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クエリ検索: "学校法人平松学園"
18件中 1-18の結果を表示しています
  • ~臨床教育システム構築について~
    大嶋 崇, 河野 礼治
    理学療法学Supplement
    2015年 2014 巻 P1-0002
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/30
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    【目的】現在,理学療法士の急増に伴い,質を維持向上することが今後の重要な課題となっている。理学療法士の卒後教育については新人教育プログラムがあるが,加えて大分県理学療法士協会では,臨床教育プログラムを独自に構築している。今回はこの臨床教育システム構築委員会(以下,委員会)の取り組みを紹介する。【活動報告】委員会の事業はPhaseI~IVの四本柱で事業を展開している。PhaseIは,主に専門職としてリハビリテーションマインドの伝達を重点に置き,専門的知識・技術の教育とともに,社会的認知向上を基本とした理学療法組織(日本協会・士会)の役割と組織力構築を伝えている。PhaseIIについては,新人教育プログラム修了者を増やすことを重点とし,H25年度からは,チーム医療を基本としたセミナー開催を実施している。PhaseIIIについては専門領域の質的向上を重点として,既存の勉強会を支援するとともに,学術発表支援も促している。PhaseIVでは研究支援として助成金,研究費の支給を考えている。【考察】臨床での教育は,就職する施設によって格差が生まれる可能性がある。そのような課題に対し,本委員会は治療技術の向上,理学療法の効果の向上,さらに理学療法士という専門職の確立を目指し委員会を立ち上げており,セミナー等への参加者数も多く,会員のニーズにも対応出来ていると考える。加えて,組織活動の理解も得られ組織率向上にもつながっていると考える。【結論】同じ目的意識をもった仲間が集まる組織活動は,今後の理学療法の社会的認知の確立および向上のためには不可欠である。また,同時に若手会員を中心に学べる環境作り・理学療法士協会や大分県理学療法士協会への理解と協力支援要請を行うことも重要である。現在,急増する理学療法士の組織力向上や生涯学習システムの構築には,日本理学療法士協会,都道府県士会が連携して動機づけを行い活動していく必要がある。
  • ~性別および経験年数別の比較~
    武田 知樹
    理学療法学Supplement
    2017年 2016 巻 P-ED-12-2
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/24
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    【はじめに,目的】

    キャリアアンカー(career anchor)とは,個人が仕事をしていく上でそのやり甲斐(達成感)や意味の実感(有意義感)の拠り所となる中心的な価値観のことをいう。

    本研究の目的は,臨床業務に従事する理学療法士のキャリアアンカーの特徴を明らかにして,キャリア支援のための基礎的知見を得ることである。

    【方法】

    対象は大分県内の医療機関に勤務する理学療法士142名(男性68名,女性74名,平均年齢26.6±4.7歳)であった。

    調査方法は,県内で開催された研修会に参加した者に対して,E.H. Scheinにより開発された「キャリア指向質問票」を配布して無記名で回答を依頼した。この質問票は ①専門・職能別コンピタンス(TF),②全般管理コンピタンス(GM),③自律・独立(AU),④保障・安定(SE),⑤起業家的創造性(EC),⑥奉仕・社会貢献(SV),⑦純粋な挑戦(CH),⑧生活様式(LS)の8領域のキャリアアンカーで構成されている。

    分析は各キャリアアンカー得点(5~30点)を性別および臨床経験年数別,職場規模別に比較して,キャリア意識の特性を明らかにすることを試みた。

    【結果】

    1)性別の比較

    各キャリアアンカーを性別に比較したところ,キャリアアンカー8領域中6領域(TF,GM,AU,SE,EC,SV)で男性は女性に比べて有意に高値であった(Mann-Whitney U-test,p<0.05)。

    2)臨床経験年数別の比較

    経験年数別(10年未満,10年以上)で比較すると,AUでは経験年数10年未満16.0±4.1点に対し10年以上は13.4±3.2点であり,経験年数10年以上の者が有意に低値であった(Mann-Whitney U-test,p<0.05)。

