里山林における樹木の放射性セシウムの不動化量を明らかにするため,福島県伊達郡川俣町山木屋地区において樹体各部位と土壌の
137Cs濃度を調査した。有機物層の除去処理の影響について調査するため,WIPの考え方を用いて,材への
137Cs の不動化量の推定を行った。コナラはアカマツより幹材の
137Cs濃度が高く,放射性セシウムをよく吸収していた。コナラの樹体内の
137Csは辺材部に分布し,樹幹の方向によって,大きく濃度が異なった。材の
137Cs 濃度や不動化量は個体間のばらつきの影響によって統計的な有意差を検出できなかったが,林地処理区は対照区よりも低い傾向が見られた。したがって,林地のリター除去処理が樹体内の
137Cs を低下させる可能性が示唆された。
抄録全体を表示