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クエリ検索: "渡邊正範"
36件中 1-20の結果を表示しています
  • 矩 照幸, 河野 光志, 下條 宏光, 山崎 時雄, 居出 健司, 松本 啓一, 樋口 彰彦, 小山 茂樹, 中條 忍, 馬場 忠雄, 細田 四郎, 岡部 英俊
    日本消化器内視鏡学会雑誌
    1992年 34 巻 5 号 1068-1071_1
    発行日: 1992/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は54歳の女性で,主訴は右側腹部痛である.腹部超音波検査,腹部CT,腹部MRIでMultiple concelltric ring signを認め,腸重積初期像と診断.整復のため施行した大腸内視鏡検査では,上行結腸から盲腸にかけて粘膜の発赤,浮腫が強く内腔の狭小化が認められた.さらに盲腸には,粘膜に穿入する多数の鞭虫が確認された.治療としてメベンダゾールの経口投与を行い駆虫できた.急性腹症で発症する鞭虫感染症例は少なく,本邦報告は自験例を含め11例を数えるのみである.
  • 大松 正宏, 池内 尚司, 桂田 菊嗣, 川本 誠一, 阪本 敏久
    日本救急医学会雑誌
    1994年 5 巻 1 号 51-55
    発行日: 1994/02/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    A case of traumatic bile duct stenosis treated with an expandable metallic stent (EMS) is reported. A 48-year-old man was admitted with hemorrhagic shock caused by hepatic trauma. Several days after emergency surgery to repair of the hepatic laceration, he showed jaundice and leakage of bile on abdominal CT. Thirty days after admission, PTCD was performed to reduce the intrabiliary tract pressure. Two months later, remarkable stenosis was detected at the common bile duct, although the leakage of bile was decreased. We inserted the EMS (“Strecker” stent) through the PTCD to improve common bile duct stenosis. This improved bile flow, and no side effects were recognized during the one-year observation period. Recently, EMS has been used for obstructive jaundice mostly associated with malignant lesion, and many benefits have been reported compared mith usual biliary endoprosthesis. EMS might also be useful for traumatic biliary tract stenosis without operative invasion.
  • 堀場 隆雄, 山内 晶司, 佐藤 榮作, 呉 成浩
    日本臨床外科学会雑誌
    2000年 61 巻 11 号 3022-3025
    発行日: 2000/11/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    腸回転異常症は新生児期に発見されることが多く,青年期以降に発見されることは稀である.今回われわれは長期間にわたる腹部症状の経過の後,青年期に症状が増悪し,各種画像検査から術前診断し得た腸回転異常症に中腸軸捻転を合併した1例を経験したので報告する.
    症例は17歳男性.腹痛を主訴に当院を受診.注腸検査にて左上腹部に大腸の偏在を認め,腹部CT検査ではSMV rotation signとwhirlpool signを認めた.腸回転異常症の診断にて開腹するとnonrotation typeの腸回転異常症で2カ所に腸軸捻転を来していた.腸軸捻転は各々が時計方向に360度捻れていた.捻転を整復した後, Ladd手術を施行,虫垂切除を追加した.術後腹部症状は消失し経過は良好である.
    腸回転異常症および中腸軸捻転は稀な疾患であるが,各種画像検査により特徴的な所見を得て診断することが可能と考えられた.
  • 上田 和光, 河村 正敏, 斉藤 肇, 普光江 嘉広, 福成 信博, 福島 元彦, 村上 雅彦, 石井 博, 新井 一成, 小池 正
    日本消化器外科学会雑誌
    1993年 26 巻 1 号 126-130
    発行日: 1993年
    公開日: 2011/08/23
    ジャーナル フリー
    鈍的外傷にて総胆管狭窄を来すことはまれである. 今回, ハンドル外傷後黄疸を来し, 手術にて軽快した1例を経験したので報告する. 症例は25歳の女性. 1991年5月6日ハンドル外傷にて肝・膵損傷と診断されるも保存的に経過観察し6日後に軽快退院した. しかし, 受傷後17日目に黄疸が出現し再入院となった. 入院時総ビリルビン値4.0mg/dlと中等度肝機能障害を認めた. 腹部超音波検査にて胆嚢と肝外胆管の著明な拡張が認められたが, 結石や膵頭部腫瘤は見られなかった. 内視鏡的逆行性胆膵管造影では中部胆管が約2.5cmにわたり辺縁平滑で全周性の狭窄が見られたが, 膵管像に異常はなかった. また, 経皮経肝胆道ドレナージによる胆汁細胞診ではclasslであり良性の総胆管狭窄症と診断した. 黄疸は徐々に改善されたが狭窄部の拡張は得られず, 受傷後58日目に胆摘・総胆管十二指腸吻合術を施行した. 術後約1年の現在元気に社会復帰している.