    3)職場規模別の比較

    職場規模別に比較してみると,SVについて10名未満の職場では20.0±4.2点,10~29名では21.5±4.0点,30名以上は22.1±3.7点であった。30名以上の理学療法士が勤務する職場は10名未満に比べてSVが有意に高値であった(Kruskal Wallis test,p<0.01)。

    【結論】

    医療機関に勤務する理学療法士において,性差によるキャリア意識の違いが顕著であった。また,臨床経験年数別では10年以上の方が10年未満の者に比べて自律・独立に関するキャリアアンカーで低値であった。この事は,一定期間の就業経験を通してチーム医療が重要視される医療機関の組織風土に適応した結果であると考えられた。

    さらに,職場規模については職員が多い職場の方が奉仕・社会貢献に関連するキャリアアンカーが高値であったことは,職場規模に応じた教育や研修体制の充実が影響したものと考えられた。

    以上の事より,キャリア意識の性差や経験年数,さらには職場規模を踏まえたキャリア支援のあり方が議論され,それぞれのキャリアラダー構築に反映させる必要性が示唆された。

  • 柳迫 由佳
    理学療法学Supplement
    2017年 2016 巻 P-YB-16-2
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/04/24
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    【はじめに,目的】

    運動後に生じる遅発性筋痛(delayed onset muscle soreness:DOMS)は,休止していた運動を再開した時や,運動初心者が運動を開始した時に遭遇することが多い。このDOMSは,関節可動域や筋パフォーマンスを低下させ,健康増進のための運動継続を妨げる要因となる。これまでDOMSの予防及び対処法については多くの観点から議論されており,その中の「低強度運動」については,実施後一時的にDOMSを軽減させるが持続性に乏しいことが報告されている。この「低強度運動」について検証した先行研究を概観すると,低強度とは言えど比較的高負荷の介入課題を用い,かつ介入が一度のみである研究が多く散見された。

    今回は介入課題の強度・頻度に着目し,運動習慣のない者にも毎日繰り返される「日常生活上の身体活動」が,DOMSの予防及び対処法と成り得るかどうかを検証した。

    【方法】

    被験者は健常女性10名(平均年齢20.0±0.0歳,平均身長159.2±4.7cm,平均体重55.7±11.0kg)である。被験者の条件は,①過去半年間に運動習慣がない者②下肢の傷害歴がない者③移動に自転車を用いていない者とした。実験期間は6日間とし,期間中はライフコーダGS(スズケン社製)にて身体活動を記録した。また1日毎に強度別(低・中・高)の活動時間(以下,強度別身体活動量)を算出した。実験2日目には,被験者の利き脚(膝伸展筋群)に60%/RMの負荷量で意図的にDOMSを起こす運動を実施した。DOMSの測定にはVASを用い,運動直後・運動後24時間(以下,h)・48h・72h・96hの5時点に測定した。

    分析は,まず運動直後を除く4時点のVASと実験期間中1日毎の強度別身体活動量との相関係数を求め,関係性を確認した。次に相関係数から関係性が有意であった組み合わせにおいて,運動後48h・72hのVASをそれぞれ従属変数,実験1日目および2日目の強度別身体活動量を説明変数とし,重回帰分析(ステップワイズ法)を行った。

    【結果】

    DOMS平均値は,運動後24hでは6.6±1.2cm,48hでは4.4±2.6cm,72hでは2.3±2.1cm,96hでは0.3±0.4cmであった。実験1日目の強度別身体活動量は,低強度48.8±51.8分,中強度13.1±18.6分,高強度1.2±1.5分であった。また実験2日目においては低強度44.1±24.8分,中強度10.8±8.2分,高強度1.1±1.1分であった。

    重回帰分析の結果,運動後48hのVASでは実験2日目の低強度活動時間が有意な因子として抽出され(β=-0.71,P<0.05,R*2=0.59),運動後72hのVASでは,実験1日目の高強度活動時間が有意な因子として抽出された(β=-0.62,P<0.05,R*2=0.36)。

    【結論】

    今回の結果から,運動前日の高強度身体活動量および運動当日の低強度身体活動量には,DOMSの回復を促進させる効果があることが示された。スムーズに運動継続に繋げるために「生活上の身体活動」のDOMSに対する有効性が示唆された。

