特異性を考慮した上での追加検査が重要であると考えた.
  • 田中 一人, 金子 なつき, 小山内 崇将, 久米田 麻衣, 阿島 光, 玉井 佳子, 伊東 悦朗
    弘前医学
    2018年 68 巻 2-4 号 190-
    発行日: 2018年
    公開日: 2021/04/26
    ジャーナル フリー
    【背景・目的】 RhD(以下D)陰性患者は日本人の0.5%以下である。輸血の際に供給調整がつかない場合は、混入赤血球が微量であることから血小板(PC)および血漿(FFP)の場合にはD陽性製剤が代用されることがある。今回、D陽性PC 輸血後に抗D抗体を産生したD陰性症例を経験したため、輸血後の問題点と対応方法を検討した。
    【症例提示】 50代男性、O型 D陰性、
    不規則抗体
    陰性。周術期にD陰性赤血球(RCC) 4単位、D陽性PC 20単位、D陽性FFP 10単位が輸血された。輸血後は遅発性溶血性副作用を認めず術後15日で軽快退院した。輸血から3年7か月後、再手術予定時の
    不規則抗体
    検査で抗D抗体が検出(抗体価8倍)された。抗D抗体保有のため、すべての輸血製剤はD陰性血を準備し輸血後抗体価の変動を認めなかった。
    【抗D抗体産生の原因】 RCC 4単位のうち2単位は遺伝子検査でD陰性(d/d)が確認された。また、2単位はRhフェノタイプが ccEE でありD抗原をわずかに発現するDel型(ほとんどがC抗原を保有)の可能性は極めて低いと考えられた。一方、PC 10単位には6×106個の赤血球が含まれる。今回D陽性PC 20単位が輸血されていることから、抗D抗体産生の原因はPCに混入するD陽性赤血球と考えられた。
    【D 不適合輸血の現状】 当院におけるD陰性患者に対するD陽性PC輸血の割合は、2012年の血液センター製剤部門集約前の5年間では90%であった。集約後の5年間では8%に激減したが、8 名の患者にのべ200単位の不適合PCが輸血されていた。
    【考察】 青森県の地域事情を勘案すると、D陰性患者は今後もD陽性PCが輸血されることが想定される。また、D陰性で供給される赤血球製剤の10%はDel 型(D陰性血として供給される)であることから、輸血後に抗D抗体を産生する可能性がある。同種輸血後の
    不規則抗体
    は時間の経過とともに抗体価が低下し検出レベルを下回ることが多い。赤血球輸血時の交差試験は適合となり、輸血後2次免応答により抗体価が急上昇し遅発性溶血性副作用が発生する危険性がある。D陰性患者の同種輸血後は、
    不規則抗体
    検出感度が最良の輸血1~4か月後に
    不規則抗体
    検査を実施することを推奨する。
  • 阿部 操, 大西 修司, 北 睦実, 北畑 もも香, 大澤 眞輝, 井上 まどか, 吉田 由香利, 山岡 学, 伊藤 量基, 野村 昌作
    日本輸血細胞治療学会誌
    2019年 65 巻 6 号 870-875
    発行日: 2019/12/20
    公開日: 2020/01/10
    ジャーナル フリー

    われわれは造血器疾患に対する輸血療法中に,患者とRh血液型が同型の赤血球製剤(RBC-LR)を輸血したにも関わらず,

    不規則抗体
    産生もしくは再活性化された2症例を経験したので報告する.

    症例1は2013年3月,RBC-LR輸血後に酵素法で抗Eが同定された.以降のRBC-LRはE抗原・c抗原陰性で対応していたが,2014年12月,間接抗グロブリン試験(IAT)でも抗Eが検出された.

    症例2は初回の

    不規則抗体
    検査で抗Eが同定され,RBC-LRはE抗原・c抗原陰性で対応した.抗EはIATで陰性化したが,血小板製剤(PC-LR)輸血後に再度陽性となり,さらに抗cも同定された.輸血されたPC-LRにE抗原・c抗原陽性が含まれていた.

    不規則抗体
    産生もしくは再活性化の原因は1例目は不明であった.今後も症例の蓄積により原因究明に努めたいと考えている.2例目は,PC-LRに含まれる微量の赤血球が関与したと考えられた.今回の2症例を経験して,RBC-LR輸血前後だけでなく,定期的に
    不規則抗体
    検査を実施する重要性を再認識した.

    当院では臨床的意義のある

    不規則抗体保有患者に不規則抗体
    カードを発行しており,
    不規則抗体
    が陰性化した状態で患者が転院した際の輸血療法の一助になればと考えている.

