脳と発達
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頭部MRIにて可逆的変化を呈した全身性ループスエリテマトーデス (SLE) の1女児例
平山 恒憲藤田 武久松岡 和彦城田 和彦安保 和俊橋本 清
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キーワード: SLE, MRI, 小児, 中枢神経系
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1997 年 29 巻 1 号 p. 55-60

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抄録

症例は, 初診時年齢11歳8カ月の女児.全身性ループスエリテマトーデス (SLE) の診断のもと, ステロイドパルス療法中に高血圧が出現し, 全身性の痙攣発作を来した.この時, MRIT2強調像で左後頭葉を中心とした高信号域を認めたが, 神経学的に異常はなかった.2カ月後にはT2強調像で多発性の高信号域を認めた.しかし, 治療開始から5カ月後のMRIでは, 白質に点状の高信号域を認める程度で, 以前見られた多発性の病変は消失していた.現在も神経学的な後遺症を認めていない.このような頭部MRIにて可逆的変化を呈したSLEの症例は成人で報告はされているが, 我々が検索し得た限り, 小児の報告例はなかった.

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© 日本小児小児神経学会
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