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クエリ検索: "滝島雅子"
13件中 1-13の結果を表示しています
  • テレビにおける美化語の分析から
    滝島 雅子
    待遇コミュニケーション研究
    2020年 17 巻 1-17
    発行日: 2020/02/01
    公開日: 2020/02/01
    ジャーナル フリー

    「美化語」とは敬語の5分類の1つで、主に敬語接頭辞の「お(ご)」が名詞に付いたものを言い、文化庁の「敬語の指針」では「ものごとを美化して述べることば」とされている。しかし、その様相は個人差・男女差・場面差があり、非常に複雑でわかりにくい。敬語接頭辞の先行研究は多岐にわたるが、語彙的研究が中心で、実際のコミュニケーションにおける機能や意識はまだ十分に明らかになっていない。そこで本研究は、実際のコミュニケーションの1つのケーススタディーとして、テレビの情報番組で使われる美化語に注目し、それぞれの場面で美化語がどのような意識で使われ、また、受け止められるのかについて、待遇コミュニケーションの枠組みを援用して分析を試みる。コミュニケーション主体(表現主体および理解主体)へのインタビューを通して、美化語の意識を分析することで、日本語のコミュニケーションにおける美化語の様相を明らかにし、日本語学習者の学びにつなげていくことを目的とする。

    調査は、①テレビ番組における美化語の抽出、②美化語の表現主体(発話したアナウンサー)へのインタビュー、③美化語の理解主体(視聴者)へのグループインタビューという3段階で行い、滝島(2018)ではインタビュー結果のコーディング分析により、表現主体・理解主体それぞれの美化語の意識が示された。本稿では、それぞれの意識を具体的な場面で詳細に分析することで、美化語の表現主体と理解主体の意識の精緻化を試みた。美化語を、「誰が誰に対して、何を、どんな場面で伝えるのか、あるいは、受け止めるのか」という待遇コミュニケーションの観点から観察することによって、表現主体・理解主体双方の多様な使い方・受け止め方が明らかになった。今後は、こうした多様な美化語のありようを踏まえた上で、日本語学習者が自己表現として主体的に美化語を使えるようにするための具体的な学習プランを考えていくことが課題である。

  • 2021年「日本語のゆれに関する調査」から(2)
    塩田 雄大
    放送研究と調査
    2022年 72 巻 2 号 30-47
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/03/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
    「日本語のゆれに関する調査」の結果について報告をおこなう。調査結果から、次のようなことを指摘する。 ▶「ら抜きことば」に関して、「自分でも使う」の割合が全体で過半数であるもの(「寝れない・来れない・見れない・起きれない・食べれない」)と、半数に満たないもの(「数えれない・確かめれない」)とが数値上はっきりと分かれるが、「かしこまった場面で使ってもかまわない」の割合の面では各項目間の差がそれほど大きくない。 年代別には、「自分でも使う」では「若い年代になるほど多い」という傾向が見られるが、「かしこまった場面で使ってもかまわない」に関しては一方向的な傾向ではなく「50代がもっとも保守的」であることが観察される。地域差としては「ら抜きことば」に対する「関東での保守性」が確認できる。 また放送での使用については、「使わないほうがよい」という意見が現在でも主流でありつつも、以前に比べると必ずしも圧倒的な割合ではないような様相になってきている。 ▶「~な(さ)そうだ」における「さ」のありなしに関しては、今回の調査項目で見る限り、年代差はあまり見られない一方で、まとまった形での地域差が観察される。
  • 塩田 雄大
    日本語の研究
    2018年 14 巻 2 号 51-67
    発行日: 2018/04/01
    公開日: 2018/10/01
    ジャーナル フリー

    ことばに関する無作為抽出調査(NHK放送文化研究所実施)のおよそ20年分(計34調査[設問総数616件])の結果を学歴差に関して分析したところ、大卒層には「意見のばらつきが比較的小さく特定の回答に集中する(つまり言語意識の均質性が高い)」傾向が表れ、また「漢字表記を好み、外来語の原音的表記を好み、“ことばの乱れ”に関しては保守的な反応を見せる」などといった志向性が相対的に強く見られた。

