古典幾何学の中には, 三角形や四角形を用いた共線定理や
共点
定理などが沢山ある.そのなかで, その定理の構造を保ちながら, それを構成する直線の数を増していったり, 三角形を, 四角形, 五角形と拡張していっても成立する定理が, 数少ないがある.これらは, その数的拡張が無限にできるので無限連鎖定理と呼ぶことにする.クリフォード, Griffiths, Coolidgeなどは, 外心, 重心, 九点円, 垂心の定理を無限連鎖化している.それに習って, 我々は, 新しくシムソンの定理と直極点の定理を無限連鎖化した.そして, そのラフな証明を見つけているので, それに触れる.さらに, 三角柱の定理と名付けた定理の予想として無限連鎖化を考えた.
さて, これらの図であるが, 連鎖を多くすると, 要素の数が2のn乗のオーダーで複雑になるが, 定理3から5の3つの定理については, 対称性を利用して, 連鎖5, 7の場合を描いた.その際, 数式処理ソフトのMAPLEVを用いた.また, 外心の連鎖とその他の3つの定理に関しては, CADでその図を描いた.これらの定理と図が, 図形科学の発展の一助となれば幸いである.
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