耐水研磨紙により斜めおよび垂直方向に粗さを付けた数種の伝熱面を用い, 広範囲の過冷度に対し凝縮時の熱流束を実測し, 前報の水平粗さの結果と比較した.
観察によれば, 研磨方向を徐々に水平から垂直方向に変化させると, 偏平で, 不規則な滴形状は次第に半球状の滴に変化し, また不規則であった滴の挙動も研磨痕に沿ったスムーズな流れに変化して行く.
実験結果によれば, 凝縮滴の清掃周期は熱流束の増加に伴い, べき関数的に減少する.一方, 研磨角度の増加は滴の挙動に対する坑力を減少させ, 熱流束の増加と清掃周期の減少をもたらす.
また, 傾斜粗さを持つ面上での凝縮曲線は, 水平粗さの場合と同様, 履歴現象を示すが, 滴状凝縮から遷移凝縮 (滴状-膜状の混合凝縮) へ移行する過程で示す最大熱流束の値は, 垂直粗さを持つ面上の場合に最大となる.
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