  • 視聴者とアナウンサーの双方へのインタビュー調査から
    滝島 雅子
    放送研究と調査
    2018年 68 巻 1 号 26-45
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/02/28
    研究報告書・技術報告書 フリー
    放送における美化語の適切な使用の方向性を探るため、今回は情報番組の『あさイチ』を対象に、放送場面の美化語の使用を観察し、それぞれの具体的な美化語について、実際の発話者であるアナウンサーとそれを受け止める視聴者双方の意識を質的に探るインタビュー調査を実施した。本稿では、インタビューの具体的な声を交えながら、アナウンサーの美化語の使用意識とそれを受け止めたときの視聴者の印象を分析する。▽アナウンサーは、番組の場面ごとに人間関係や場にさまざまな配慮をし、自己や対象事物の効果的な見せ方を考える中で、美化語を使用したり控えたりしている。▽美化語を使うかどうかの判断には、アナウンサー自身の使用傾向や社会の慣用が影響している。▽視聴者はアナウンサーによる美化語をおおむね好意的に受け止めている一方、「お」の付け過ぎや、逆に語によっては「お」を付けないことへの違和感を持つことがあり、その意識は性差と強く結びついている。▽全体的に視聴者が放送に美化語を期待する気持ちは強く、アナウンサーもそれに応えようと、情報番組では美化語を多用する傾向にある。一方で、過剰敬語は避けるべきだという規範意識から美化語の乱用を避け、全体として適切な使用を保っているといえる。
  • CEJCとBCCWJのデータを用いて
    滝島 雅子
    計量国語学
    2020年 32 巻 6 号 315-330
    発行日: 2020/09/20
    公開日: 2021/09/20
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は,『日本語日常会話コーパス』(CEJC)モニター公開版と『現代日本語書き言葉均衡コーパス』(BCCWJ)のコアデータを用いて,話し言葉と書き言葉における敬語名詞(接頭辞「お」/「ご」が付いた名詞)の使用傾向を比較分析したものである.分析の結果,1)敬語名詞は,CEJC・BCCWJともに,尊敬語・謙譲語に比べて美化語の使用頻度が高く,両データを比較すると,CEJCのほうが美化語が使われやすく,尊敬語や謙譲語はBCCWJのほうが使われやすいこと,2)尊敬語については,CEJCとBCCWJで高頻度語の項目に違いが見られること,3)謙譲語については,特にCEJCにおいて敬語名詞の頻度が低く,謙譲語の空洞化が示唆されること,4)美化語については,クラスター分析により,CEJC・BCCWJともに4つのクラスターが得られ,特に美化語の出現率が高い語群については,CEJCでは派生的な傾向を,また,BCCWJでは語彙的な傾向を示すことが明らかになった.
  • 蔡 薰婕
    計量国語学
    2022年 33 巻 6 号 394-398
    発行日: 2022/09/20
    公開日: 2023/09/20
    ジャーナル オープンアクセス
  • ~2019年「日本語のゆれに関する調査」から~
    滝島 雅子, 山下 洋子, 塩田 雄大
    放送研究と調査
    2019年 69 巻 11 号 54-72
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/12/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
    2019年3月に行った「日本語のゆれに関する調査」について報告する。▶第1章では、「やる」のかわりに「あげる」を使う用法について取り上げる。「植木に水をあげる」「子どもにお小遣いをあげる」「ペットの犬にえさをあげる」に関しては、「おかしくない・使う」という人が7割を超え、誤用とは言えない状況になっている。▶第2章では、気象情報で使うことばについて調査報告を行う。気温の言い方を「〇ド〇ブ」と言うか、「〇テン〇ド」と言うかを聞いたところ、「○テン○ド」を選んだ人のほうが多いという結果となった。また、「0度より低い気温」を言う場合、「氷点下」と「マイナス」のどちらを使うかを聞いたところ、「マイナス」が多い結果となったが、放送で使うことばとしては、自分で言う場合に比べ「氷点下」が多かった。▶第3章の外国語・日本語をめぐる意識については、日本人の大多数は、「(一部の人を対象にした教育ではなく)日本人全体への英語教育」、「(外国人向けの日本語教育よりも)日本人自身の外国語運用能力を高める教育の重視」を望ましいものととらえており、「(英会話には)まったく自信がない」、「小学校での英語教育には賛成」、「日本語を話す外国人が多くなった」と思っていることが明らかになった。外来語が増えることに対しては、「日本語をあいまいにすることにつながる」という意見が5割程度、「日本語を豊かにすることにつながる」という考えが4割程度になった。若い年代ほど英語(および外来語)への親和性が高く、高年層ではその反対に日本語をより重視するような傾向が見て取れる。
  • 小泉 日和, 横関 隆登
    観光研究
    2020年 31 巻 2 号 15-24
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/10/01
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究の目的は、「食べ歩き」という言葉を対象に、その概念を明らかにすることである。食べ歩きという言葉は2つの意味がある。つまり食べ物をあちこち食べてまわることおよび食べ物を歩きながら食べることである。このような概念が二分化した時期を新聞記事を用いて検証したところ、1985年に典型を見出すことができた。また、観光学として「食べ歩き」の概念は、“人”、“食べ物”、“店舗”、“地域”、“通過通路”、“滞留通路”で構成されていると考えた。さらに本研究では、「食べ歩き」の概念が有する応用上の意義も考察した。
  • 宮田 公治
    日本語の研究
    2023年 19 巻 1 号 17-24
    発行日: 2023/04/01
    公開日: 2023/10/01
    ジャーナル フリー
  • 三宅 和子
    日本語の研究
    2020年 16 巻 2 号 97-104
    発行日: 2020/08/01
    公開日: 2020/08/14
    ジャーナル フリー
  • ―日本語教育研究コミュニティの輪郭描写―
    田中 祐輔, 川端 祐一郎
    日本語教育
    2021年 178 巻 79-93
    発行日: 2021/04/25
    公開日: 2023/04/26
    ジャーナル フリー

