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全文: "樹洞"
568件中 1-20の結果を表示しています
  • 吉田 智弘
    日本森林学会大会発表データベース
    2017年 128 巻 P2-176
    発行日: 2017/05/26
    公開日: 2017/06/20
    会議録・要旨集 フリー

    ブナは伐採や雪害のような物理的な撹乱によって樹形が複雑に変化する。このような形態変化は、樹上に落葉落枝を堆積させるくぼみ(樹洞)を形成し、土壌動物に対して地上部の生息場所を提供する。樹洞は空間的に不均一に分布しているが、立地条件や樹木の状態などの環境因子によってその形成数が決定されていると予想される。そこで本研究では、ブナ林において樹洞形成に関わる環境因子と樹洞内部の土壌動物群集を調査した。樹洞が多く観察される福島県南会津郡只見町において調査を実施した。2016年10~11月に、5か所のブナ林において、林分の傾斜角、ブナの胸高直径、樹洞数、樹洞の形状・サイズ(開口面積・深さ・容量)を計数・測定した。また、樹洞内の枯死有機物を採集後、ツルグレン装置によって土壌動物を抽出し、枯死有機物の乾燥重量を計測した。調査の結果、立地の傾斜角が大きいことで樹木の根元部分が曲がり、かつ樹木サイズが大きい林分において樹洞数が多かった。さらに、これらの環境因子が樹洞内の動物群集に及ぼす影響を検討した。

  • 井嶋 陸, 箕口 秀夫, 紙谷 智彦
    日本森林学会大会発表データベース
    2016年 127 巻 P1-099
    発行日: 2016/07/08
    公開日: 2016/07/19
    会議録・要旨集 フリー
     樹洞は森林生態系の生物多様性に影響を与える重要な構造的特徴の1つである。そのため,樹洞の分布や形態が野生動物に及ぼす影響を解明することは重要である。しかし,多雪地冷温帯林において,樹洞に関する研究は少ない。そこで,本研究では代表的な多雪地冷温帯林であるブナ二次林を対象に,樹洞の分布・形質の特徴を単木スケール,林分スケール,および地域スケールで検討した。 調査地は新潟県十日町市,新潟県魚沼市で,13林分にそれぞれ20m×40mの調査プロットを設け,毎木調査を行った。樹洞に関しては,入口径,高さ,向き,形成要因,動物による利用の有無を記録した。解析結果から,単木スケールでは自然樹洞の有無に相関がある変数としてDBHとカミキリ被害が選択された。林分スケールでは,自然樹洞の個数に対しては標高が強い負の相関を持ち,キツツキ樹洞には樹木の生死が選択され,生立木より枯死木でキツツキ樹洞の個数が多いという結果がとなった。地域スケールでは自然樹洞,キツツキ樹洞共にその形質に有意差は認められなかった。
  • 井嶋 陸, 小林 明日美, 出口 翔大, 紙谷 智彦, 箕口 秀夫
    日本森林学会大会発表データベース
    2017年 128 巻 P1-119
    発行日: 2017/05/26
    公開日: 2017/06/20
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】樹洞は森林生態系の生物多様性を考える上で重要な構造的特徴の一つである。多雪地ブナ二次林において,林分ごとに差はあるものの多数の樹洞が確認された。また,当該地域における鳥類調査では,樹洞生産者である中型キツツキ類や,カラ類等の樹洞営巣性鳥類が広範囲に数多く生息していることが明らかとなった。本研究では,鳥類とともに二次的に樹洞を利用する動物である小型・中型哺乳類に関して,多雪地ブナ二次林における生息場所選択を明らかにする。【方法】樹洞が豊富に存在する小面積のブナ二次林がパッチ状に存在し,複雑な景観構造を示す十日町市を調査対象地とした。現地調査では,樹洞撮影カメラを用いた動画撮影と,毎木調査を実施した。カメラ調査では各林分を踏査し,地上10m以下にある樹洞内部を撮影した。その映像とカメラ挿入時の出巣から樹洞利用を調べた。さらに,GISを用いて景観スケールでの樹洞利用についても検証した。【結果】29林分で毎木調査を実施した結果,樹洞密度(樹洞数/ha)は0から525と林分毎に差があり,29林分の平均は110.8±130.5であった。カメラ調査ではムササビの個体及び巣材が,いずれも樹洞密度の高い林分で確認できた。

  • 高嶋 敦史, 中西 晃, 森下 美菜, 阿部 真, 小高 信彦
    日本森林学会大会発表データベース
    2020年 131 巻 P2-234
