かぜ薬の有効成分の簡便な定量法を検討した.かぜ薬の10成分を塩基性領域で負荷電する化合物及び中性化合物と酸性領域で正荷電する化合物の二つのグループに分類した.アセトアミノフェン,無水カフェイン,グアイフェネシン,エテンザミド及びグアヤコールスルホン酸カリウムをAグループ,マレイン酸クロルフェニラミン,臭化水素酸デキストロメトルファン,リン酸ジヒドロコデイン,
dl-塩酸メチルエフェドリン及びノスカピンをBグループとした.キャピラリー電気泳動により2種類の条件を用いてそれぞれのグループを定量した.Aグループの定量には,50mMドデシル硫酸ナトリウムを含む15mMリン酸塩緩衝液(pH11.0)を,Bグループには,50mMリン酸塩緩衝液(pH3.0)を泳動バッファーとしてそれぞれ用いた.検出は185nmで行い,定量はピーク面積による内標準法で行った.無水カフェイン以外の各成分の回収率は92.7~109%,RSDは0.5~6.3%(
n=3)であった.無水カフェインは,メタノールの影響を受けるため,回収率が77.4~110%,RSDが2.0~11%であった.このために,無水カフェインの定量には本法は使用できない.本法を市販製剤に適用した.無水カフェインを除く,各成分の含有量は表示量の94.0~108%であった.
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