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クエリ検索: "市立舞鶴市民病院"
184件中 1-20の結果を表示しています
  • 石井 光昭, 伊藤 清弘, 鈴木 富雄, 小谷 晴弥
    理学療法学Supplement
    1997年 1997.24.2 巻
    発行日: 1997/04/20
    公開日: 2017/09/01
    会議録・要旨集 フリー
  • ―シングルケースデザインによる検討―
    *肥田 光正, 岡 真由美, 代 智恵子, 福島 祐子, 原 真理子, 高取 克彦, 梛野 浩司, 庄本 康治, 松尾 篤
    理学療法学Supplement
    2005年 2004 巻 62
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/04/27
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】Mirror Therapy(以下MT)はRamachandoranが幻肢痛を持つ患者に実施した治療である。これは視覚的錯覚を用いた運動イメージ練習で、脳卒中患者にも応用可能である。先行研究では、MTの効果を報告しているものも存在するが、その数は少ない。我々は慢性期脳卒中患者にMTを実施し、若干の知見を得たのでこれを報告する。
    【対象】53歳男性で、平成15年脳出血を発症した。運動麻痺はブルンストロームステージ右上肢IV、手指IVであった。表在・深部感覚は右手指に軽度鈍麻を認めた。日常生活動作(以下ADL)での右上肢の参加はなく、廃用手レベルであった。外来での理学療法(以下PT)を週2回実施していた。
    【方法】ABデザインで検討した。参加前に、患者には口頭説明を十分に行い自由意志による同意を得た。右上肢機能はFugl-Meyer Assessment(以下FMA)を用いて評価した。また、自動関節可動域、握力、Motoricity Indexも評価した。関節可動域測定はゴニオメーターを用いて測定し、握力はSMEDLEY'S HAND DYNAMO METERを用いて、週毎に2回測定を実施し、その平均を測定値とした。介入前にこれらを評価した後、7週間、通常のPTと在宅のMTを実施した(A)。次に通常のPTのみを実施した(B)。在宅でのMTは週に5回以上、1日30分程度行うよう指導した。実施状況を受診時に患者と家族から聴取した。測定は1週毎に実施した。
    【結果】本介入を通じて、FMAの肩・肘・前腕スコア、感覚、他動可動域・関節痛スコアの改善は見られず、自動関節可動域、握力、Motoricity Index、ADLの改善も見られなかった。しかし介入前とAの比較では、FMAの手関節・手のスコアが6点から17点へ改善した。しかし、Bの期間には17点から8点へ低下した。在宅では概ね指導した頻度を実施していた。
    【考察】先行研究と同様、本症例でもFMAの手関節・手のスコアは改善した。この点についてAltschulerらは、鏡による視覚的フィードバックによって前運動皮質を回復させた可能性があると述べており、本症例でもその可能性が示唆された。しかしADLの改善は見られなかった。これはスコアの改善度が、巧緻性が高度に要求される前腕から手指のADLに貢献するには不十分な改善度であったためと思われる。さらにMTは麻痺側上肢遠位部に対する治療であり、肩などの上肢近位部のスコアが変化しなかったことも原因と考えられる。またMTにより改善したスコアが、Bの期間に低下した。この点については先行研究では報告されていない。しかし、Bの期間に上肢を使用しない以前の習慣に戻ったために生じた影響が推察された。
  • *真下 英明, 石井 光昭, 伊藤 清弘, 田代 弦, 佐藤 泰吾, 松田 芳恵, 秋口 一郎
    理学療法学Supplement
    2005年 2004 巻 61
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/04/27
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】Temporal stem(TS)とは側頭葉とその他の領域を繋ぐ白質経路の収束部を示し、鉤状束と下後頭前頭束が通過しているため、この部位の損傷によって多彩な高次脳機能障害を呈すると報告されている。TSという用語は、1978年にHorelによって初めて用いられたが、最近まであまり知られていない。近年の画像処理技術の進歩によって、神経心理学や解剖学の中で、白質経路の損傷が重要な意味をもつようになり再度注目されるようになった。しかしながら、理学療法分野での臨床報告は見当たらない。今回TSに損傷を認めた二症例の臨床経験について報告する。