  • 因子構造および構成概念妥当性の検証
    武田 知樹, 尾方 英二, 石甲斐 耕介
    理学療法学Supplement
    2016年 2015 巻 P-ED-02-3
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/28
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    【はじめに,目的】先進諸国では,経済・社会の成熟に伴い各産業で供給者志向から需要者志向への流れが強まりつつある。これに伴い,医療分野においても医師や看護師などが行う医療行為をサービス(Service)の一環として捉え,サービスマネージメントの観点から患者を医療サービスの消費者である顧客として位置づけた先行研究が散見されるようになっている。今回,リハビリテーション医療を受療している患者を対象にしてサービス品質評価尺度の作成を試みたので報告する。【方法】調査協力の得られた医療機関に入院および外来通院する患者の内,理学療法を含むリハビリテーション医療を受療している患者85名(男性31名,女性54名,平均年齢68.8±15.7歳)を対象とした。調査方法は質問紙法とした。調査内容については,Parasuramanら(1986)によって開発されたサービス品質の測定尺度であるSERVQUALを医療分野において適用した中村らの先行研究(2007)より27項目を抜粋した。分析は,脳卒中サンプルで得たデータをもとに探索的因子分析および構造方程式モデリング(Structural Equation Modeling:SEM)を用いて,サービス品質評価尺度作成のための因子構造の探索と構成概念妥当性を検討した。【結果】1)因子構造探索的因子分析の結果,固有値が1以上の因子は3つであり,第1因子は「治療時間」(寄与率46.9%),第2因子は「信頼感」(寄与率5.7%),第3因子は「コミュニケーション」(3.9%)とそれぞれ解釈された。2)内的整合性クロンバックα係数はそれぞれ第1因子「治療時間」(α=0.82),第2因子「信頼感」(α=0.77),第3因子「コミュニケーション」(α=0.85)であった。3)SEMによるモデル適合度探索的因子分析で得られた因子構造に基づき作成された仮説モデルは,「治療時間」,「信頼感」,「コミュニケーション」を1次因子,サービス品質を2次因子としたモデルであった。その適合度を検証した結果,χ2値=54.4,CFI=0.95,RMSEA=0.09であった。また,「サービス品質」からのパス係数(標準化係数)は,それぞれ「治療時間」0.75,「信頼感」0.99,「コミュニケーション」0.87であった。【結論】探索的因子分析の結果より,「治療時間」「信頼感」「コミュニケーション」と3つの因子が確認された。中でも,リハビリ従事者にとって治療開始時間を明確にすることや,患者にとって利用しやすい時間帯に設定すること等の「治療時間」に関連する項目はサービス品質尺度を作成する上で軽視できない重要な因子であると考えられた。
  • 指宿 立
    理学療法学Supplement
    2012年 2012.39.1 巻 K-078
    発行日: 2012年
    公開日: 2018/03/08
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  • 武田 知樹, 池田 孝臣, 鶴岡 秀人, 増野 伸幸, 梅野 朋美
    理学療法学Supplement
    2015年 2014 巻 O-0089
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/30
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    【はじめに,目的】我々は第48回および第49回日本理学療法学術大会において,理学療法を含むリハビリテーションサービスを受療した患者を対象として患者満足度や運動に対する動機づけに関する報告を行った。今回,通所リハビリテーションの利用者を対象としてサービス品質が利用者満足度や運動に対する動機づけにどのような影響を与えているのかを検討したので報告する。【方法】対象は,調査協力の得られた老人保健施設において通所リハビリテーション(以下,通所リハ)を利用している者51名(男性15名,女性36名,平均年齢80.0±7.4歳)であった。調査方法は,施設職員により調査協力の依頼およびアンケート用紙の配布および回収を行った。なお,その際の回収率は64%であった。調査内容について,サービス品質の評価はParasuramanらの開発した「サービス品質尺度(以下,SERVQUAL)」を使用した。