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クエリ検索: "北海道立総合研究機構森林研究本部林産試験場"
55件中 1-20の結果を表示しています
  • 埼玉県東部地域振興ふれあい拠点施設
    岩崎 正泰
    電気設備学会誌
    2013年 33 巻 12 号 921-924
    発行日: 2013/12/10
    公開日: 2014/09/08
    ジャーナル フリー
  • 天野 智将
    林業経済
    2024年 76 巻 11 号 23
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/01
    ジャーナル フリー
  • *大崎 久司
    日本森林学会大会発表データベース
    2021年 132 巻 S10-6
    発行日: 2021/05/24
    公開日: 2021/11/17
    会議録・要旨集 フリー

     北海道立総合研究機構では,北海道産カンバ類による内装材(フローリング)や家具などへの用途適性に関する研究を行ってきた。その中で、ダケカンバの密度や曲げ強度などの物性がシュガーメープルに近いことが明らかとなったことから,シュガーメープルが主に使われる野球用バットを製作し,立木から製品化までの工程における歩留まり等の調査を行ったので報告する。

     北海道大学雨龍研究林(幌加内町),三井物産フォレスト(株)社有林(厚真町,むかわ町)のダケカンバ19個体(胸高直径:24~56㎝,平均37㎝)からの50本の原木を道内の製材工場にて断面7.5㎝角×長さ105㎝に製材し(584本),本州のバット加工工場にて真空乾燥装置で人工乾燥を行った後,バットに加工した。加工したバットを目視により仕分けた結果,「プロ用」の品質の材が19%,「アマチュア用」が40%であった。北海道日本ハムファイターズの田中賢介選手(当時)による試打の結果,「メープルとアッシュの中間の打球感」との評価を受け,試合用バット10本(材密度:0.71~0.73g/㎝3)を提供し,プロ野球の公式戦で使用された。なお,本研究は,北海道からの受託研究にて実施した。

  • *北村 啓, 玉井 裕, 東 智則, 宜寿次 盛生, 宮本 敏澄
    日本森林学会大会発表データベース
    2018年 129 巻 P1-079
    発行日: 2018/05/28
    公開日: 2018/05/28
    会議録・要旨集 フリー

    シラカンバ(Betula platyhylla var. japonica)は北海道に自生する早生樹であり、種々の外生菌根菌との共生が知られる。菌根性食用キノコの栽培化へ向けた菌根合成苗の研究はまだ緒に就いたばかりであり、苗の大型化や育苗期間の短縮など種々の課題を抱えた状態である。そこで本研究では、早生樹シラカンバを用いて菌根合成苗の短期育成方法を検討した。シラカンバの種子を低温湿層処理後、乾熱滅菌した蝦夷砂上に播種して約1か月間育成し、本葉が展開したものを水耕栽培器で1か月間育成した。その後マツタケ菌を担持した培土中で46週間育成し、4週間毎に生育状況を観察した。その結果、12週目までは、根系全体に根毛が見られ菌根形成は確認されなかったが、16-20週目で徐々に根毛の消失及び菌根の形成が始まり、24週目には発達した菌根が確認された。菌根菌接種後46週目には苗高約65cmに達した。以上のことから、早生樹と水耕栽培を組合せることにより、短期間で野外植栽可能な大型菌根合成苗を育成することが可能となると考えられた。

  • *玉井 裕, 東 智則, 宜寿次 盛生
    日本森林学会大会発表データベース
    2017年 128 巻 L1
    発行日: 2017/05/26
    公開日: 2017/06/20
    会議録・要旨集 フリー

    平成28年10月、札幌市内の公園に植栽された広葉樹樹下において強いマツタケ様の芳香を持つキシメジ属菌が採取された。子実体は、傘径5cm、傘の中央部はくり褐色で周縁部はやや淡色。柄は5cm×12~16mmでやや根元が太く、マツタケ類としてはやや小形であった。形態的特徴および広葉樹樹下に発生するといった生態的な特徴から、このキシメジ属菌はバカマツタケ(T.bakamatsutake)と推定された。発生箇所の地下にはシロ様の菌叢が発達し、母樹と推定されるシラカンバの根を覆っていた。シロ内から採取した根端では、薄いマントルの形成など、外生菌根を形成している様子が観察された。ITS-5.8S rDNA領域について系統解析(近隣結合法、最尤法)を行ったところ、他のマツタケ類(T.bakamatsutake, T.magnivelare, T.anatolicum, T.fulvocastaneum)とは離れて、マツタケ(T.matsutake)のクレード内に位置したことから、分子系統的にはマツタケに近縁であると判断された。日本において広葉樹林に発生するマツタケの報告例はないが、中国ではコナラ属の純林に発生し、コナラ属の樹木と菌根を形成するマツタケが存在する。

