ブレインストーミング(以下BS)は,会議や議論の場において最も多く用いられる発想法である.佐々井らはBSの4つのルールのうちの一つである「質より量」について定量的に検証し,アイデアの質と量に正の相関があると報告している.その一方,BSの生みの親A・F・オズボーンは,他人の前では発言が抑制されるという報告をしており,筆者は発言抑制の低減(発言促進)を行うことによって,さらにアイデアの質と量を高めることができるのではないかという仮説を立てた.本研究では,発言抑制が心理的な要因が強いとの考察に立ち,心理学の一体系である行動分析学に着目し,行動分析学を活用したBSを提案した.仮説を検証するため実験を行った結果,通常のBSと比較して行動分析学を活用したBSがアイデアの質,量ともに高く,仮説は立証された.
抄録全体を表示