また,利用者満足度は,田中らが作成した「欲求充足に基づく顧客満足測定尺度(Customer Satisfaction Scale based on Need Satisfaction;以下,CSSNS)」を利用した。さらに,利用者の運動に対する動機づけについては,大友らの先行研究をもとに「高齢者用運動動機尺度(以下,運動動機)」を用いた。【結果】1)性別の比較SERVQUAL得点(平均値±SD)は,男性113.2±8.1点に対し女性111.9±15.3点で明らかな性差は認められなかった(Mann-Whitney U-test, N.S.)。2)年齢別の比較SERVQUAL得点(平均値±SD)は,前期高齢者(65歳~74歳)108.7±14.2点,中期高齢者(75~84歳)114.1±11.9点,後期高齢者(85歳以上)112.3±15.4点で年齢別の有意差を認めなかった(Kruskal Wallis test, N.S.)。3)利用者満足度のサービス品質別の比較SERVQUAL得点を平均値±1/2SDを基準に低品質群(105点以下),中品質群(106~120点),高品質群(121点以上)の3群に分類した上で,各群のCSSNS得点を比較した。結果,低品質群が19.5±2.5点に対して,中品質群21.7±2.6点,高品質群22.7±2.4点で,高品質群はCSSNS得点が有意に高値であった(Kruskal Wallis test, p<0.01)。4)サービス品質と利用者満足度および運動動機との関係各変数間のSpearman相関係数は,SERVQUALとCSSNS(r=0.46),CSSNSと運動動機(r=0.52)で共に中等度の相関関係を認めた(無相関の検定p<0.01)。一方,SERVQUALと運動動機では有意な相関関係を認めなかった。【考察】通所リハ利用者を対象とした本研究では,サービス品質に関する性差や年齢差による特徴は明確にすることができなかった。一方,利用者満足度をサービス品質別に比較してみると,品質が高いと認識している利用者は満足度が高い傾向にあった。さらに,サービス品質と各変数の関係を見たところ,サービス品質と利用者満足度,利用者満足度と運動動機の2変数間に有意な相関関係を認めたことから,サービス品質は満足度を介して利用者の運動動機を間接的に高めている可能性が示唆された。【理学療法学研究としての意義】通所リハビリテーションにかかわる理学療法士が良質なサービスを提供することで利用者満足度やそれに伴う運動動機を高めることができることは,利用者の疾病管理や介護予防を図るうえで有意義な知見であるといえる。
  • 佐藤 圭子, 武田 知樹
    理学療法学Supplement
    2013年 2012 巻 E-O-11
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/06/20
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに,目的】 近年,医療福祉分野において心身の健康状態を評価する指標の一つとして健康関連QOL(Health-related quality of life;以下HRQOL)という概念が広く用いられている.このHRQOLは,「個人や集団の主観的な心身の健康」と定義されており,身体的健康のみならず精神的健康を含めた対象者自身の主観的判断に基づく包括的概念である.つまり,疾病による影響が患者の日常生活機能へ与えるインパクトを数値化したものと捉えることができる. 一方,理学療法の対象となることの多い脳卒中患者は,多様な後遺症を有するケースも少なくないため,患者個々の残存能力や生活環境により在宅における日常生活活動(Activities of daily living;以下ADL)の自立度は大きく異なる.  本研究の目的は,異なるADL自立度の集団に対して,HRQOLの関連因子をそれぞれ明らかにすることである. 【方法】 対象は在宅脳卒中患者75名(平均年齢71.1±8.6歳,男性31名,女性44名,発症経過期間54.0±47.9ヵ月)であった. 調査方法は質問紙法とし,調査内容はHRQOLとADL自立度の他に,年齢や性別といった基礎情報,またHRQOLとの関連性が予想される上下肢の運動麻痺(Brunnstrom recovery stage;以下BRS),感覚障害,要介護度,抑うつ症状(Geriatric Depression Scale;以下GDS)などを同時に調査した. なお,HRQOLの評価にはMOS 8-Item Short-Form Health Survey(以下SF-8),ADL評価はBarthel Index(以下BI)を使用した.  分析方法はSF-8の「身体的サマリースコア(Physical component summary;以下PCS)」および「精神的サマリースコア(Mental component summary;以下MCS)の領域得点を算出するとともに,ADL自立群(BI 100点)と非自立群(BI 100点未満)の2グループに分けて,それぞれのPCS,MCS得点を比較した(Mann-Whitney U-test,p<0.05).  