  • *北橋 善範
    日本森林学会大会発表データベース
    2023年 134 巻 C1
    発行日: 2023/05/30
    公開日: 2023/05/30
    会議録・要旨集 フリー

     2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」の達成に向けて、伐採と植樹、木材利用といったいわゆる森林の活用は大きな役割を担っている。一方、森林の活用は「自然を破壊する略奪的行為」として否定的に捉えられる場合も多い。このため、林業・木材産業界では、森林の活用がどのようにSDGsの達成に貢献しているかを周知すべく様々な活動を行っているが、特にこれからの木材消費を担う若者に向けた効果的なPRはできていない。

     そこで本研究では2030年のSDGs達成に貢献すべく、「持続可能な森林の活用」に関する新たな学習方法の提案を目的とし、若者の森林知識に関する調査および解析を行うとともに、森林学習指導者が若年層(高・大学生)へ林業・木材産業に関する知識を効率的に教授できるゲーム型教材を開発した。本教材の被験者からは「伐採、流通等のプロセスをゲーム感覚で一体的に体験できた」等、森林活用について興味・理解を深めることにつながるものとの評価を得たが、個々のSDGsターゲットと森林との関係性の理解促進には若干の課題を残した。なお本研究は(一社)ヤンマー資源循環支援機構の助成を得て実施した。

  • *今 博計, 成田 あゆ, 大塚 美咲, 村上 了, 安久津 久, 松田 修, 小川 健一
    日本森林学会大会発表データベース
    2022年 133 巻 F9
    発行日: 2022/05/30
    公開日: 2022/06/21
    会議録・要旨集 フリー

    カラマツ属種子の発芽率は20~40%であり,胚乳を含まない不稔種子が多い。70%程度とされる受粉率と比べると割合が低く,資源が制限要因になっていると考えられる。本試験では,光合成を活性化させるグルタチオンの施用が,種子の結実率の向上に与える影響を検証した。2020年6~7月に球果が着生したグイマツの1次枝を対象に,カネカペプチドW2の1,000倍液を葉面散布した。種子の結実率は同一個体の無処理枝では28~46%であったが,処理枝では57~78%と大幅に向上した。一方,2021年6~7月に実施した個体全体への散布試験では,結実率は無処理個体では69%,処理個体では71%と差は認められなかったが,球果重は1.29倍,種子重は1.13倍に増加していた。ただし,環状剥皮した個体では,球果重と種子重は変化しなかった。以上のことから,グルタチオンが繁殖器官へ与える影響は液剤を散布した範囲に限られること,また,根から吸収される水や窒素,リンなど無機養分も必要不可欠であることがわかった。

  • *近藤 佳秀, 渡辺 一郎, 来田 和人
    日本森林学会大会発表データベース
    2022年 133 巻 E4
    発行日: 2022/05/30
    公開日: 2022/06/21
    会議録・要旨集 フリー

     全国的に造林作業に係る林業労働者は減少傾向にあるため、植栽工程を機械化することが軽労化・高効率化の観点から喫緊の課題である。

     苗を植え付ける山林の土壌は高硬度な粘土質から崩れやすい砂地まで変化に富んでおり、かつ農地と異なり耕耘などによる土壌の軟弱化処理が施されることがほとんど無いことから、ドリルにより植付場所を局所的に穿孔する手法がコンテナ苗の植栽で試みられている。

     しかし、詳細な穿孔条件が判っていないため、植栽装置の設計、特に小型軽量化を求める場合などに必要な動力の見積もりができない。

     そこで、本研究では北海道内数カ所の粘土質土壌を対象に、土壌を穿孔する時にドリルが受ける力やトルクを測定し、必要な動力や回転数・送り速度等の穿孔条件を検討した。

     結果、山中式硬度計で25mm程度の硬度までであれば720Wのモーターで十分穿孔できることを示した。また、回転数は高いほど良好に穿孔できるが、ドリルの振動で植穴が崩れるなどの支障が生じるため、回転数に上限があることが判った。また、硬度が高いほど送り速度を遅くする必要があることが判った。