    発行日: 2020/05/25
    公開日: 2020/07/27
    会議録・要旨集 フリー

    沖縄島やんばる地域の亜熱帯林において、樹洞はケナガネズミやヤンバルテナガコガネなどの希少野生生物も利用する重要な生態学的資源である。そこで本研究では、やんばる地域の非皆伐成熟林2箇所に試験地(面積0.36haと0.25ha)を設け、胸高直径(DBH)15cm以上の幹を対象にDBHと樹洞の発生状況を調査した。なお、樹洞は立木の幹、枝、根に発生している奥行き10cm以上の穴と定義した。調査の結果、試験地内の立木の第一優占種はイタジイで、それに次いでイスノキやイジュが多かった。イタジイの樹洞を有する率(以下、樹洞発生率)は全体では22%であったが、DBH40cm以上では52%に達するなど、DBHが太くなるほど樹洞発生率が高くなる傾向が確認された。イスノキでも同様にDBHが太くなるほど樹洞発生率が高くなる傾向が確認されたが、樹洞発生率は全体で52%、DBH30cm以上では77%、同40cm以上では90%となっており、イタジイと比べてより細い幹でも高い樹洞発生率を呈していた。その一方、イジュにはまったく樹洞が発生していなかった。このように、樹洞発生率はDBHが太くなるほど高くなる傾向があるものの、樹種間による違いが大きいことが明らかになった。

  • 小高 信彦
    日本生態学会誌
    2013年 63 巻 3 号 349-360
    発行日: 2013/11/30
    公開日: 2017/04/28
    ジャーナル フリー
    森林に生息する多くの脊椎動物が立枯れ木や腐朽木に形成される樹洞に依存して生活している。樹洞の生産とその利用を巡る樹洞営巣種間の生物間相互作用を研究する理論的枠組みとして、食物網のアナロジーであるnest web(以下、樹洞営巣網)という見方が提案され、キツツキ類の樹洞提供者としての役割について着目した研究が進展してきた。樹洞営巣網は、食物網にみられるような群集構造の特徴を備えており、構成メンバーにとって必要な資源である樹洞が構成メンバーの一部によって生産され、樹洞の消費者には階層がある(一次樹洞営巣種、二次樹洞営巣種;すなわち樹洞営巣ギルド)。樹洞営巣種の中でも、自ら繁殖のために樹洞を掘ることが出来る一次樹洞営巣種であるキツツキ類が堀った樹洞は、自ら巣穴を掘ることができない二次樹洞営巣種にとって重要な資源として利用される。樹洞の現存量によって個体数を制限される二次樹洞営巣種に対して樹洞を提供する能力を持つことから、キツツキ類は森林生態系の鍵種と考えられている。木材腐朽菌類は、キツツキ類とならんで樹洞を生産する生態系エンジニアとして重要な役割を担っている。腐朽菌類そのものが重要な樹洞生産者であり、また、腐朽菌類による木材の軟化プロセスは、キツツキ類による樹洞生産を促進する。腐朽菌類は、その種によって樹木の腐朽部位(幹や根部など)や、腐朽プロセス(辺材腐朽か心材腐朽など)の特性が異なる。このような腐朽菌類の特性の違いは、キツツキ類の繁殖成功や営巣場所選択にも影響を及ぼす。しかしながら、樹洞の形成や利用を巡る生物間相互作用の研究では、腐朽菌類の種まで同定してその役割が樹洞を利用する脊椎動物の個体や群集に及ぼす影響を明らかにした研究は少ない。本稿では、木材腐朽菌類の樹洞形成における役割に着目して、キツツキ類と樹木、腐朽菌類の三者関係についての一連の研究や、木材腐朽菌類を樹洞営巣網に組み込み、樹洞を利用する脊椎動物群集との関係について議論した初めての研究事例を紹介する。木材腐朽菌類を樹洞営巣網に組み込むことで、樹洞生産の経路が明らかとなり、樹洞を利用する鳥類の分類群と樹洞形成に関わる木材腐朽菌類の対応関係を明らかにすることが可能である。今後、樹洞形成に関わる多様な分類群の生物を視野に入れた樹洞営巣網の構築が期待される。
  • 大久保 央史, 中村 友美子, 安藤 元一
    日本森林学会大会発表データベース
    2014年 125 巻 P1-231
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/07/16
    会議録・要旨集 フリー
    樹洞が森林生態系の生物多様性に与える影響を見るために,樹洞性動物の代表としてムササビの生息の有無から調査地を選び,樹洞密度を比較した.調査地は東京都,神奈川県,長野県における標高100~1,400mの1)屋敷林と雑木林が混在する里山林,2)スギ植林と照葉樹林が混交した社寺林,3) スギ巨木社寺林,4)ミズナラ天然林,5)コナラ-クヌギ雑木林,6) カラマツ-ミズナラ林の6ヶ所とした.