また,SF-8(PCS,MCS)と各変数との相関係数を算出し,ADL自立度別にHRQOLの関連因子を検討した(Spearman’s rank correlation,p<0.05).【倫理的配慮,説明と同意】 調査実施にあたっては,対象者の十分な同意を得るため調査概要を説明した文書を作成し,研究の趣旨および内容に対し理解および同意が得られた者を対象とした.【結果】1)HRQOLとADL自立度別比較 PCSではADL自立群41.7±8.5点に対し,非自立群は39.2±10.7点で自立群は有意に高値を示した(Mann-Whitney U-test,p<0.05). 一方,MCSではADL自立群47.0±8.0点に対し,非自立群50.9±11.0点で,非自立群が有意に高値を示した(Mann-Whitney U-test,p<0.05). 2)HRQOLの関連因子 PCSでは,ADL自立群において統計学上有意な相関を認めなかったが,非自立群においてはPCSと要介護度(r=-0.41)において有意な負の相関を認めた(無相関の検定,p<0.05).  MCSでは,ADL自立群において要介護度(r=-0.48),GDS(r=-0.59)において負の相関がみられた.非自立群では要介護度(r=0.35)で正の相関,GDS(r=-0.39)で負の相関を認めた(無相関の検定,p<0.05). 【考察】 在宅脳卒中患者のADL自立度がHRQOLに与える影響を検討した. ADL自立度別比較ではADL自立度の高い方がPCSは高値を示したが,MCSは逆に低値を示していた.このことは,ADL自立度が必ずしも精神的な健康に結び付かないことを表しており,ADLがある程度自立した脳卒中患者の在宅生活における社会適応の難しさを示した結果であると考えられた. HRQOLの関連因子の検討では,ADL非自立群では身体的健康を示すPCSと要介護度で有意な負の相関を認めた.患者が実生活の中でどのくらい介護を必要としているかといった事が,運動麻痺等の機能的尺度より,直接的に患者のHRQOL低下へ影響していることが示唆された. また,MCSについてはADL自立群,非自立群ともにGDSと有意な負の相関を認めた.この事から脳卒中患者の在宅生活においては,ADL自立度に関わらず脳卒中後うつ(Post stroke depression;PSD)が患者の精神的健康へ悪影響を与えることが危惧される結果であった.【理学療法学研究としての意義】 本研究の結果,精神的な健康はADL自立度に必ずしも影響されない可能性が示唆された.さらに,ADL自立度が高くてもうつ症状により精神的健康を低下させる可能性が考えられ,これらのことは脳卒中患者の在宅リハビリテーションを進める上で留意すべき知見である.
  • ~第2報 骨関節疾患における検討~
    武田 知樹, 尾方 英二, 川江 章利, 大野 智之, 平野 真子
    理学療法学Supplement
    2014年 2013 巻 0680
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/09
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに,目的】患者中心の医療を推進する流れがますます強まる中,リハビリテーションの領域においても患者満足度(Patient Satisfaction)の研究が散見されるようになった。我々は第48回日本理学療法学術大会において,理学療法を含むリハビリテーションサービスを受療した患者88名を対象として患者満足度と運動に対する動機づけとの関連性について報告した。今回,骨関節疾患のリハビリ患者を対象として患者満足度と運動動機との関連性について検討したので報告する。【方法】調査協力の得られた医療機関に入院および外来通院する患者の内,理学療法を含むリハビリテーションサービスを受療している骨関節疾患の患者109名(男性27名,女性82名,平均年齢72.3±9.2歳)を対象とした。調査方法は,担当理学療法士によって調査協力の依頼およびアンケート用紙の配布を行い,患者は自室もしくは自宅にて記入後,専用の返送用封筒にて郵送してもらった。なお,その際の回収率は64%であった。調査内容について,患者満足度の評価については,Parasuramanらの開発した「サービス品質尺度(SERVQUAL)」を使用した。患者の運動習慣に対する動機づけについては,大友らの先行研究をもとに「高齢者用運動動機尺度(以下,運動動機)」を用いた。また,患者満足度に関連する要因として,性別,年齢等の基本的属性データも同時に調査した。