本研究は,未破裂脳動脈瘤を診断された患者が自然経過観察を選択するまでの体験と意思決定プロセスを明らかにすることを目的とした。脳神経外科外来へ通院する患者21名を対象に,診断の受け止め,自然経過観察を選択するまでの思いを中心としたインタビュー調査を行い,得られたデータを質的帰納的に分析した。体験は<診断前><診断直後><説明待機時期><意思決定時期>の4つの時期に分けられ,意思決定時期には,【医師主導の即決型】【吟味と葛藤の末の自己決定型】【手術困難による受容型】の3つの意思決定パターンが見出された。看護師は,まず対象者の診断の受止めを把握し,診断の衝撃の緩和や情報の整理を行うことで意思決定の段階へ移行できるように支援すること,そして,意思決定の時期には,情報の適切性の見極め,医師との関係調整,納得のいく意思決定ができるような自己決定を支える看護支援の必要性が示唆された。
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