  • 窓岩 清治, 會田 隆志, 藤野 晉, 佐藤 富貴子, 青木 幸平, 西村 和明, 白崎 信二, 三浦 正博, 伊藤 重二, 郡 大裕
    日本消化器内視鏡学会雑誌
    1993年 35 巻 4 号 765-768_1
    発行日: 1993/04/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    症例は68歳女性で,右下腹部痛を主訴に来院.虫卵検査は陰性であったが,大腸内視鏡検査上盲腸部粘膜に穿入するら旋型,鞭毛を有する白色虫体を認め,内視鏡的に捕獲した.虫体の形態的特徴から鞭虫と診断.駆虫目的でmebendazole 200mg/日の内服を3日間行なった.寄生虫体数が少ないにもかかわらず急性腹症様症状を来たし,内視鏡的に穿入虫体を摘出,診断した鞭虫感染症例は稀れであり報告した.
  • 加藤 公一, 金住 直人, 伊藤 不二男, 鈴木 祐一, 木村 次郎, 石井 正大
    日本臨床外科学会雑誌
    2003年 64 巻 3 号 687-691
    発行日: 2003/03/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    症例は64歳,男性.両側鼠径ヘルニアの手術歴があり2年前より左鼠径ヘルニアが再発していた.今回自己にて用手整復後より左鼠径部痛が出現し当院受診した.嵌頓所見なく帰宅後,左鼠径部の疼痛・腫脹が増強し翌日再度受診した.体温38℃,左鼠径部から陰嚢にかけて腫脹・圧痛・発赤が著明であり,左鼠径ヘルニアの嵌頓を疑い手術施行した.鼠径管内に腸管の脱出なく,精索内に感染性壊死組織・膿・便汁を認めたため開腹し, S状結腸の腸間膜内への穿孔が原因と診断した. S状結腸部分切除・左精索切除術を施行し,患者は第57病日退院した.病理組織学的に結腸癌,結腸憩室の所見は認めなかった.鼠径・陰嚢部に炎症所見を伴う腫脹を呈する患者では,大腸穿孔の可能性も考慮する必要がある.
  • 荒巻 正憲, 中島 公洋, 川野 克則, 平塚 弘一, 森井 雄治, 佐々木 淳, 吉田 隆典, 北野 正剛
    日本臨床外科医学会雑誌
    1997年 58 巻 1 号 168-171
    発行日: 1997/01/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    10年前の交通外傷が原因と考えられた左肝管狭窄の1例を経験したので報告する.
    症例は50歳,男性.症状は右季肋部痛と発熱. US, CT, PTCにて左肝内胆管の著明な拡張を認めた.10年前の交通事故による外傷性胆管狭窄を疑ったが,胆汁細胞診で異型細胞が認められたため悪性腫瘍も完全には否定できず肝左葉切除を行った.切除標本からは悪性所見は認められず,外傷性胆管狭窄と診断された.外傷性胆管狭窄は検索した範囲では本邦23例の報告があるが,その発症時期は受傷後2~4週間以内がほとんどであり,本症例が最長例と思われた.
    腹部外傷を既往にもつ胆管狭窄症例は,受傷時期に関係なく,まず外傷性胆管狭窄を疑うべきと考えられた.
  • 本邦集計例を加えて
    平野 誠
    胆道
    1991年 5 巻 4 号 436-440
    発行日: 1991/09/24
    公開日: 2012/11/13
    ジャーナル フリー
    喧嘩にて発症した17歳男性および労災にて発症した52歳男性の2例の外傷性胆管狭窄を経験した.これら2例に対してendoprosthesisによる非観血的治療を行い良好な結果を得た.経皮経肝的にダイレーターによって狭窄部を拡張し,内瘻用カテーテルを留置した.症例2には内瘻用カテーテル中枢端にリザーバーを装着し,皮下に埋没し入浴を可能とした.Endoprosthcsis治療の目的は(1)狭窄部を拡張すること,(2)拡張を一定期間維持することであり,3-6カ月間の留置期間が必要と考えられた.
    外傷性胆管狭窄は現在まで20例の報告があり,そのうち15例に手術が行われている.しかし本症は良性疾患であることから過大侵襲は避けるべきであると考えられる.本症に対するendoprosthesisは簡便に施行することが可能であり,また非侵襲的かつ生理的な方法と考えられ,きわめて有用と思われた.