    【症例紹介】症例1:83歳、女性。左被殻出血(開頭血腫除去術後)。画像所見として被殻,左内包後脚末尾,前障,最外包,島皮質ならびにTSに損傷を認めた。神経心理学的所見は、側頭葉症状としての半側空間無視,全失語の他に、前頭葉症状として感情失禁,夜間せん妄,奇声をあげる,暴力行為,動作維持困難,情緒不安定ならびに摂食拒否といった症状がみられた。健忘症候群の詳細は不明であった。初期より動作練習への拒否が強く、これは6ヶ月経過した時点でも残存しADLは全介助の状態から改善はなかった。暴力行為と夜間せん妄は落ち着き、また失語症にも改善を認めた。
    症例2:68歳、男性。右被殻出血,脳室穿破(開頭血腫除去術後)。画像所見として被殻,右視床,側頭極,TSの損傷を認めた。神経心理学的所見は、側頭葉症状としての半側空間無視(左聴覚刺激への反応性の低下)の他に、前頭葉症状としての病態認識の低下,注意障害,発動性低下を認めた。臨床上問題となるような健忘症候群は認めなかった。第80病日時点でも、自発性は乏しく、また立位や移乗動作では、転倒防止のために、健側優位に荷重するという注意を口頭指示によって常に促す必要があった。運動麻痺はBrunnstrom stage4まで改善したが、歩行は室内介助歩行レベルにとどまった。 
    【考察】両症例ともに被殻出血が外側から後方に進展しTSに損傷を及ぼしたと推察される。症状は側頭葉症状以外に前頭葉症状を認め、その原因は前頭葉への経路の機能的連結が断たれたためと考えられる。基本動作に改善が得られなった原因は、症例1では拒否,症例2では注意障害と発動性低下であり、両症例ともに長期的に残存した前頭葉症状が大きな阻害因子となったと考えられる。
    【まとめ】TS損傷の有無を確認することは、基本動作回復の予後予測をする上で極めて重要である。
  • 松村 理司
    日本内科学会雑誌
    2002年 91 巻 12 号 3463-3467
    発行日: 2002/12/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
  • 松村 理司
    医学教育
    1995年 26 巻 2 号 117-118
    発行日: 1995/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
  • 松村 理司
    医学教育
    1994年 25 巻 2 号 81-83
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
  • 小林 博
    理学療法学Supplement
    1995年 1995.22.2 巻
    発行日: 1995/04/20
    公開日: 2017/07/28
    会議録・要旨集 フリー
  • 伊藤 清弘, 小林 博, 石井 光昭, 曽根 典法, 小櫃 竜士, 山本 和代, 松田 芳恵
    理学療法学Supplement
    1990年 1990.17.1 巻
    発行日: 1990/03/31
    公開日: 2017/07/07
    会議録・要旨集 フリー
  • 本田 和男
    Drug Delivery System
    1987年 2 巻 2 号 134-140
    発行日: 1987/12/15
    公開日: 2009/02/23
    ジャーナル フリー
  • 松村 理司
    医学教育
    2003年 34 巻 3 号 153-157
    発行日: 2003/06/25
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    地域病院での医師像は臨床医が主流であり, 大学附属病院での研究者的医師像とは異なる. しかし, 教育者の性格をも帯びるためには, 数々の一般的な刷新や工夫が欠かせない. クリニカル・クラークシップの構築, EBMの浸透, 議論の深化, 説明の徹底化, コメディカルとの協働などが挙げられる. 地域病院での卒前医学教育の対象は, 病院プライマリ・ケア, 総合診療および救急医療が主体になるべきかと考えられる. 当院内科での実践についても記したい.
