大阪の若年者の歯周疾患罹患状態を調べることを目的として1469名の高校生を対象とし, 61/61|16/16の pocket depth (PD) を測定し, 歯肉の炎症状態は Löe (1963) のGIで評価した。その結果, 4mm以上のPDの出現率は2.4%で5mm以上のPDの出現率は0.3%であった。各学年間にPDの分布に有意差は認められなかったが, 男子の方が女子より有意に深い値を示した。部位別の平均PD値は大臼歯部の方が中切歯部より大きく, 中切歯唇側においては隣接面部の方が中央部より大きかった。高いGI値の出現は2年生>1年生, 隣接面>頬舌面, 男子>女子であった。1ケ所でも5mm以上のPDを有する44名についてさらに口腔内精査を行い, 全身所見に異常なく, 5mm以上のPDを示す歯が3歯以上存在するにもかかわらず肉眼的に著明なプラークや歯石の認められなかった2名について1/1|1/1デンタルおよびパノラマ X-ray 撮影を行ったが, 若年性歯周炎と診断できる患者は存在しなかった。
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