    ムササビが利用できる直径8cm以上の樹洞の密度をみると,ミズナラ天然林は24.6個/ha,針広混交社寺林は11.0,スギ巨木社寺林は8.6,里山林は2.8,雑木林は3.2,カラマツ-ミズナラ林は0.9であった.ムササビ生息密度は一般に社寺林で高く山地の森で低いとされるが,樹洞密度はその逆の値を示したことから,樹洞不足がムササビの生息制限要因とはなっていなかった.ムササビが利用できない直径1~8cmの樹洞の密度をみると,最大はミズナラ天然林の52.6,最小はスギ巨木社寺林の1.5となった.すなわち調査地は3タイプとなった:小さい樹洞の多い森(里山林,雑木林,カラマツ林),大きい樹洞の多い森(スギ巨木社寺林),大小どちらも多い森(ミズナラ天然林と針広混交社寺林).
  • 早川 悟史, 上山 剛司, 林田 光祐
    日本森林学会誌
    2009年 91 巻 4 号 299-302
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/10/30
    ジャーナル フリー
    CCD カメラによって撮影した画像を用いて樹洞内部の深さの値を推定し, 内部容積を算出する方法を考案した。内径の異なる円筒状の模型を使って, 実際の模型の底面積に対する画像に写った底面の面積の比と円筒の内径との関係から, 樹洞内部の深さを推定する回帰式を得た。深さが実測可能な自然林の樹洞を対象にこの回帰式を用いて深さの推定値を算出し, 実測値に比べどの程度の差があるかを検証した。その結果, 19個中16個 (84.2%) が推定値よりも実測値の深さの方が深く, 推定値は実測値を過小評価していた。算出した内部容積についても実測値に比べ推定値は小さい値を示す傾向にあったが, この推定方法は大まかな内部容積の把握には有効であることが示唆された。
  • 辻 英明
    衛生動物
    2018年 69 巻 3 号 159-163
    発行日: 2018/09/25
    公開日: 2018/10/25
    ジャーナル フリー

    During August and September, the author studied a group of Periplaneta fuliginosa (smoky brown cockroach) adults that appeared in a tree hollow in the evenings and thereafter moved outside the hollow. This suggested that a similar pattern of appearance, dispersion from, and return to the hollow could be repeated every night during their active season. This may cause some of them to move into human habitation. Their dispersion from the wood hollow began at sunset and continued for about 30 minutes. A similar trend was observed among the nymphs. Ten to twenty adults were seen at a time to be climbing up onto the surface of the wood trunk during the initial dispersion. Some adults flew away from higher parts of the tree, especially in early August when the temperature was higher than 31°C. Adults were seen thereafter on the surface of fallen leaves piled on the ground as well as on the surface of a neighboring stone wall and tree trunks around midnight. By about one hour before daybreak, the cockroaches were sighted rather infrequently, although some were seen very close to the tree and re-entering the hollow.

  • 堀田 昌伸, 江崎 保男
    日本鳥学会誌
    2001年 50 巻 3 号 145-157
    発行日: 2001/08/31
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    樹洞営巣性鳥類の樹洞をめぐる種内•種間の相互関係について,自然樹洞の研究を中心にレビューした.樹洞営巣性鳥類の研究では巣箱が積極的に使われてきた.巣箱を利用することには,巣箱の中を容易に観察できるために繁殖成功を正確に測ることができる点や巣箱とその中身の追加•除去などにより操作実験が可能となる点など幾つかの利点がある.しかし,繁殖密度や種構成などが容易に変化してしまうなど不利な点もある.van Balen et al. (1982)以降,自然樹洞での樹洞営巣性鳥類に関する研究が少なからず行われるようになってきた.そこで,自然樹洞に関する研究について,利用可能な樹洞数と樹洞営巣性鳥類の占有率,頻繁な樹洞の再利用,営巣場所選択における競争と捕食の重要性を概説した.最後に,森林管理や保全の観点から興味深い "Nest Webs" の考え方について簡単に紹介した.
