本研究では,名前を覚えるという場面において,異なる媒体を用いた場合の記憶力の特徴について被験者実験により明らかにすることを目的とする.実験で使用する媒体はディスプレイ,名刺,音声の3種類である.被験者に4人の顔写真データと各媒体で示される名前を5秒間ずつ提示してその組み合わせを記憶させ,後から顔写真を見て名前を解答させる実験を行い,その正答率を分析する.顔写真は男性のみ,女性のみ,男女混合の各組み合わせで用意する.実験結果から,単体の媒体による記憶量の差は大きくなかったが,媒体の違いや性別の違いによって間違え方に差があることが確認できた.また,提示順では最初に提示した名前がよく印象に残り,最後に提示した名前が最も正確に覚えられるということが分かった.
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