外尿道括約筋筋電図波形の定量分析を対照群13例, 前立腺肥大症群9例, 男性神経因性膀胱群15例, 女性排尿障害群6例, を対象に施行, 推計学的にも比較した. 神経因性膀胱群ではウロダイナミクス検査も合わせて行い筋電図定量分析結果と比較した.
1. 筋電図波形の定量分析法について2方法を比較したが同様の結果を示す傾向があった.
2. 対照群全体では位相数 (X±SE) 3.1±0.1, 振幅470±40μV, 持続時間6.0±0.2msecであった.
3. 前立腺肥大症群では持続時間で対照群より推計学的に有意 (p<0.01) な減少を生じた. その原因について年齢を含め検討した.
4. 男性の核, 核下型神経因性膀胱群では位相数, 持続時間で対照群より増大傾向にあった. しかし核上, 高位中枢型神経因性膀胱群では差がなかった.
5. 神経筋放電の三要素とウロダイナミクス検査結果には有意な相関がみられなかった.
6. 本法は神経因性膀胱の障害部位の客観的, 定量的診断に有用と考えられる.
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