  • 栗本 篤臣
    爬虫両棲類学会報
    2004年 2004 巻 1 号 1-2
    発行日: 2004/03/31
    公開日: 2010/06/28
    ジャーナル フリー
  • 古川 竜司, 嶌本 樹, 鈴木 圭, 柳川 久
    霊長類研究 Supplement
    2013年 29 巻 P-97
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/02/14
    会議録・要旨集 フリー
     気温が低い冬季にひとつの巣場所に複数の個体が営巣する集団営巣という行動はタイリクモモンガ Pteromys volansやアメリカハタネズミ Microtus pennsylvanicusといった齧歯類の仲間で知られている.これまでヒメネズミ Apodemus argenteusも巣箱で 3頭から 9頭の集団営巣が観察されているが,その詳しい生態は調べられていない.また,タイリクモモンガとヒメネズミは両種とも樹洞を繁殖や休息の場として利用する.しかし樹洞は数少ない資源であるため,これら 2種間で樹洞をめぐる競合が生じる可能性がある.本発表ではヒメネズミの集団営巣とタイリクモモンガとの樹洞を介した干渉について,ビデオカメラによる撮影で確認した事例を報告する.2013年 4月上旬に北海道十勝地方にある6林分(合計 26.3 ha)でヒメネズミの営巣が 3個の樹洞で確認された.それらの樹洞ではそれぞれ,10頭と 5頭の集団営巣と単独営巣が確認された.ヒメネズミの出巣開始時刻は平均で日没後 53分だった.出巣開始時刻が最も早いもので日没前 4分,もっとも遅いもので日没後 93分だった.統計解析の結果,集団営巣を行っている樹洞では,遅くに出巣する個体のほうが出巣前に顔を出して外の様子をうかがっている時間が長かった.出巣順番が臆病さや慎重さに関わっているのかもしれない.4月の間は出巣開始時刻は日没時刻が遅くなるのに同調して遅くなっていたが,5月以降はその傾向が弱まり出巣開始時刻が日没時刻に近づく傾向が見られた.本発表では,さらに出巣開始時刻に関わる環境要因について調べた内容を報告する.また,ヒメネズミが営巣している樹洞を 47回観察した結果,タイリクモモンガによる樹洞への接近が 13回,そのうち樹洞を覗き込む様子が 8回観察された.しかし撮影時間内では樹洞の中に入り込んでヒメネズミを追い出す直接的な排除行動は観察されなかった.
  • 村木 尚子, 柳川 久
    樹木医学研究
    2006年 10 巻 2 号 69-71
    発行日: 2006/09/30
    公開日: 2020/10/01
    ジャーナル フリー
    北海道帯広市において森林性鳥獣類による樹洞の利用実態を明らかにするために,利用種および利用数の季節変化を,一年を通して日中と夜間に調査した.樹洞の一次生産者であるキツツキ類3種と,二次利用者である鳥類および哺乳類12種が確認された.樹洞は,日中,夜間ともほぼ一年を通して利用され,利用率が最も高い時期は日中で6月,夜間で7月であったが,利用率の季節変化は日中と夜間で同調していた.二次利用者鳥類による利用は繁殖期(夏)に多く,アカゲラ,コアカゲラ,ゴジュウカラおよびエゾモモンガによる利用は一年を通してみられた.繁殖のためだけでなく,ねぐらや休息のために樹洞を利用する種もみられ,樹洞は多様な鳥獣類によってさまざまな用途で利用されていた.
  • 浅利 裕伸
    哺乳類科学
    2015年 55 巻 1 号 53-57
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/07/04
    ジャーナル フリー
    これまでのタイリクモモンガ(Pteromys volans)の研究では,個体の捕獲に巣箱が活用されてきたが,本種は厳冬期に巣箱を利用しないため通年の調査が困難であった.そこで,通年にわたって個体データを収集するための効果的な捕獲方法の確立を目的として,新たな樹洞トラップを開発し,タイリクモモンガが使用している樹洞の入り口にこれを設置した.トラップ内にはプラスティック板の返しを装着することにより,一度入ると樹洞に戻ることができない工夫を施した.北海道帯広市の樹林において,2006年1月~2008年4月に38個体の捕獲を試みた結果,33個体を捕獲することに成功した.残りの5個体は同居するグループの一部の個体であり,厳冬期に出巣しなかったために捕獲ができなかった.厳冬期はタイリクモモンガの活動が低下し,活動時間も不規則になることから,樹洞トラップを用いても樹洞内の全個体を捕獲することは困難であると考えられる.しかし,確認された個体の7割以上を捕獲することが可能であり,それ以外の季節では幼獣を含むすべての個体を捕獲することができたため,巣箱を用いた捕獲と比べて定期的な個体データの収集に,より有効な手法であると考えられる.
