はじめに
昨今、オムツの性能は向上し単価も上昇しており、制度の変更により日用品費が個別請求になった。しかし、オムツの交換枚数や患者個々に適したオムツの選択が行えておらず尿漏れ予防に枚数を重ねていたため、患者家族にかかるコスト負担が増えていた。今回、当病棟に於いて患者個々にあったオムツの選択と交換回数の検討でコスト削減につながったので報告する。
目的
1)患者個々に合ったオムツの選択と交換回数
2)コスト10%削減
方法
期間:平成29年6月〜11月。
対象:当病棟入院患者59名および当病棟スタッフ(看護師27名、介護福祉士9名)。
実際:1)オムツ交換表を用いた患者個々のオムツの種類・枚数、尿漏れの有無の把握 2)患者に合ったオムツの選択方法と当て方について研修 3)カンファレンスでの患者個々のオムツの種類・使用枚数の検討・修正 4)集計結果の周知 5)個別対応が必要な患者および排便時や汚染時は適宜交換。以上をオムツ交換回数4回/日(5時9時14時20時)の介入前(6月)と、オムツ交換回数3回/日(9時・15時・21時)の介入後(7〜11月)のオムツ使用枚数とコストを単純集計し比較した。
結果
1)調査表により尿漏れの把握と対応、患者個々の使用枚数・種類の統一が図れ、尿漏れが減り、オムツの枚数を重ねることもほぼ無くなった。介入前(6月:352,949円)と介入後(11月:306,938円)でオムツにかけるコストが最大約13%(46,011円)減少した
2)スキントラブル発生率は0%であった3)深夜帯のオムツ交換対象患者が59名から10名に減少した
考察
適切な吸収量のオムツを使用したことで尿漏れが減少しコスト削減につながったと推測する。オムツ使用量の定期的な提示がスタッフへの注意喚起となり行動変容を促せたのではないか。夜間のオムツ交換回数の見直しにより、患者にとって中途覚醒が減ったと考える。
おわりに
今後も定期的な調査を行い、患者個々に適したオムツの選択・使用を継続する。
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