B
2O
3系二元酸化物触媒を用い,アセトンオキシムのBeckmann転位反応を通常の常圧固定床流通法反応装置によって研究した。本反応における触媒活性と固体酸性との関連を検討するために,示差熱分析,酸量,酸強度測定をあわせて行なった。その結果,本反応は反応温度350℃,W/F=47g-cat/mol/hrにおいて最適条件を示し,P
2O
5-B
2O
3,Al
2O
3-B
2O
3,SiO
2-B
2O
3が転位生成物であるN-メチルアセトアミドに対し好活性を示した。これらの触媒はいずれも-3.0≧H
0>-8.2の酸点を多くもっており,それに対し,H
0>-3.Oの酸点は副反応であるアセトニトリル生成と相関があり,これより本反応には最適酸強度が存在することがわかった。また,B
2O
3系触媒におけるB
2O
3含量にも最大の転位活牲を示す最適量があり,この最適量よりB
2O
3含量が増加すると遊離B
2O
3による影響がでて活性が低下することがわかった。
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