  • 近藤 崇, 水谷 瑞希, 肘井 直樹
    日本森林学会大会発表データベース
    2019年 130 巻 P2-225
    発行日: 2019/05/27
    公開日: 2019/05/13
    会議録・要旨集 フリー

     森林生態系において樹洞は鳥類、哺乳類、昆虫類などの多様な生物に利用される環境であるが、針葉樹人工林は一般に広葉樹林と比較して樹洞が少ない森林である。そこで樹洞営巣性であるシジュウカラ科鳥類(カラ類)を対象に人工林において樹洞の代替環境として巣箱を設置した結果、カラ類に加えて、様々な森林生物による巣箱の利用がみられた。本発表では、巣箱の利用状況から、人工林における樹洞代替環境の提供が人工林内の生物相に与える影響について検討した。愛知県豊田市にある名古屋大学稲武フィールドの55年生スギ人工林において、2011年に20個、2012年~2016年に約60個の木製巣箱(底面15×16 cm、高さ20 cm、巣穴直径3 cm)を、長さ1.5 mのポールに取り付けて地面に固定した。各年の4月から8月上旬ごろまで週に2、3回、すべての巣箱の見回りを行った。その結果、カラ類のほか、ネズミ類やヤマネによる休息場所としての利用や、アオダイショウやテンによる捕食場所としての利用、ハチ類による営巣場所としての利用等がみられた。人工林における巣箱の提供は、様々な樹洞利用生物に対して生息地としての質を向上させることが示唆された。

  • 橋本 啓史, 澤 邦之, 田端 敬三, 森本 幸裕, 西尾 伸也
    ランドスケープ研究
    2006年 69 巻 5 号 529-532
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/11/13
    ジャーナル フリー
    Tree hollows are important nest and roost sites for various animals such as Ninox scutulata even in urban areas, but the number of such sites is very low. In this study, we recorded the characteristics of legacy trees with hollows in an urban area within Kyoto City (25 km2), Japan in 2002. We found 288 legacy trees with a trunk perimeter more than 300 cm and 94 trees with hollows. Legacy trees of Castanopsis sieboldii (an ever-green broad-leaf tree) and Aphananthe aspera (a deciduous broad-leaf tree) had a high rate of hollows. All six legacy trees of Cinnamomum camphora (an ever-green broad-leaf tree) with more than 1.5 m of DBH had hollows, but other trees of this species did not have hollows even when the trunk perimeter was more than 300 cm. We applied a logistic regression model to trunk perimeter and the probability of hollow-bearing in each species in an urban woods. We also predicted tree perimeter in relation to age from the annual relative growth rate in each species. A. aspera trees showed the highest incidence of tree hollows in relation to trunk perimeter, but these trees grow very slowly. Celtis sinensis trees grow rapidly, but they have a lower rate of tree hollows than A. aspera. Z. serrata trees grow at an intermediate speed and rarely have tree hollows. Cinnamomum camphora trees grow rapidly. Castanopsis sieboldii trees grow at an intermediate speed.
  • 倉茂 好雄, 小川 透
    衛生動物
    1967年 18 巻 4 号 241-247
    発行日: 1967/12/31
    公開日: 2016/09/05
    ジャーナル フリー
    1965年および1966年の両年, 栃木県足利市郊外のクヌギ林内における樹洞5個について, 蚊発生に関する周年調査を行なつた.その成績は次のように要約される.1) 1965年には5個の樹洞から3属3種1, 029個体, また1966年には4個の樹洞から3属3種945個体の蚊幼虫・蛹が採集されたが, 蚊の種類と個体数の割合は両年ともにほぼ同様であつた(表2, 3).すなわち, Uranotaenia bimaculataフタクロホシチビカが圧倒的多数で全体の81.6% (1965年)および89.7% (1966年)を占め, 他は少数のAedes albopictusヒトスジシマカ(9.3%および5.4%)とTripteroides bambusaキンパラナガハシカ(9.0%および4.9%)であつた.2) 両年における蚊発生の消長の様相は類似していたが, これを総合すると次のようである.Ae. albopictusおよびTr. bambusaの幼虫は4月中旬に初めて出現し, 前者は10月中旬まで, 後者は9月下旬まで採集された.Ur. bimaculata幼虫は7月上旬初めて出現し, 前記両種の衰退する8月上旬から急に増加し, 9月下旬〜10月中旬に最盛に達し, 12月上旬まで採集された.12月中旬以降すべての蚊幼虫は消滅した.3) 当クヌギ林の樹洞では蚊の越冬幼虫は見出されなかつた.これは樹洞が地上に露出していたので, 厳冬季には樹洞内の水が枯渇または結氷したためである.
