全国的に造林作業に係る林業労働者は減少傾向にあるため、植栽工程を機械化することが軽労化・高効率化の観点から喫緊の課題である。
苗を植え付ける山林の土壌は高硬度な粘土質から崩れやすい砂地まで変化に富んでおり、かつ農地と異なり耕耘などによる土壌の軟弱化処理が施されることがほとんど無いことから、ドリルにより植付場所を局所的に穿孔する手法がコンテナ苗の植栽で試みられている。
しかし、詳細な穿孔条件が判っていないため、植栽装置の設計、特に小型軽量化を求める場合などに必要な動力の見積もりができない。
そこで、本研究では北海道内数カ所の粘土質土壌を対象に、土壌を穿孔する時にドリルが受ける力やトルクを測定し、必要な動力や回転数・送り速度等の穿孔条件を検討した。
結果、山中式硬度計で25mm程度の硬度までであれば720Wのモーターで十分穿孔できることを示した。また、回転数は高いほど良好に穿孔できるが、ドリルの振動で植穴が崩れるなどの支障が生じるため、回転数に上限があることが判った。また、硬度が高いほど送り速度を遅くする必要があることが判った。
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