  • 東 皓雄, 葦沢 龍人, 関根 秀樹, 橋本 大定
    日本臨床外科学会雑誌
    2006年 67 巻 5 号 1148-1152
    発行日: 2006/05/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    症例は88歳,女性.発熱,左下腹部痛を主訴として内科入院.入院3日目には白血球数・CRP値が低下するも,下腹部の反跳痛が出現してきた. CTにて左側結腸壁の肥厚および左前傍腎腔に遊離ガス像を認め,左側結腸後腹膜腔穿孔の術前診断により緊急開腹術を施行した. S状結腸腸間膜内から後腹膜腔に膿瘍を認め, S状結腸切除術および人工肛門造設術を施行した.切除標本では腸間膜付着部に径8mmの穿孔を認めたが,周囲粘膜には壊死性変化・憩室・潰瘍性病変などはみられなかった.また病理組織学的には腸管壁の急峻な断裂像と急性炎症所見のみを認め,特発性S状結腸穿孔と診断した.術後後腹膜腔に遺残膿瘍を認めたが,保存的治療により治癒し第54病日に退院となった.特発性S状結腸穿孔の中でも後腹膜腔への穿孔は極めて稀な病態である.しかし,自験例はCTにより後腹膜腔の遊離ガス像を証明することにより,その術前診断が可能となった.
  • 森谷 雅人, 和田 敏史, 永川 裕一, 山本 啓一郎, 土田 明彦, 青木 達哉, 小柳 泰久
    日本消化器外科学会雑誌
    2002年 35 巻 6 号 687-691
    発行日: 2002年
    公開日: 2012/02/15
    ジャーナル フリー
    症例は39歳の女性.主訴は下腹部痛で腹膜刺激症状は認めず, 鎮痛剤で一時, 症状は軽快したが, 腹膜刺激症状の出現と画像上腹水貯留を認めたため緊急手術を施行. 開腹所見でS状結腸に腫瘤と口側腸間膜に暗褐色の膨隆を認めた. 腹腔内に膿性腹水を認めたが, 糞便汚染は認めなかった. 以上よりS状結腸癌の腸間膜への穿通を考え, 腫瘍および汚染腸間膜を切除し, Hartmann手術を施行.切除標本ではS状結腸に全周性2型腫瘍を認め, 口側腸間膜側の5.0cm大の穿孔より腸間膜内に約800gの糞便貯留を認めた. 術後経過は良好で化学療法施行後退院となった.
    大腸穿孔は一般に糞便性腹膜炎を伴い重篤な経過をとることが多いが, 自験例のごとく腸間膜へ穿通する症例は極めてまれで, 糞便性腹膜炎のない症例では予後良好であると考えられた.
  • 坂東 儀昭, 西井 博, 小笠原 邦夫, 近藤 肇彦, 青木 克哲, 花城 徳一
    日本消化器外科学会雑誌
    1999年 32 巻 11 号 2601-2605
    発行日: 1999年
    公開日: 2011/06/08
    ジャーナル フリー
    結腸間膜内に穿通し, 糞便腫瘤を形成した特発性S状結腸穿孔例を経験した. 症例は76歳の女性. 突然の腹痛と下血にて来院した. 来院時腹痛は軽度であったが, 精査中に腹膜刺激症状が出現し外科紹介入院となった. 腹部CTにて後腹膜腔にガス像を認め, 仙骨前面にair bubbleを伴うlow density areaを塊状に認めたため, 大腸穿孔と診断し緊急手術を施行した. 穿孔はS状結腸腸間膜付着側に存在し, 腸間膜内穿通の形態をとり, 流出した糞便が腫瘤を形成していた. 腫瘤を含めたHartmann手術を行い, 後腹膜は気腫を伴っていたため解放しドレナージを行った. 術後経過は良好であった. 腸間膜内に穿通した特発性大腸穿孔はまれであり, 自験例の如く糞便性腹膜炎を伴わなければ比較的予後良好と思われた.
  • 青木 秀俊, 北添 健一, 吉田 智則, 星島 康男, 栗永 篤信, 坂東 儀昭, 小笠原 邦夫
    日本消化器内視鏡学会雑誌
    1998年 40 巻 3 号 572-578
    発行日: 1998/03/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    51歳男性,便潜血陽性で来院.大腸ファイバーにて,回腸末端部に表面粗大穎粒状で生姜の根のようなコブ状の突出を伴った4cm大の有茎性ポリープを認めた.生検時のクッションサインは陰性で腫瘍成分を認めなかった.EUS,CTにて脂肪腫の腸重積と診断し腹腔鏡下に摘出した.病理所見では回腸末端固有筋層から発生した脂肪腫であった.固有筋層由来の脂肪腫は稀で本例の興味ある形態の形成に寄与したことが示唆され報告する.
