さきに風圧制禦装置を有する架線上における荷重の運動について園転体理論の適用ならびに実測結果をのべたが
1)2),クラッチを必要とする条件の索道に遠心クラッチを応用して円滑な自動運転をさせようとする場合に生ずる.問題点として,
(1)
半クラッチ
による発熱をできるだけ少なくし,クラッチシューやケースの摩耗を少なくすること
(2)そのためには
半クラッチ
の生ずる荷重位置がなるべく支間下方になるよう,できれば荷重牽引力の変化の大きいスパンの下部1割の範囲に入ってからになることがのぞましい
(3)荷重が下部盤台に到着するときの残存速度に充分余裕のあるごと
(4) 風車の最大回転数からみた装置強度上の問題に関して充分安全であることがあげられ,これらの条件が満足されるような遠心クラッチの容量,回転比,風圧制禦定数が得られるならば,遠心クラッチの応用は有利であろうということを推論し,あわせて
半クラッチ
状態(イ),および遠心クラッチ開放後(ロ)の荷重運動をも前回同様の理論により下記のように推定した。
(イ) 〓
(ロ) 〓
ただし
k, m:遠心クラッチ定数
S
1:遠心クラッチ完全開放の荷重位置(m)
V
0:S
1における荷重速度(m/sec)
その他の記号は前園の報告
1)を参照。
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