甲州種,カベルネ・ソービニヨン種の未熟ブドウおよび野生ブドウを炭酸ガス存在下(Carbonic maceration)および非存在下で15℃, 7日間と14日間貯蔵し,これらのブドウよりワインを製造し,CMの効果について調べた.CMの効果は,主に貯蔵ブドウ中の糖,酸,pHの変化および製造されたワイン中のいくつかの不揮発性成分の分析と官能検査により考察した・その結果,CMにより野生ブドウから製造したワインでは,CMの手段を使わないで製造したワインに比べ,pH値の増加,総酸,リンゴ酸,酒石酸,フェノールおよび窒素成分の減少が認められCMの効果が顕著であった.またソフトで飲みやすい酒質となることがわかった.しかし,カベルネ・ソービニヨン種ブドウはCMの効果があまり明確でなく,甲州種ブドウではその効果は,ほとんど認められなかった.
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