胃上中郡および全領域の原発胃癌557例を対象に, 進行度に応じたNo.(10),(11) 郭清術式の選択について検討した.No.(10),(11) 転移率の高い因子としては腫瘍径8cm以上, 大彎・後壁に位置するもの, S
2以上, N (+) 例などが挙げられ, 一方, 腫瘍径4cm未満, S
1以下, N (-) 例などではNo.(10),(11) 転移率が低かった.No.(10),(11) のen bloc郭清は238例に行われ, 郭清術式の内訳は膵脾合併切除190例, 脾動静脈切除膵温存術48例であった.これらの根治切除例における5年生存率はそれぞれstage I: 96.3%, 100%, stage II: 64.0%, 79.6%, stage III: 39.8%, 35.6%, stage IV: 20.8%, 0%であった. stage I, IIではNo.(10),(11) 転移率が低く, 生存率にも差を認めないことから膵温存術の適応が合理的である. stage IIIでは郭清術式による生存率の差を認めないが, No.(10),(11) 転移率の高い症例が含まれるため, 完全郭清を目的とした膵脾合併切除を選択すべきと考える. stage IVでは根治切除可能であれば膵脾合併切除の絶対適応である.
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