     日本語教育研究史についてはこれまでに複数の重要なサーベイが存在しているが,多くは研究領域の分類や取り組みの方向性に関する考察を行ったもので,定量的知見は不足している。また,研究間や研究者間での相互関係や互いの影響については明らかにされていることが極めて少ない。本研究では,日本語教育学及びその研究コミュニティの輪郭を把握するための試みの一つとして,日本語教育学会の機関誌『日本語教育』第1 ~ 175 号(1962~2020 年)の掲載論文1,803 点と,これらの論文中で引用された文献16,205 点及びそれらの著者を対象として,引用参照関係の時系列変化やネットワーク構造の分析を行った。その結果,研究コミュニティ内における共通の知的基盤の形成,研究動向の変化,グローバルな言語・教育研究との関連等について,いくつか重要な事実が明らかになった。また,その背景や示唆について,先行研究の知見も踏まえながら考察を行った。

  • 2021年「日本語のゆれに関する調査」から(1)
    塩田 雄大
    放送研究と調査
    2022年 72 巻 1 号 56-77
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/02/20
    研究報告書・技術報告書 フリー
    「日本語のゆれに関する調査」の結果について報告をおこなう。調査結果から、次のようなことを指摘する。 ▶「自分事」は、「聞いたことがあるし、おかしくない」という人が過半数を占めており、また高齢になるほどこの割合が大きくなっていた。 ▶「羽根布団」は、「発音と表記のズレ」に当たる「〔ハネブトン〕と言い、「羽根ふとん」と書く」という人が最も多く、4割程度を占めていた。 ▶「他人事」は、「たにんごと」と読む人が3分の2程度を占めていた。 ▶「一段落」は、伝統的な形の「いちだんらく」で読む人と、新興の形の「ひとだんらく」と読む人とで、ほぼ同程度であった。明瞭な年代差があり、若い人ほど「ひとだんらく」の割合が多い傾向を示している。 ▶文法的には容認されない「多くの方々に来てくださいました」「多くの方々が来ていただきました」という言い方に対して、「おかしくない」という人はいずれも3割を超えていた。 ▶「乗客の中に、けが人はありませんでした」という言い方には抵抗感がないという人が、約半数であった。
  • 2020 年「日本語のゆれに関する調査」から(2)
    塩田 雄大
    放送研究と調査
    2021年 71 巻 1 号 62-75
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/16
    研究報告書・技術報告書 フリー
    日本語のゆれに関する調査」の結果について報告をおこなう。調査結果から、次のようなことを指摘する。 ▼「青紫蘇」については、連濁形で「「青じそ」と言う(「青しそ」とは言わない)」という人が、全体の8割を占めていた。 ▼「片側」については、連濁形で「「かたがわ」と言う(「かたかわ」とは言わない)」という人が、全体の9割以上を占めていた。 ▼「渓流釣り」については、連濁形で「「渓流づり」と言う(「渓流つり」とは言わない)」という人が、全体の3分の2近くを占めた。ただし20代では、この回答は半数強程度にとどまっていた。 ▼「立ち眩み」については、非連濁形で「「立ちくらみ」と言う(「立ちぐらみ」とは言わない)」という人が、すべての年代で9割以上を占めていた。 ▼「飲み口」については、「飲み口がいい」「缶ジュースの飲み口」のいずれの意味の場合でも非連濁形で「「のみくち」と言う」という人が、全体の3分の2程度を占めた。用法の違いによって連濁形・非連濁形を使い分けるといったような傾向は、はっきりとは見られなかった。
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