  • *酒井 明香, 石川 佳生, 津田 高明
    日本森林学会大会発表データベース
    2021年 132 巻 T1-7
    発行日: 2021/05/24
    公開日: 2021/11/17
    会議録・要旨集 フリー

    木質バイオマス発電所向けの燃料材の集荷量拡大や運搬の効率化など、未利用木材のサプライチェーンの改善を目的とし、中間土場に着目して流通システムの実態と課題を把握した。

    北海道を事例地とし、木材関連事業体を対象とした調査の結果、2020年3月現在、77か所の中間土場が確認された。そのうち発電所向けの未利用木材集荷が行われているのは46か所(60%)であった。中間土場の管理主体は発電所直営が4割、素材生産事業体等の管理が6割となっていた。これら中間土場から発電所までの片道距離は30km~290km(平均160km)で、2019年度に中間土場を経由して発電所に搬入された未利用木材は少なくとも12万m3に達したことが明らかになった。トドマツの未利用木材を中間土場で乾燥させチップ化し、50km圏内の発電所に納入するケースを想定しコスト試算をしたところ、チップ化による減容効果を考慮しても運搬費の掛増しが大きかった。中間土場は広域集荷の拠点となり集荷量の増大に寄与していることが明らかになったが、コスト面が大きな課題であった。

  • *相川 高信, 古俣 寛隆
    日本森林学会大会発表データベース
    2021年 132 巻 T1-4
    発行日: 2021/05/24
    公開日: 2021/11/17
    会議録・要旨集 フリー

    バイオマス起源のCO2は、植物に再吸収されるため、差し引きゼロ(炭素中立/カーボンニュートラル)とされて、バイオマスエネルギーの利用を気候変動対策として進める根拠となってきた。しかし近年、この考え方は単純すぎるという批判が強まっている。

    事実として、木材中の炭素をカウントする場合、化石燃料に比べてバイオマス燃料の方が単位エネルギー量あたりのCO2排出量が多く、大気中のCO2量を一時的に増加させる。特に、樹木・森林の場合は、成長・再生に時間を要するため、放出されたCO2の再吸収にかかる時間が長く、CO2削減効果が発現するのに時間がかかると批判されているのである。

    一方で、このような批判的な研究の多くは、一定区画の森林を分析単位とし、皆伐されて樹木全てが燃料利用されるという想定を置くなど、現実に即した設定になっていないという反論もある。そこで本報告では、国際的な論争の論点整理を行うとともに、実際に日本の森林をケースとして、前提を変化させた炭素動態の計算を行う。最後に、これらの結果を踏まえて、日本の林業・バイオマス政策への示唆を示したい。

  • *吉田 俊也, 山崎 遥, 宮本 敏澄, 秋津 裕志
    日本森林学会大会発表データベース
    2020年 131 巻 E11
    発行日: 2020/05/25
    公開日: 2020/07/27
    会議録・要旨集 フリー

    北海道においては、重機を用いた搔き起こしが、ササ地を対象とした天然更新補助作業として行われてきた。施工後は高い確率でカンバ林が成林するが、平均DBHが40年生で10cm程度と、先駆種であるカンバ類の成長ポテンシャルを十分に引き出せていない。また、多くの場合、下層にはササが再侵入し、カンバ類の単層林が成林するにとどまっている。この発表では、いったん剥いだ表層土壌を再度施工地に敷き戻す作業(表土戻し)の事例を紹介する。5年生時点で、ダケカンバの稚樹数・成長に及ぼす正の効果は明らかであった(胸高以上の稚樹数は通常0.2、表土戻し9.5本/m2;Aoyamaら 2009 JFR)。20年生時点で再測したところ、表土戻しでは平均DBHが8.2cmに達し(通常5.2cm)、10cmを超える個体が2000本/ha以上あった。また、通常施工地では林床のササの被覆率が80%であったのに対して、表土戻しでは3%で、より多様な樹種からなる、本数で2倍以上(4.7万本/ha)の稚樹層が形成されていた。このように、表土戻しは、①更新木の成長を著しく促す、②高木樹種の下層での再発達を促す作業方法といえる。

  • *楠 和隆, 石塚 航, 海野 大和, 村上 了, 成田 あゆ, 今 博計, 伏見 愛雄, 矢口 雅美
    日本森林学会大会発表データベース
    2022年 133 巻 P-172
    発行日: 2022/05/30
    公開日: 2022/06/21
    会議録・要旨集 フリー

