異なる光環境 (全天光下, 遮光下, 室内) に生育するモッコク, クロガネモチ, モチノキ, カラタネオガタマの常緑広葉樹4種の光合成特性を, 切り枝を用いてアトリウム空間で測定した。これら4種の樹木は, 暗呼吸速度, 光補償点が, 同時に測定を行った陽樹のアカメガシワに比べて小さく, 異なる光合成特性を示した。およそ70%の遮光条件下では, 野外の全天条件下に比べ多少耐陰性が増加し, 室内条件下ではさらに耐陰性が増加した。屋外または遮光条件下のモチノキ, クロガネモチは, 高光量域でアカメガシワと同程度の大きな光合成速度を示すが, 室内条件下では, 熱帯林林床の樹木に近い小さな暗呼吸速度, 光補償点を示し, 光合成の可塑性が大きな樹種と考えられた。
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