1980年代の米国の
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では多様なメディアの導入が進み, 情報リテラシーの育成が期待されるようになった。これは, 1988年に米国
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員協会が中心となって出版した『インフォメーション・パワー』に明確に示されている。こうした変化は,
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員の資格要件や養成に大きな影響を与えている。そこで, 本稿は, 1980年代の米国の
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員の養成動向とその要因となる能力主義が果たした役割を日米の文献をもとに考察した。その結果, 次の点が明らかになった。1980年代の
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員の養成の特徴は, (1) 実習/実務, (2) 学力試験, (3) 能力主義の導入であった。能力主義の導入は, 実習/実務と学力試験の導入を推し進める要因である。能力主義の成果は,
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員の職務内容の分析によって職務遂行に必要な能力を明確にしたことと, 理論と実践を統合するカリキュラムを実現したことであった。
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員の職務遂行に必要な能力とは, 図書館員, 教員, 情報専門家の役割を統合する実践的能力であり, その養成カリキュラムの目標は, この実践的能力の育成にあった。
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