廃棄物処分場の浸出水が, 土壌中の水銀を可溶化する可能性について調査するため, 風化花崗岩 (真砂土) を対象として, バッチ溶出試験 (環境庁告示第46号試験, pH依存性溶出試験) およびカラム溶出試験を実施した。溶出溶媒として, 純水, 浸出水, 水酸化ナトリウム溶液, 塩化ナトリウム溶液などを用いた。バッチ溶出試験の結果, pH10以上の水酸化ナトリウム溶液により, 真砂土に含まれる水銀が溶出した。カラム溶出試験の結果, 水酸化ナトリウム溶液および塩基性を示す浸出水により, 真砂土から水銀が溶出した。水銀の溶出濃度は, 溶出液のpHの増加に伴って高くなった。カラム溶出試験による, 真砂土からの水銀溶出量は, 水銀含有量の4~5%に相当した。
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