大気汚染物質の濃度分布は対数
正規分布
に従うと仮定して解析することが多いが, 必ずしも対数
正規分布
に従っているとはいえない場合も少なくない。規制のための環境目標値の設定等を考慮すると, 大気汚染物質濃度へ適用するためには, パラメータが増加し少々複雑な分布であっても, そのパラメータが安定していれば, 実測データに対して適合のよい分布を適用すべきである。
放射線の被曝線量の分布も大気汚染物質の濃度分布と同様な特徴をもつが, この分布モデルとして混成対数
正規分布
が提案され, その有効性が検証されている。そこで, 本報告ではこの混成対数
正規分布
を大気汚染物質の濃度分布へ適用すべく, 混成対数
正規分布
のもつ諸性質を明らかにし, 大気汚染物質の濃度分布への適用の可能性の検討を行った。
その結果, 混成対数
正規分布
は, 確率紙上における分布曲線が対数
正規分布と正規分布
の間にあるような分布を表現するのに適した分布であり, 大気汚染物質の濃度分布のモデルとして有効であることを示した。
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