  • *藤井 真紀, 石渡 和美, 平譯 麻理
    理学療法学Supplement
    2006年 2005 巻 46
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/29
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】
    頭部外傷の後遺症は、多種多様な症状を呈し、予後が長期的に変化すると言われている。今回受傷後1年経過し、外出などをきっかけにADLが改善した一症例を経験したので報告する。
    【症例紹介】
     60歳女性、平成16年4月18日交通事故で病院へ救急搬送される。頭部外傷、肺挫傷、右膝挫滅傷と診断され治療、リハビリテーションを受ける。平成17年3月2日療養型病院転院、同年4月15日当苑入所となる。家族構成は夫と二人暮らしである。キーパーソンは娘と夫であった。入所時評価は、右片麻痺Brunnstrom recovery stage(以下B.R.S.)上肢3手指4下肢4、HDS-R12点、起居動作は見守りから軽介助、端坐位保持不安定、ADLはBarthel Index(以下BI)10点、排泄全介助、移乗半介助、移動は車椅子自立であった。坐位バランス向上、移乗動作介助量軽減を目標とし、理学療法を開始した。
    【経過】
    理学療法開始当初は腰痛や右膝痛を訴え、意欲低下が認められ、生活場面でもほぼ臥床している状態であった。6月中旬自宅トイレ及び風呂等のリフォームの検討、受傷後初めて趣味である水墨画展への外出を行った。その頃より自らトイレへ自分で行けるようになりたいと発言し、時間になると自分で訓練室へ来たり、自分で靴を脱ぐという意欲的な行動が見られ始め、腰痛や右膝痛による拒否的な訴えは少なくなった。それを受け、自宅トイレ同様の環境設定で移乗訓練を開始、時間はかかるが見守りで可能となった。8月には数回の自宅外出が可能となった。一日の臥床時間も短くなり、新聞を読む場面も見られるなど更なる意欲の向上が見られた。9月には自宅リフォームが完成したため正月の外泊を目標に週1回御本人、御家族、介護士、PTで外出、外泊訓練を自宅で行い、トイレ、入浴が御家族の介助により行えるようになった。現在週1回の頻度で自宅外出が可能となり、正月には外泊を行う予定である。HDS-R25点、起居動作見守り、端坐位保持安定、ADLはBI50点、排泄は移乗見守り、衣服の上げ下ろしに体を支える介助が必要な程度となった。
    【考察】
     諸家の報告では頭部外傷は身体機能障害より認知機能障害により家族への受け入れ、社会復帰が阻まれる症例が多い。しかし長期的に予後が変化していく症例も多いと報告されている。本症例も受傷から1年経過後入所し、当初は何に対しても意欲低下が認められ、臥床傾向であったが、自宅リフォームや外出をきっかけとして意欲が向上し、家族の協力も得られたことにより生活範囲が広がったと考えられる。今後は正月外泊、在宅復帰を目標としているが、その際には娘だけではなく夫の介護力が重要となってくるため、夫に対する介護指導も考慮した支援が必要であると思われる。
  • *石井 光昭, 伊藤 清弘, 田代 弦, 秋口 一郎
    理学療法学Supplement
    2006年 2005 巻 45
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/04/29
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】正常圧水頭症(NPH)は、前頭葉性歩行障害を呈する疾患のひとつである。初期であれば短絡術が奏効するが、術後の回復過程については明確ではない。本症例報告の目的は、重症NPH二症例における脳室腹腔短絡術(VPシャント)後の運動障害の回復過程を調査することである。
    【症例】症例1は79歳、症例2は66歳の男性である。三徴候ならびに画像所見よりNPHが疑われ入院。髄液排除試験の結果、NPHの可能性が高いと判断されVPシャント施行。術前評価では、両症例共に、歩行障害はJapanese NPH grading scale revised(JNPHGS-R) 4度(介助下でも歩行不能)、先行研究においてNPHの評価としての妥当性を示したUnified Parkinson’s disease rating scale(UPDRS)運動能力検査の下位項目である姿勢の安定性はグレード4(立位不能)であった。前頭葉開放徴候は、症例1では吸引反射のみ、症例2では吸引反射,手掌頤反射,強制把握,緊張性足底反射,Rossolimo反射を認めた。寡動の評価では、反復運動における運動の中断を認めた。Mini Mental State Examinationは、症例1は10点、症例2は3点であった。排尿障害は、両症例共にJNPHGS-R 3度(頻回の尿失禁)であった。