    北海道で普及が進められているカラマツとグイマツの雑種であるグイマツ雑種F1は、グイマツの材強度とカラマツの成長性を併せ持つ樹種であり、国内針葉樹の中でも建築用材としての利用が期待されている。我々はグイマツ雑種F1の材質バリエーションを産み出す遺伝的要因の探索を行うため、北海道の林内46年生個体から秋期に採取した胸高の木部試料を対象にRNA-Seqによるトランスクリプトーム解析を行った。

    構築した遺伝子モデル(BUSCO Complete 84% + Partial 12.9%)のうち、木部で一定以上の発現が確認された27,543個の遺伝子発現は、-0.53–0.55および-0.52–0.47の範囲でピロディン貫入量および応力波伝播速度との相関を示した。遺伝子共発現ネットワーク解析により抽出したピロディン貫入量と相関の高い遺伝子モジュールは、プログラム細胞死に関わる遺伝子群を有意に多く含んでいた。

    これらの結果から、グイマツ雑種F1の材質バリエーションがトランスクリプトームの差異によって発生している可能性が示唆された。

  • *古俣 寛隆, 相川 高信, 加用 千裕
    日本森林学会大会発表データベース
    2022年 133 巻 S4-3
    発行日: 2022/05/30
    公開日: 2022/06/21
    会議録・要旨集 フリー

     木材の燃焼に伴うCO2は、樹木の成長過程で大気中から吸収されたものであることから炭素中立 (カーボンニュートラル) とされ、この概念は気候変動対策として森林バイオマスのエネルギー利用推進の根拠の一つとなってきた。しかし近年、この概念は単純すぎるという批判がある。木材由来の炭素をカウントする場合、バイオマス発電およびバイオマスボイラーは、商用電力および化石燃料ボイラーよりCO2排出原単位が大きいため、大気中のCO2濃度を一時的に増加させる。さらに、森林は、成長・再生に時間がかかり、CO2の再吸収に年数を要する。これらを考慮すると、化石燃料を利用した方が、温暖化は抑制されるのではないかといった疑問が生じる。

     CO2収支の定量評価を行うためには、時間軸を考慮し、森林の成長と施業、森林バイオマスの利用および腐朽条件等を詳細に設定しなくてはならない。本発表では、森林バイオマスをエネルギーや木質材料として利用する複数のシナリオ (森林バイオマス利用シナリオ) を作成し、単位森林面積あたりのCO2収支を評価するとともに、森林を伐採せず、化石燃料および非木質材料を利用するシナリオのCO2収支を算定した比較結果を報告する。

  • *酒井 明香, 津田 高明, 古俣 寛隆, 石川 佳生, 渡辺 誠二
    日本森林学会大会発表データベース
    2020年 131 巻 T1-1
    発行日: 2020/05/25
    公開日: 2020/07/27
    会議録・要旨集 フリー

    2016年以降、北海道においてはFIT制度の認可を受けた5,000kWから50,000kW級の大型木質バイオマス発電所が4箇所稼働した。その後は台風被害や既存の原木需要の高まりなど複合的要因から製材工場を中心に深刻な原木不足となっている(昨年度報告)。このような中、2019年に2,000kW未満の小型バイオマス発電所2箇所が本稼働した。これら後発の小型発電所の中にはD材(不定形の未利用材)集荷専門の直営班を有し燃料材に占めるD材割合100%を目指すケースが出てきた。また20,000kW級の大型発電所でもD材を中間土場に集め乾燥・チップ加工を行い、全燃料の4割強をD材でまかなう事例が出現するなど新たな動きがみられる。2018~2019年に実施した筆者らの調査では、北海道内の少なくとも23箇所で発電所向けの未利用材を扱う中間土場が確認され,そこを経由した新たな流通システム構築の兆しがみられた。従来、D材は容積密度が低いことから効率的な集荷・運搬が困難だったが、これら大小の発電所は乾燥・チップ化・大型車積み替えを行う中間土場を通すことで流通システムの改善や棲分けを図っていることが示唆された。

  • *酒井 明香, 石川 佳生, 古俣 寛隆, 津田 高明
    日本森林学会大会発表データベース
    2019年 130 巻 S1-8
    発行日: 2019/05/27
    公開日: 2019/05/13
    会議録・要旨集 フリー