【倫理的配慮,説明と同意】調査実施にあたっては,対象者の十分な同意を得るために調査協力依頼書を作成し,研究の趣旨および内容に対し理解および同意が得られた者を対象とした。【結果】1)性別の比較リハ満足度を示すSERVQUAL得点(平均値±SD)は,男性110±13.0点に対し女性111±12.8点で明らかな性差は認められなかった(Mann-Whitney U-test,N.S.)。2)年齢別の比較高齢者(65歳以上)のSERVQUAL得点は112±12.8点に対し,中年者(65歳未満)は106±11.9点で,高齢者は中年者に比べ満足度が有意に高かった(Mann-Whitney U-test,p<0.05)。3)入院外来別の比較入院患者のSERVQUAL得点は106±14.3点,外来患者141±11.9点で,入院患者は外来患者に比べ有意に低値であった(Mann-Whitney U-test,p<0.05)。4)患者満足度と運動に対する動機付けとの関連性患者満足度と運動動機との関連性について,SERVQUALと運動動機は有意な相関関係(r=0.43)を認めた(無相関の検定,p<0.01)。【考察】骨関節疾患の患者を対象としてSERVQUALを用いた患者満足度と運動動機について調査を行った。患者満足度に関する性差や年齢差を調査した先行研究では,女性または高齢者で患者満足度が高くなりやすいとした報告が散見される中,本研究では性差による満足度の違いは明確にすることはできなかった。しかし,高齢者の方が中年者より満足度が高い傾向にあることが伺われた。これは,骨関節疾患の患者の場合において,年齢の方が性別より満足度を規定する因子として重要であることを示唆するものであった。また,入院外来別の比較では,入院患者の患者満足度は外来患者に比べ有意に低値であった。この事は,骨関節疾患の入院患者の場合,外科的治療などの侵襲的治療を伴うことが多いことが影響したのではないかと推察された。患者満足度と運動に対する動機付けとの関連性を検討したところ,満足度が高いほど,運動に対する動機付け(アドヒアランス)が高い傾向が確認された。つまり,患者満足度を高めていく取り組みは,患者の運動に対する動機づけを高める上で有益である可能性が示された。【理学療法学研究としての意義】本研究では,骨関節疾患患者において,患者満足度が運動に対する動機づけに肯定的な影響を及ぼしていることが推察された。これは,理学療法士個々人の技能に加えて,リハビリテーション部門および病院全体の取り組みとして良質なサービスを提供することが,患者の運動動機を高めて疾病管理や介護予防を図るうえで非常に有意義であることを示しているといえる。
  • 武田 知樹, 大嶋 崇, 尾方 英二, 川江 章利, 大野 智之, 平野 真子
    理学療法学Supplement
    2013年 2012 巻 G-O-05
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/06/20
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに、目的】 医療分野においても患者中心の医療を推進する流れがますます強まる中,患者満足度(Patient Satisfaction)に関する研究も散見されるようになった. 医療機関において提供されている各種サービスの中でも,理学療法士や作業療法士等が行うリハビリテーションに関連するサービス(以下,リハサービス)は,患者自身の主体的参加が不可欠な点や,患者のモチベーションがそのまま治療効果として反映されるなどの特徴があることから,リハ領域における患者満足度の特徴やその影響性を把握することは効果的なリハサービス実施に向けて重要な知見となる. そこで今回,リハビリテーションに関する患者満足度と患者の運動に対する動機づけとの関連性について検討した.【方法】 調査協力の得られた医療機関を受診している入院および外来患者の内,理学療法を含むリハビリテーションサービスを受療している患者88名(男性23名,女性65名,平均年齢73.8±9.0歳)を対象とした. なお,言語による意思疎通が困難な者または知的機能の低下が疑われる者は対象より除外した. 調査方法は,担当理学療法士によって調査協力の依頼およびアンケート用紙の配布を行い,患者は自室もしくは自宅にて記入後,専用の返送用封筒にて郵送してもらった.なお,その際の回収率は59%であった. 調査内容について,リハビリテーション部門の理学療法サービスに関する患者満足度(以下,リハ満足度)の評価については,田中らが作成した「欲求充足に基づく顧客満足測定尺度(Customer Satisfaction Scale based on Need Satisfaction;CSSNS)」,また,患者が利用した医療機関のサービス全般に対する満足度(以下,病院満足度)の評価は「サービス満足度評価(SERVQUAL)」をそれぞれ使用した. さらに,患者の運動に対する動機付けについては,大友らの先行研究をもとに「高齢者用運動動機尺度(以下,運動動機)」を用いた. また,顧客満足度に関連する要因として,年齢,性別等の基本的属性データも同時に調査した.