  • 上村 正巳, 青木 寿成, 佐藤 美里, 渡部 もも, 大木 直江, 川合 綾野, 増子 正義, 中田 光, 牛木 隆志
    日本輸血細胞治療学会誌
    2019年 65 巻 3 号 562-567
    発行日: 2019/06/25
    公開日: 2019/07/18
    ジャーナル フリー

    生後4カ月未満児は得られる採血量が少ないことから,自動輸血検査装置や試験管法では

    不規則抗体
    検査が困難である.このため,当院では検体量が試験管法の約1/4と少量の検体で検査可能なMicro Typing Systemを採用している.

    2007年1月から2016年12月までの10年間においてMicro Typing Systemでは

    不規則抗体
    検査依頼のあった生後4カ月未満児554件中,552件(99.6%)で検査可能であった.症例の内訳では55.4%が先天性心疾患の症例であった.また,検査可能であった552件中,
    不規則抗体
    が16件(2.9%)で陽性判定であった.そのうちの14件は母親からの移行抗体,1件は移行抗体が疑われた抗E,1件は自然抗体と考えられるIgM型の抗Mであった.さらに実際に358件に赤血球輸血が実施され,その内230件(64.2%)に輸血後の
    不規則抗体
    検査が行われたが,輸血後に生後4カ月未満児が
    不規則抗体
    を産生した症例は認められなかった.

    ほぼ全例に

    不規則抗体
    スクリーニング検査を可能とするMicro Typing Systemは乳児への輸血療法の安全性確保の観点において有用である.

  • 野村 豊樹, 太田 拓哉, 足立 基, 稲葉 寛人, 山本 初実, 多喜 紀雄
    医療
    1994年 48 巻 8 号 622-625
    発行日: 1994/08/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    私達は7年間に抗D抗体(以下D-)による新生児溶血性疾患(hemolytic disease of the fetus and new born:以下HDN)を2例, 抗E+抗c抗体(以下E+c-)によるHDNを3例, 抗E抗体(以下E-)によるHDN1例を経験した. 6例とも出生0から4日に1回の交換輸血を施行し軽快した. しかしE+c-HDN例とE-HDN例は確定診断日齢が出生3から5日でD-HDN例の出生0日に比して遅く, 入院時赤血球数は332±98×104/mm3でD-HDN例の402±34×104/mm3に比して少なく, 入院時総ビリルビン値は22.7±2.0mg/dlでD-HDN例の6.7±6.4mg/dlより重症となる傾向が認められた. 抗D免疫グロブリンによりD-HDNが減少し, E+c-HDNやE-HDNなどのRh亜型-HDNが相対的に増加しており, 早期発見・早期治療を目的とした妊婦の
    不規則抗体
    検査が重要と考えられた.
  • 蓮沼 秀和, 石田 智子, 大滝 皓生, 岩下 洋一, 町田 保, 中尾 三四郎, 野中 みづき, 鈴木 沙耶香, 高島 明子, 川瀬 泰浩, 清水 直美
    日本輸血細胞治療学会誌
    2024年 70 巻 4 号 502-508
    発行日: 2024/08/26
    公開日: 2024/09/06
    ジャーナル フリー

    不規則抗体
    による胎児新生児溶血性疾患(Hemolytic Disease of the Fetus and Newborn:HDFN)では抗体価とIgGサブクラスの違いにより重症度は異なる.今回当院では抗E:128倍の妊婦より出生した児について,遅発性に溶血性貧血が進行し,生後11日目に赤血球輸血が施行され一度はHb値の改善を認めたものの51日目までに再び貧血が進行した症例を経験した.本症例について母児のIgGサブクラス解析と単球貪食試験,輸血後の児の赤血球量を経時的に測定し病態との関係について検討を行った.

    解析結果から母児共にIgG1型の抗Eが検出され,単球の貪食率については低値を示していた.輸血直後の児の赤血球量は全体の約28%まで低下していたが,51日目では約50%まで増加していた.

    本症例において遅発性に溶血が進行した理由として,IgG1型の抗Eであり単球の貪食率が低値であった事が考えられた.また輸血後に再度貧血を生じたのは産生された児の赤血球に対し残存していた抗Eが反応した事などが考えられた.

    高力価IgG1型の抗体によるHDFNでは長期的な経過観察の必要性があり,

    不規則抗体
    のIgGサブクラス解析はHDFNの病態推察の一助となる可能性が示唆された.

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