    第60回大会にて著者らは北海道における発電所向け未利用木材のポテンシャルについてD材をくまなく集荷した場合で約60万m3、C材の余剰分(既存の需要を差し引いた量)で約46万m3と試算した。その後の北海道では、当時よりさらに新規発電所の認可が増え建設・稼働が進んだ。平成29年度における未利用木材利用量は約70万m3と、平成26年度実績の8倍と急増し、北海道の平成38年度の目標値をも上回っている。一方で北海道内の製材産業は、上記の発電所向け新規需要の他、大型台風後の風倒木処理や木材移輸出の増加など複合的な要因を背景に恒常的な原木不足に陥り、原木在庫量が低調となって、平成30年8月にはカラマツ・トドマツ・エゾマツともに全道平均で前年同月比の2割減となっている(北海道水産林務部(2018)製材工場動態速報)。本発表では、木材の既存需要と発電所向け燃料需要の両立を目標として「未利用木材」供給の現状について掘り下げた。大型木質バイオマス発電所稼働後の製材産業への影響は原料材だけでなく一般材にもおよび、原木の安定供給のためには新たな供給システムが必要と示唆された。

  • *滝谷 美香, 竹内 史郎, 石濱 宣夫, 大野 泰之, 八坂 通泰, 渡辺 一郎, 蝦名 益仁
    日本森林学会大会発表データベース
    2019年 130 巻 P2-074
    発行日: 2019/05/27
    公開日: 2019/05/13
    会議録・要旨集 フリー

    北海道岩見沢市内の民有林内において,カラマツ及びクリーンラーチ(グイマツ雑種F1,以後CL)を,それぞれ2年生苗(普通苗)及び3年生苗(大苗)の全4種類の苗木を用意し,各1列16本で4列に苗間2m,列間2.5mで植栽した。同様の区画を4つ設定し,2区を下刈り区,残りの2区を無処理区とした。各区画において,2016〜2018年に苗高,苗長,根元径及び苗木周辺の植生状況を調査した。植栽直後の平均苗高は,普通苗はカラマツで52.8cm,CLで61.2cm,大苗はカラマツで114.3cm, CLで128.5cmであった。植栽から2生育期間を経過した2018年5月では,多くの苗木で傾斜が発生していた。苗木の鉛直方向からの傾斜角を算出したところ,各処理では平均41〜49度の傾斜を示していた。3生育期間を経過した2018年9月には全ての処理において傾斜の回復が見られ平均で1.3度となった,普通苗CLでは平均0.3度となり,概ね傾斜の状態は回復していた。また,下層植生との競合が高いほど,苗長,根元径の成長量は低くなる傾向にあった。CLを植栽した場合,積雪等による傾斜が発生してもカラマツに比較してその回復程度は高く,下層植生との競合状態を早くに脱することが可能と考えられた。

  • *寺澤 和彦, 山田 健四, 阪田 匡司, 大野 泰之, 石塚 成宏
    日本森林学会大会発表データベース
    2017年 128 巻 P2-205
    発行日: 2017/05/26
    公開日: 2017/06/20
    会議録・要旨集 フリー

     樹木の幹からのメタン放出が、湿地林のメタンフラックス全体に占める割合を推定することを目的として、渓畔の氾濫原に成立するヤチダモ林において、生態系のメタンフラックスを構成する3つの成分(樹幹、林床植生、地表面)を、それぞれ非通気型チャンバーを用いて測定した。調査区(60m×20m)内の林床植生相の異なる2か所(ヨシ(P)群落、オニシモツケ(F)群落)において、ヤチダモの樹幹は計6個体(うち3個体では地上0.1~4.9mの5つの高さ)、林床植生は計10か所、地表面は計10か所で、2016年7月18~21日に測定した。樹幹からのメタン放出量(樹幹表面積当たり)は、樹幹の最下部で最も大きく、P群落で約350µgCH4m-2h-1、F群落で70~200µgCH4m-2h-1であった。樹幹の高さ1~5mの位置でもメタン放出がみとめられたが、樹幹の高さと放出量の関係は明瞭ではなかった。林床植生からのメタン放出量(植物体を含む地表面積当たり)は、P群落では230~3,600µgCH4m-2h-1と大きかったが、F群落ではほとんどのチャンバーで放出はみとめられなかった。地表面でのメタンフラックスは、P群落の1個のチャンバーを除いて0~15µgCH4m-2h-1の吸収であった。

  • *仲谷 朗, 大崎 久司, 大野 泰之, 吉田 俊也
    日本森林学会大会発表データベース
    2023年 134 巻 P-151
    発行日: 2023/05/30
    公開日: 2023/05/30
    会議録・要旨集 フリー