  • 田邉 和孝, 田中 宏和, 佐藤 元彦, 岩崎 純治, 藤田 眞一
    日本臨床外科学会雑誌
    2016年 77 巻 11 号 2748-2752
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー
    症例は86歳の男性で3回の下血後の腹痛を主訴に受診.腹部所見および血液検査所見は軽症であったが,腹部造影CT検査でS状結腸壁の著明な浮腫性肥厚と結腸間膜内にfree airを認めた.S状結腸穿通および腹膜炎と診断し,緊急開腹手術を施行した.腹腔内には混濁した血性腹水を少量認めたが便臭はなく,S状結腸から直腸Rsにかけて虚血性変化を認めた.病変は腸間膜側に限局しており,穿通に伴う壊死と診断した.一期的吻合はリスクが高いと判断し,Hartmann手術を施行した.術後経過良好で人工肛門の自己管理を修練し,術後25日目に退院となった.特発性大腸穿孔は糞便性の腹膜炎から敗血症,多臓器不全に移行する危険性のある疾患である.大腸の構造・生理学上,S状結腸の結腸間膜付着部反対側に好発するため,腸間膜側の穿通症例は極めて稀である.今回,われわれは特発性S状結腸穿通の1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
  • 堀内 隆作, 山本 忠, 鈴木 慎太郎, 河合 俊彦, 山本 知由, 古川 博雄
    日本口腔外科学会雑誌
    2007年 53 巻 7 号 425-429
    発行日: 2007/07/20
    公開日: 2011/04/22
    ジャーナル フリー
    We describe our experience with a case of visual impairment caused by an orbital abscess due to an acute odontogenic maxillary sinus infection in a 31-year-old man. After the treatment of a periapical lesion of the left upper second premolar at a dental clinic, infection progressed to an orbital abscess. He was referred to our hospital by an ophthalmologic clinic.
    We administered antibiotics, performed maxillary sinus osteotomy, incised the upper and lower eyelids, and extracted the infected tooth to allow pus drainage and irrigation. His condition improved after treatment, but at presentation he had already lost the visual acuity of his left eye. We would like to stress the importance of hospital-clinic coordination and a team approach to medical treatment.
  • 仁科 雅良, 藤井 千穂, 荻野 隆光, 小濱 啓次
    日本救急医学会雑誌
    1993年 4 巻 6 号 631-637
    発行日: 1993/12/15
    公開日: 2009/03/27
    ジャーナル フリー
    Appropriate surgical management, selected from various options, is still controversial as the number of accumulated cases of bile duct injury due to blunt abdominal trauma is small. Furthermore, is seems that no single surgical intervention can be justified as the best management for delayed stricture of the common bile duct (CBD). This report describes an illustrative case of blunt trauma leading to delayed stricture of the CBD after immediate celiotomy for liver trauma and minor CBD injury at the intra-pancreatic portion, treated by left lateral segmentectomy and cholecystostomy. An initial postoperative cholangiogram through the cholecystostomy revealed no leakage and good passage of bile into the duodenum. However, follow-up cholangiography demonstrated stricture of the CBD and subsequent complete obstruction on the 31st postoperative day. In this case, the patient was managed conservatively with external bile drainage through the cholecystostomy. Spontaneous reopening of the CBD was evident by the 94th postoperative day. A review of 36 cases of blunt bile duct injury reported in the Japanese literature and our case suggested the possibility that conservative management for delayed stricture of the CBD may result in spontaneous reopening, especially when the stricture developed within 1 month after blunt trauma.
  • 仁科 勇佑, 赤堀 浩也, 寺田 好孝, 太田 裕之, 森谷 鈴子
    胆道
    2021年 35 巻 2 号 175-181
    発行日: 2021/05/31
    公開日: 2021/05/31
    ジャーナル フリー

    症例は93歳女性.腰椎圧迫骨折で他院入院中に右季肋部痛を認めた.腹部CT検査で腫大した胆嚢を認め,急性胆嚢炎の診断で手術加療目的に当科紹介となった.当院で再検したCT検査で浮腫性の壁肥厚を伴う著明な胆嚢腫大を認め,一部の胆嚢壁は連続性が不明瞭だったため壊疽性胆嚢炎の診断で同日緊急手術を腹腔鏡下に行った.胆嚢周囲に腹水を認め,頸部で反時計回りに約2回転捻転した胆嚢を認めた.捻転を解除し,胆嚢動脈,胆嚢管の処理を行い,腹腔鏡下胆嚢摘出術を行った.胆嚢内部には結石を数個認めた.また粘膜は広範囲に壊死性変化を来しており体部に認めたポリープ様の平坦隆起性病変から,病理組織検査でwell differentiated adenocarcinomaが検出され,胆嚢癌と診断された.術後合併症を認めず術後15日目に前医に転院となった.今回我々は胆嚢癌を合併した胆嚢捻転症の1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.

