【目的】
乳幼児
は自分で服を選ぶことができず、着脱に関しても親などの第三者が大きく関わっている。問題となるのは、
乳幼児
は衣服の着脱、特に着ることを嫌がる傾向にあるということである。そのため、
乳幼児
の衣料は、着替えさせる側の着脱の容易性を十分に配慮したものが必要である。
【方法】自分だけではまだ着替えることができず、なおかつ着脱時の抵抗が大きいと思われる4ヶ月~24ヶ月の
乳幼児
および、比較のために25ヶ月~36ヶ月の
乳幼児
の親に「着せやすい
乳幼児
衣料」について、アンケート調査を行い、
乳幼児
衣料に関する不満などを調査した。また
乳幼児
衣料の着脱の際の問題点を、既製品の形状の分析により検証した。さらに
乳幼児の成長に伴う行動特性と乳幼児
の衣服サイズ、衣服着脱への配慮の要件につて検討するため、
乳幼児
のJIS衣料サイズL4001-1998の基本身体寸法である身長と体重に基づくサイズ区分に行動のデータを加え、体型カバーの実状とあわせてサイズ別行動特性の分析、および着せやすさの観点からの衣服設計法について検討した。
【結果】
乳幼児
の着脱には成長に伴う行動の変化や性格、機嫌などが大きく作用することが明らかになった。また、着脱の容易性に関しては明きの形態を考慮すると同時に、楽に着せられるのみではなく、
乳幼児
に自分で着る練習をさせる、徐々に親の負担を軽減させることも配慮しなければならず、着脱の容易性を考慮した衣服と、
乳幼児
に練習させるような衣服とを使いわける必要があることが示された。アンケートを通して既製品の形状を調査した結果、
乳幼児
衣料の着脱には伸縮性や、ボタンの数・形などが大きく関係していることが明らかになった。
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