    【術後経過】術後1週時点では、姿勢の安定性は両症例共にグレード3(きわめて不安定で何もしなくても倒れそうになる)であった。症例1では、これは術後5週以降には外力を加えても後方突進現象を認めない状態に改善した。NPH診療ガイドラインにおいて歩行障害の評価として推奨されているTimed up and go test(TUG)は、術後2週では66秒であったが5週では21秒に改善した。術後4週までは踵部補高による所要時間の短縮を認めたが、5週以降には踵部補高の有無による所要時間の差はみられなくなった。症例2では、姿勢の安定性は術後8週時点でグレード1(後方突進現象を認めるが立ち直れる)であった。TUGの所要時間は、術後4週では裸足156秒,踵部補高98秒、9週では裸足64秒,踵部補高46秒であった。術後9週時の10m歩行時間は、踵部補高では47秒、歩行車使用時には25秒であった。二症例ともに、寡動の検査は術前と著変なかった。また方向転換時と目標物手前でのすくみ足が残存した。
    【考察】二症例に共通した術後経過の特徴は、1.術後初期では顕著であった平衡障害は、数週内は改善を示したこと、2.対照的に寡動やすくみ足は術後の変化が少ないこと、3.姿勢の後方への不安定性に対して踵部補高が有効であったこと、4.裸足と踵部補高のTUG所要時間の差は経時的に縮小していったことである。術後理学療法では病期別に障害の特徴に対応することが求められる。
  • *石井 光昭, 伊藤 清弘, 田代 弦, 秋口 一郎
    理学療法学Supplement
    2005年 2004 巻 50
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/04/27
    会議録・要旨集 フリー
    【目的】正常圧水頭症(以下NPH)の運動障害の評価方法として確立したものはない。NPHはパーキンソン症候群に類似した症状を呈することから、当院ではUnified Parkinson’s Disease Rating Scale(UPDRS)の運動能力検査を用いて理学療法士が脳室腹腔短絡術(以下VPシャント)前後の評価を実施している。本研究の目的は、UPDRSを用いてNPHの運動障害の特徴を明らかにすること、ならびに歩行障害への対策を検討することである。
    【対象】三徴候(歩行障害,尿失禁,痴呆),画像上の脳室拡大(Evans index)・傍脳室低吸収域の有無等からNPHが疑われ当院に入院した9名。男性5名,女性4名。平均年齢75.6歳。特発性7名,くも膜下出血後の続発性2名。術前のJapanese NPH grading scale-revised(JNPHGS-R)における歩行障害の重症度は、2度4名,3度4名,4度1名であった。
    【方法】1.Unified Parkinson's Disease Rating Scale(UPDRS)の運動能力検査を、術前とVPシャント後1週時点に実施した。(1)術前後の総得点の平均値を比較した。統計学的検定には、対応のあるt-検定を用いた。(2)各項目ごとに中央値を算出し、項目間の比較をおこなった。(3)各項目ごとの術前後の比較を、Mann-Whitney検定を用いておこなった。2.術後にも後方への不安定性が残存していた症例のうち二症例に対して、踵部補高の有無による10m歩行の所要時間と歩数を比較した。
    【結果】1.総得点は術前21.6 ±9.6点 から術後13.6±9.2点へと有意な改善を認めた(p<0.001)。術前評価では、椅子からの立ち上がり,歩行,姿勢の安定性(後方突進現象)における障害が顕著な傾向にあった。術前後の各項目の比較では、これら3項目において有意な改善を認めた(p<0.05)。姿勢の安定性は、他の項目に比べてシャント術後にも症状が残存する傾向がみられた。2.踵部補高によって二症例ともに、10m歩行の所要時間の短縮,歩数の減少を認めた。
    【考察】NPHの運動障害に関する報告の多くは、歩隔の拡大,足挙上の低下,歩幅の減少といった歩行障害の特徴についてのものである。本研究の結果は、椅子からの立ち上がり,姿勢の安定性の障害も、術前にその障害が顕著であり,そしてVPシャントによって改善がみられることから、NPHの運動障害の特徴であることを示している。踵部補高によって10m歩行の歩数と所要時間が改善されたことから、姿勢の安定性の障害が顕著な症例では、姿勢の後方への不安定性が小刻み歩行や歩行速度の低下と関連していること,ならびに踵部補高はNPHの歩行障害に対する有益な方策となり得る可能性があることが示唆された。
  • ―下肢機能に着目して―
    *揚戸 薫, 高杉 潤, 沼田 憲治, 村山 尊司
    理学療法学Supplement
    2005年 2004 巻 49
    発行日: 2005年
    公開日: 2005/04/27
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】運動無視は,筋力,反射及び感覚の障害を伴わない一側手足の低使用と(Laplaneら1983),声掛けの励ましにより随意運動の出現と拡大が特徴とされる.しかしこれまでの運動無視の報告は上肢に関するものであり,下肢に関する報告は極めて少なく,運動無視の下肢機能や歩行等に及ぼす影響については不明な点が多い.そこで今回,左上下肢に運動無視を呈した自験例について,主に下肢機能への影響について報告する.
    【症例】74歳女性.右手利き.
    【診断名】右被殻出血.
    【現病歴】2004年3月25日発症.近医緊急搬送され,保存的治療実施,3週目からリハ開始,同年6月25日当センターに転入院した.