  • 門田 有佳子, 清野 嘉之, Lulie Melling, Christopher Damian, Auldry Chaddy
    日本森林学会大会発表データベース
    2016年 127 巻 P2-134
    発行日: 2016/07/08
    公開日: 2016/07/19
    会議録・要旨集 フリー
    熱帯泥炭湿地林では、貧栄養な泥炭の上にフタバガキ科の大木が成立している。この立地環境では、利用可能な資源が限定されている上、他個体との競争も考えられることから、獲得した資源の投資先(器官)の決定は生き残りにとって重要だろう。マレーシア・サラワク州の泥炭湿地林では、最大樹高70mに達するShorea albidaが優占している。S.albidaは、個体が小さい間は伸長成長を優先し、幹へのバイオマスの投資が多い。一方で、大径木の多くは、幹に樹洞がある。樹洞の発達は、幹にかけるコスト(腐朽に対する防御と幹の成長)と関連することが予想される。本研究では、大径木まで含む個体サイズとバイオマスデータを使って、個体の形状および各器官のバイオマス割合の変化を調査した。泥炭湿地林の最大DBHクラスで比較した時、樹高は低地フタバガキ林の約94%に達した。樹洞の発達によって主幹はチューブ状になるが、厚さ平均11cmの硬材によって維持された。幹のバイオマスの割合は、成長と共に大きくなる樹洞によって徐々に低下した。一方で根バイオマスの割合は、ばらつきが大きいもののDBHと共に増加した。
  • 門田 有佳子, 清野 嘉之, Lulie MELLING, Christopher DAMIAN, Auldry CHADDY
    日本森林学会大会発表データベース
    2015年 126 巻 P2B105
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/07/23
    会議録・要旨集 フリー
    熱帯泥炭湿地林は、貧栄養で軟らかい泥炭の上に成立する。この立地環境は、樹木が、重く大きな地上部を維持することが難しいと予想される。マレーシア・サラワク州の泥炭湿地林では、Shorea albidaが優占し、巨木にまで成長する。大径木のS.albidaの多くは、幹に樹洞があると報告されている。本研究では、S.albidaがどのようにして泥炭湿地で大きな地上部を発達させ、維持しているのかを、形態的な観点から明らかにするために、個体サイズと樹幹内部の状態を調査した。S.albidaは、林冠に達するまでは能動的な軽量化(脆心材と硬材の併用)、林冠に達した後は受動的な軽量化(樹洞)によって、発達段階を通じて外側の大きさに対して軽い地上部を作っていた。樹洞の発達は肥大成長とともに進行し、樹冠破損も発生するが、萌芽枝を伸長させることで、有機質土壌の低地フタバガキ林と同等の樹高と樹冠サイズを実現していた。脆心材による幹に係るコストの抑制と、樹洞内で発達する不定根は、貧養な環境条件下での肥大・伸長成長の継続と樹冠破損後の再成長に貢献するだろう。
  • 鈴木 祥悟, 由井 正敏
    東北森林科学会誌
    1999年 4 巻 2 号 29-31
    発行日: 1999/10/25
    公開日: 2018/03/19
    ジャーナル フリー
    東北地方のブナを主とする広葉樹林の繁殖鳥類は,樹洞営巣性鳥類が優占する群集組成となっている。森林の伐採は,樹洞営巣性鳥類の比率を低下させ林縁性鳥類の比率を高くする。樹洞営巣性鳥類の保護には,伐採率を低くし樹洞木を残存することが大切である。また,人工林での巣箱設置試験の結果,おもにシジュウカラの誘致・増殖に効果があった。樹洞営巣性鳥類を誘致して増殖する手段としては,巣箱の供与が有効であると考えられた。
  • 井上 龍一, 前田 喜四雄, 徐 華
    ワイルドライフ・フォーラム
    2004年 9 巻 3 号 80-
    発行日: 2004/12/01
    公開日: 2017/09/22
    解説誌・一般情報誌 フリー
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