  • 江口 隆, 小池 祥一郎, 前野 一真, 中村 俊幸, 岩浅 武彦, 中澤 功, 古田 清
    日本消化器病学会雑誌
    2007年 104 巻 4 号 555-560
    発行日: 2007年
    公開日: 2007/04/05
    ジャーナル フリー
    症例は91歳の女性.急性胆嚢炎の診断で入院したが,翌日にショック状態となり,CTおよび超音波検査で胆嚢捻転症と診断し緊急開腹手術を施行した.胆嚢摘出を施行後に,小腸が広範囲で壊死に陥っていたため,広範囲小腸切除を行い,両断端を人工肛門とした.分節状で非連続的な腸管壊死を認め,腸間膜動脈に血栓を認めず,NOMIと診断した.本症は予後不良であり,早期診断および治療が重要と考えられた.
  • 石川 浩一, 中村 彰, 大野 毅, 奥永 良樹
    日本消化器内視鏡学会雑誌
    2001年 43 巻 7 号 1168-1174
    発行日: 2001/07/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     症例は72歳男性,腸閉塞の診断で当科紹介入院.腹部超音波,CT,注腸造影にて回腸脂肪腫の腸重積症を示唆する所見が認められ,さらに大腸内視鏡にて盲腸に約2cmの黄色平滑な先進部腫瘤と,腫瘤に接して嵌人した腸管粘膜を認めた.回腸脂肪腫腸医重積症の術前診断にて開腹,回盲部切除を行った.摘出標本にて回腸末端から約6cmの回腸に,径2.7cmの黄色弾性硬の有茎性の隆起性病変を認め,これを先進部に回腸が盲腸に重積していた.病理学的には回腸脂肪腫の診断であった.経過良好にて術後25病日に退院した.本症例では大腸内視鏡で黄色平滑な先進部腫瘤と嵌入腸管を同時に観察することができ,これが腸重積の診断,重積の原因診断の鑑別に有用であった.
  • 大津 智尚, 園原 史訓, 平田 伸也, 中西 香企, 森 憲彦, 谷口 健次
    日本腹部救急医学会雑誌
    2014年 34 巻 7 号 1331-1335
    発行日: 2014/11/30
    公開日: 2015/02/27
    ジャーナル フリー
    要旨:症例は54歳の女性。7時間前からの左上腹部痛を主訴に救急外来を受診した。腹部CT検査で横行結腸脾彎曲部の拡張およびwhirl signを認め,横行結腸軸捻転と診断した。緊急大腸内視鏡検査で同部の結腸粘膜面に黒色壊死の変化を認めた。穿孔の危険性を考慮して内視鏡的整復は行わず,緊急手術を施行した。開腹所見では横行結腸脾彎曲部が尾側からみて反時計回りに270度回転し,閉塞起点となっていた。結腸の全層壊死は認めなかったため,腸管切除は行わずに整復して手術を終了した。結腸軸捻転ではS状結腸軸捻転が大半を占め,横行結腸軸捻転は比較的まれである。CT検査で術前診断し腸管切除を免れた横行結腸軸捻転の1例を経験したので報告する。
  • 佐藤 幸男, 篠崎 浩治, 寺内 寿彰, 石田 隆, 加瀬 建一, 小林 健二
    日本腹部救急医学会雑誌
    2016年 36 巻 5 号 947-951
    発行日: 2016/07/31
    公開日: 2016/12/28
    ジャーナル フリー

    症例は33歳,男性。軽自動車を運転中に2tトラックと衝突し受傷,当院へ救急搬送された。造影CT検査にて右腎損傷および後腹膜血腫を認め,出血性ショックとなったため緊急開腹止血術および右腎摘出術を施行した。術中,明らかな胆管損傷は認めなかった。術後18日目,Luschka管からと思われる胆汁漏をきたし,ドレナージを施行した。術後27日目に総ビリルビン値が上昇したため,MRCPおよびERC検査を施行し下部胆管の著明な狭窄を認め,外傷性胆管狭窄と診断した。16日間の経過観察で,総ビリルビン値は正常化した。ERC再検査で下部胆管の狭窄の改善を確認し,術後79日目に軽快退院した。外傷性胆管狭窄は胆管裂傷の線維性瘢痕によって生ずることが多いが,本症例では経過観察により軽快しており,胆管壁の一過性浮腫がその成因と考えられた。

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