    【CT所見】発症時CTでは,右被殻を中心に尾状核,内包後脚,視床外側部の各一部に高吸収域が,4週後でも同部位に低吸収域が認められた.
    【神経学的所見】当センター入院時(発症3ヶ月後),意識清明.聴覚,視野の障害および言語によるコミュニケーション障害を認めなかった.四肢の腱反射正常,病的反射陰性.運動麻痺は左上肢に軽度,下肢に極軽度認めた.感覚は,左上下肢の表在・深部,複合覚ともほぼ正常だが,痛み刺激による屈曲逃避反射は欠如していた.
    【神経心理学的所見】左半側空間無視,身体失認,運動維持困難,視覚・触覚消去現象,病態失認,触覚失認,失行的要素を認めなかった.MMSEは21点であった.注意の転導性亢進および持続性低下傾向を認めたが,各種検査の遂行を妨げる障害は認めなかった.
    【動作所見】端座位は自立.ボール蹴り等,左側肢のみの運動は円滑に行えた.しかし両側同時課題や諸動作場面では,左上下肢の不使用は顕著となった.起居動作では,左上下肢の置き去りや左体肢の置き方に異常が見られた.歩行場面では左下肢の支持性は良好であるも,振り出し時,重篤な弛緩麻痺様の引きずりや置き去りがみられ,バランスを崩す場面多く介助を要した.また両下肢の車椅子駆動では,常に右下肢のみで駆動し,左下肢は車椅子に巻き込まれるなどの不使用が認められた.これら不使用に対して,内省報告は「左手足は重たい,動かない」と悲観的で,常に動かないことを主張した.しかし動作中,セラピストによる声賭けによる励ましが続く間においては,左側運動の改善に伴う動作遂行能力の向上を認めた.
    【考察】運動無視は,一側より両側運動時に顕著で,痛み刺激の逃避反射欠如,励ましによる随意運動の改善を特徴とする.責任病巣は前頭葉内側面,頭頂葉,視床,基底核の報告がある.したがって本例は,症状特性や病巣との合致性から運動無視と判断される.両下肢運動で不使用が出現することから,運動無視は立位・歩行や下肢による車椅子駆動などの障害と結びつくことが確認された.また運動無視は半側身体失認とは異なり,声賭けによる励ましが患側肢の使用に有効な改善手段と考えられる.
  • 石井 光昭, 真下 英明, 今井 貴子, 伊藤 清弘, 佐藤 泰吾
    理学療法学Supplement
    2002年 2002.29.2 巻 524
    発行日: 2002/04/20
    公開日: 2018/03/06
    会議録・要旨集 フリー
  • —松村 理司先生 (洛和会音羽病院院長) に聞く—
    森本 剛
    日本プライマリ・ケア連合学会誌
    2011年 34 巻 2 号 151-155
    発行日: 2011年
    公開日: 2015/05/30
    ジャーナル フリー
  • 石井 光昭
    日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
    2005年 14 巻 3 号 496-499
    発行日: 2005/05/31
    公開日: 2017/11/10
    ジャーナル フリー

    第5頸椎脱臼骨折による頸髄損傷者の急性期における腹部コルセットとabdominal thrust(咳嗽補助手段)の有用性を検証することを目的として,努力性肺活量(FVC)と咳嗽時ピークフロー(PCEF: Peak cough expiratory flow)の推移を調査した.FVC,PCEFともに受傷後30日までは急速に改善し,その後は緩徐に回復した.FVCは座位では背臥位に比べ平均 520 m<i>l</i> 低下したが,腹部コルセットの使用により平均 190 m<i>l</i> の低下にとどまった.PCEFはabdominal thrust により平均 37 L/min(40%)増加した.FVCの増加とPCEFの改善には有意な相関を認めた.

  • 石井 光昭, 下坊 真紀, 松田 芳恵, 伊藤 清弘, 鎌田 喜敬, 上村 喜彦
    理学療法学Supplement
    2001年 2001.28.2 巻
    発行日: 2001/04/20
    公開日: 2018/03/06
    会議録・要旨集 フリー
  • 錦織 宏
    医学教育
    2022年 53 巻 1 号 13
    発行日: 2022/02/25
    公開日: 2022/06/19
    ジャーナル フリー
  • 長船 健二
    Organ Biology
    2018年 25 巻 3 号 236-237
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/03/25
    ジャーナル フリー
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