【倫理的配慮、説明と同意】 調査実施にあたっては,対象者の十分な同意を得るために調査協力依頼書を作成し,研究の趣旨および内容に対し理解および同意が得られた者を対象とした.【結果】1)性別の比較 リハ満足度を示すCSSNS得点(平均値±SD)は,男性20.8±3.4点に対し女性20.6±3.4点で明らかな性差は認められなかった(Unpaired t-test, N.S.). 2)年齢別の比較 中年者(65歳未満)のCSSNS得点は19.7±3.3点,前期高齢者(65~74歳)21.3±3.4点,後期高齢者(75歳以上)20.6±3.4点で年齢別の有意差を認めなかった(Kruskal Wallis test, N.S.).3)リハ満足度別の運動動機の比較 CSSNS得点を低得点グループ(17点以下:低満足),中得点グループ(18~24点:中満足),高得点グループ(25点以上:高満足)の3群に分類した上で,それぞれのグループの運動動機を比較した. 結果,低得点グループの運動動機は35.2±6.1点に対して,中得点グループ39.3±5.1点,高得点グループ43.1±2.4点で,CSSNS得点が高いほど運動動機が高い傾向にあることが確認された(Kruskal Wallis test, p<0.01).4)患者満足度と運動に対する動機付けとの関連性 患者満足度と運動動機との関連性について,CSSNSと運動動機(r=0.48),SERVQUALと運動動機(r=0.42)ともに中等度の相関関係を認めた(無相関の検定 p<0.01). 【考察】 患者満足度に関する性差や年齢差を調査した先行研究では,女性または高齢者で満足度が高くなりやすいとした報告が散見される中,本研究では満足度の性差および年齢差は明確にすることができなかった. リハ満足度別に運動に対する動機付けの高さを比較してみたところ,リハ満足度が高い患者ほど,動機付け(アドヒアランス)が高い傾向にあった. また,それぞれの患者満足度と運動に対する動機付けとの関連性を検討したところ,リハ満足度(CSSNS)のみならず,病院満足度(SERVQUAL)においても有意な相関を示した.つまり,リハ部門のみならず病院全体での患者満足度を高めていく取り組みは,患者の運動に対する動機づけを高める上で有益であることが示唆された.【理学療法学研究としての意義】 リハビリテーションに関する患者満足度が運動に対する動機づけに肯定的な影響を及ぼしていることが示唆された.理学療法士個々人の技能に加えて,リハビリテーション部門および病院全体の取り組みとして良質なサービスを提供することは,患者の運動動機を高めて疾病管理や介護予防を図るうえで有意義であるといえる.
  • 有田 眞
    心電図
    2016年 36 巻 2 号 140-141
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/04/03
    ジャーナル フリー
  • 武田 知樹
    理学療法学
    2015年 42 巻 2 号 131-136
    発行日: 2015/04/20
    公開日: 2017/06/09
    ジャーナル フリー
    【目的】理学療法などを含むリハビリテーション医療において,サービス品質と患者満足度の関連性について検討した。【対象】調査協力の得られた一般の医療機関でリハビリテーションを受療している患者123名であった。【方法】サービス品質の評価にはParasuramanら(1985)によるサービス品質評価(SERVQUAL)を利用した。【結果】SERVQUALの因子構造を検討した結果,先行研究で示された構造と明確に一致したのは「有形性」のみであった。また,患者満足度へのサービス品質の影響について重回帰分析を行った結果,有意な説明変数は「技術性(β=0.35)」と「共感性(β=0.27)」の2変数であった(R=0.83, F=63.4, p<0.01)。【結語】サービス品質の中でも「技術性」や「共感性」の高いことが患者満足度に対して肯定的な影響を及ぼしていると示唆された。
  • 理学療法士養成課程を有する専門学校における取り組み
    武田 知樹, 大嶋 崇, 佐藤 圭子, 大野 智之, 岡部 陽介, 分藤 英樹, 荒巻 華子
    大分県理学療法学
    2024年 17 巻 53-60
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/16
    ジャーナル フリー
