1) 昭和44年9月~11月,
京都市
地域内の河川について, 汚水生物の調査を行ない, これらの成績から, 河川の汚濁地図を作成した。
2)
京都市
街地を流れる鴨川の三条~七条間では
Sphaerotilusの川底への着生も少なく, 以前に比較すると, かなり清浄化されたと考えられる。これに対して, 疏水では川底に多量の
Sphaerotilusの着生が認められ, 今後この汚染源の追求が必要であろう。
3) 約10年前の津田らの調査結果と比較して, 東高瀬川, 宇治川の汚濁がかなり進んでいる。しかし現状においては, なお桂川, 鴨川の下流の汚濁が宇治川上流で, 淀川水系の汚濁に対しては, より重要な意味をもつだろう。
4) 一般に家庭下水は河川の汚濁源として無視できないが, 現実には岩倉川, 山科川, 小畑川で見られるように, 大河川に入るまでに自浄作用により浄化される場合が多い。したがって, これに工場排水が加わって, 強腐水性にまで汚濁が進み, 嫌気的な条件で, 生物学的自浄作用が弱まった場合に河川汚濁の上で重要となろう。
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