農村水域の水質は, 従来農村の物質循環が適正に機能することにより維持されていた。しかし, 近年都市化および営農形態の変化等によりこれにひずみが生じ水質の悪化が進行してきている。ところで, 農村水域の水質は農業用水としてだけでなく, 農村地域の親水性および生態系, さらには公共水域の水質に大きな影響を与えるため, これの改善を図ることが必要となっている。その対策として, 農村に点在する溜池, 水路等を活用した農村に適した手法を紹介するとともに, それらの施設を総合的に管理するシステムについて述べた。また, 当センターが受託した農村地域水質保全対策事業地区の浄化計画の概要を2事例について紹介した。
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