    樽用資材としてミズナラの需要が急増している。材がねじれている、あるいはチロースが未発達な個体は、材からの液漏れが発生することから樽材には不適とされている。従来、立木段階における樽材適性の判断は主に樹幹表面における樹皮の割れ傾斜の観察によっていたが、材とねじれとの関連性は未解明であった。また、チロースの発達については情報が少ない。本研究は、立木個体の外観的特徴や立地環境要因がそれらの発達に及ぼす影響を解明する。天然生二次林に面積7 haの調査地を設置し、毎木調査(胸高直径・樹幹の曲り・位置情報の記録・立木および樹幹表面の写真撮影)の後に伐倒し、高さ約2.5 mの位置から円盤を採取した。円盤から採取した髄を通る高さ3 cmの材サンプルを用いて、割裂法による繊維傾斜度(SGA)、および単位面積当たりのチロースを持つ道管の比率(TR)を計測した。立木および樹皮写真上で樹幹傾斜度、樹皮割れ傾斜度(BCA)を記録した。対象木の最大および平均SGAはそれぞれ8.1%と3.5%であり、平均BCA(2.7°)との関連性は不明瞭であった。また、TRは平均33.2%で、個体差が大きかった(0-90%)。変数間の関係を示す解析結果を提示する。

  • *石塚 航, 楠 和隆, 海野 大和, 村上 了, 成田 あゆ, 今 博計, 佐藤 弘和, 来田 和人
    日本森林学会大会発表データベース
    2022年 133 巻 P-175
    発行日: 2022/05/30
    公開日: 2022/06/21
    会議録・要旨集 フリー

    後代の形質をもって親の遺伝的特性を評価する次代検定では、いかに精度よく形質評価できるかが検定の根幹を担う。林木育種においては、検定の精度改良に関する検討が古くから行われ、①検定材料の遺伝的背景(交配親)を正しく把握する、②複数の次代検定林で評価する、さらに、遺伝パラメータ推定において、③遺伝効果と環境効果の交互作用を組み込み、評価する、④試験地内における立地条件の不均一性を組み込み、評価する、というそれぞれの手続きが有効であると知られる。それでは、実際の遺伝パラメータ推定の場面でそれぞれをどのように組み込み、それぞれがどの程度精度改良に貢献するのだろうか?本発表では、モデル事例として、遺伝パラメータの推定しやすい半兄弟家系における次代検定での検討結果を報告する。

    対象はニホンカラマツとグイマツ間の交雑次代とし、北海道にて環境の異なる2ヶ所に設定した検定林で46年生時の材積・材質関連形質を測定した。遺伝解析による親子鑑定で交配親を整理し、過去に測定した成長や植栽位置情報も紐づけた。複数の統計モデルで推定した遺伝パラメータを比較し、上記③④の手続きの重要性を示す結果を得た。

  • *仲谷 朗, 大崎 久司, 大野 泰之, 吉田 俊也
    日本森林学会大会発表データベース
    2022年 133 巻 P-102
    発行日: 2022/05/30
    公開日: 2022/06/21
    会議録・要旨集 フリー

    シラカンバ材は、新たな利用が注目されているものの、偽心の発生がその商業的価値の低下につながっている。本研究では、シラカンバ立木個体における偽心の特性を明らかにすることを目的とした。偽心の発生に関わる既存の知見をもとに、木口面積に対する偽心の割合(偽心率)は、①落枝痕・枯枝・二股が著しい立木で高い、②直径・樹齢と正の相関、③成長速度・樹冠長率と負の相関、④生育環境の湿潤度と負の相関があるという仮説を検証した。約70年生の天然生シラカンバ二次林(計3 ha)に調査地を設定した。毎木調査・立木位置測量・立木全体の写真撮影を行った後に全立木を伐倒し、元玉の木口面の写真を撮影した。立木写真上では落枝痕等を、円盤写真上では樹齢・偽心率・最近10年間の成長率をそれぞれ計測・算出した。また、立木ごとに周囲の混み合い度と地形的湿潤度指数をGIS上で算出した。対象としたシラカンバの79.9%(692/866本)に偽心が出現し、平均偽心率は13.4%、最大は64.1%であった。偽心率と各変数との関係はおおむね仮説に沿っており、もっとも強い相関を示したのは樹冠長率であった。各変数が偽心率に直接または関節的に及ぼす影響について議論する。

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