Ceftazidime (CAZ, SN 401) の0.25, 0.5, 1.0および2.0g/kg/dayをラット胎仔の器官形成期に静脈内投与し, 胎仔ならびに新生仔 (F
1およびF
2) に対する影響を検討した。
母獣については, 0.25g/kg/day以上の用量の投与群で妊娠中に摂餌量の減少, 摂水量の増加, 体重増加量の抑制ならびに盲腸の拡張がみられた。
21日間哺育後の母獣の剖検でも, 0.5g/kg/day以上の用量の投与群で盲腸の拡張がみられた。
胎仔に関しては, 1.0g/kg/day以上の用量の投与群で雌胎仔の体長および体重の減少, 2.0g/kg/day投与群で第7頸椎体の骨化率の低下が観察された。なお, 外形, 内臓および骨格の異常ならびに骨格変異に関しては, 検体の影響と考えられる所見は認められなかった。
F
1については, 2.0g/kg/day投与群で出産日の延長傾向, 出生率の低下, 出生後1週間の平均体重の増加, 耳介開展の促進がみられたが, 4日後生存率, 哺育率に差は認められなかった。その他, F
1の外形, 内臓, 骨格, 臓器重量, 機能, 行動, 学習, 生殖能力などに関しては, 検体投与によると考えられる変動は認められなかった。
また, F
2の観察においても検体投与によると考えられる所見は認められなかった。
以上, 本実験条件下におけるラット器官形成期投与試験の次世代ならびに次々世代に対する最大無作用量は0.5g/kg/dayと結論された。
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