    【目 的】効果的な履修や学習方法について習熟を図るという目的で,「学習方法論」という科目を設定した.本研究では,この科目に関する取り組みについて報告する. 【方 法】対象は,専門学校の学生(理学療法士科 1 年生)35 名であった.「学習方法論」では,チュー ター役として上級生 1 名を各グループに配置した学年縦断的なチュートリアル教育により 対象学生の学習支援を行った. 【結 果】学習に対する意識の変化については,対象者の 85.7%の者が「あった」と回答した. また,学習に対する実際の行動変化については,学内で 85.7%,学外で 74.3%の者がそ れぞれ「変わった」と回答していた. 一方,自己学習時間は,「学習方法論」受講前平均 1.4 時間に対し,受講後平均 3.0 時間 と約 2 倍に増加していた(Paired t-test,p<0.01). 【結 語】 多くの学生において学習に対する意識や行動の変化が認められた一方で,十分な行動変 容に結びつかない学生も 1 ~ 2 割いることが確認された.
  • 指宿 立
    理学療法学
    2012年 39 巻 8 号 539-541
    発行日: 2012/12/20
    公開日: 2018/06/09
    ジャーナル フリー
  • 有田 眞
    心電図
    2016年 36 巻 1 号 18-23
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/03/25
    ジャーナル フリー
  • 近澤 めぐみ, 江崎 秀子, 原田 暢子, 山之内 夘一
    日本視能訓練士協会誌
    1994年 22 巻 39-42
    発行日: 1994/12/31
    公開日: 2009/10/29
    ジャーナル フリー
    視覚障害者老人施設で,大分視能訓練士専門学校の生徒27名が実習を行った.入居者59名の検査を約4時間で終えた.検査内容は生徒による問診・視力検査・板付きレンズによる簡単な矯正と医師による診察を行った.問診可能者57/59名(96.6%)視力検査可能者54/59名(91.5%)だった.視力が障害者手帳の1級に相当する人は26/59名(44%)いた.また,白内障・眼球癆などの疾患がみられた.
    視覚障害者施設での実習は,短時間で多くの症例に触れることができ,有用な実習と考えられた.また,法令改正で,視能訓練士の業務は拡大し,その職域は保健・福祉の分野にまで広がってきている.このような状況の下で,これからの視能訓練士はやって行くのであるから,老人施設での実習という意味でも有用な実習といえると考えられた.
  • -テキストマイニングによる検証-
    岡部 陽介, 梅木 駿太, 坪内 優太, 宇野 勲, 武田 知樹
    大分県理学療法学
    2020年 13 巻 6-11
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/07/10
    ジャーナル フリー
    【目的】 患者の権利意識の向上に伴い,高い医療の質が求められる昨今,PT による理学療法の質に関する認識を調査し,理学療法の質の保証と向上に資する知見を得る事である.【方法】 対象は本調査に協力が得られた理学療法士152名とした.調査内容は,理学療法士の質に関する自由記述を含む自己記入式質問紙調査を行った.解析は,理学療法の質に関する自由記述に対してテキストマイニングの手法により計量的な分析を行った.【結果】 理学療法の質について「意識している」と回答した者の割合は89.8% であった.また,理学療法の質を高めるために“経験年数”を考慮した人員“配置”,“カンファレンス”の実施,“在院日数”や“在宅復帰率の算出”が行われていた.【結語】 PT による理学療法の質に関する認識として,経験年数を考慮した人員配置やカンファレンス,在宅復帰や在院日数などマネジメントに関連する事柄が重視されていることが示唆されたが,その一方でEBP(Evidence based practice)や患者中心の医療に関する認識は顕在していない結果となった.
  • The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
    2022年 59 巻 Supplement 号 S176-S982
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/10/12
    ジャーナル オープンアクセス
  • The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine
    2023年 60 巻 Autumn 号 148-352
    発行日: 2023/10/16
    公開日: 2023/12/22
    ジャーナル フリー
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