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クエリ検索: "瀬尾智美"
15件中 1-15の結果を表示しています
  • 石田 絵美子
    保健医療社会学論集
    2024年 35 巻 1 号 26-36
    発行日: 2024/07/31
    公開日: 2024/08/22
    ジャーナル フリー

    本稿では、精神科訪問看護師がバイタル測定をどのように実施しているかを記述することで、精神科訪問看護におけるバイタル測定器具のもつ意味について検討することを目的とする。訪問看護師に対するグループインタビュー・データを現象学的に分析した結果、看護師はバイタル測定をきっかけにして利用者に触れたり、計測値には現れない利用者の精神症状を把握したりしていた。また、バイタル測定をパターン化し、かかわりの困難な利用者へはバイタル測定の簡略化、例えば血圧測定のみを実施していた。そこでのバイタル測定に用いられる器具は、測定値を得るためだけの道具ではなく、利用者とつながることや安心感を提供するという意味を内包していると考えられた。利用者への精神科訪問看護に際して、バイタル測定器具などの身近な医療器具を使う意味を再度問い直すことで、従来看過されてきたケア的意味を新たに見出すことができるといえる。

  • —精神科訪問看護へのインタビューを通して—
    原田 小夜, 西垣 里志
    日本健康医学会雑誌
    2021年 30 巻 2 号 122-132
    発行日: 2021/07/27
    公開日: 2021/10/16
    ジャーナル フリー

    高齢精神障害者支援において精神科訪問看護が介護支援専門員との連携を進める上で直面している課題と対応について明らかにすることを目的に,精神科訪問看護ステーション3カ所6名の精神科訪問看護師にインタビューを行い,質的帰納分析を行なった。その結果,【家族が抱え込んだ精神・身体の両方のケアが必要な高齢者】,【介護支援専門員の高齢精神障害者に対する生活支援力の不足】,【地域での連携が進まないジレンマ】,【訪問看護は介護と障害の架け橋】の4コアカテゴリを抽出した。家族だけで長年援助してきた精神科未治療で身体的ケアの必要な高齢精神障害者の紹介が介護支援専門員から精神科訪問看護に入るが介護支援専門員の精神疾患・精神障害に対する知識不足や観察力不足があるため連携が難しいこと,介護支援専門員は精神科訪問看護の役割が理解できていないこと,支援を進める上で介護保険制度上の課題があること,精神科訪問看護が多職種間の連携を主体的に進めていこうと考えていることが示唆された。

  • ―訪問看護ステーションが統合失調症を有する人へ提供するケアの類型と対象の特性―
    角田 秋, 柳井 晴夫, 上野 桂子, 木全 真理, 瀬尾 智美, 船越 明子, 萱間 真美
    日本看護科学会誌
    2012年 32 巻 2 号 2_3-12
    発行日: 2012/06/20
    公開日: 2012/07/25
    ジャーナル フリー
    目的:精神科訪問看護で提供されたケアをもとに利用者の類型化を行い,それぞれの類型のケアがどのような対象に提供されているのかを記述する.
    方法:訪問看護ステーション322事業所において統合失調症患者422名に提供されたケアの内容を22項目からなるケア得点で測定し,クラスター分析を用いて対象者を4群に分類した.次に,各群の特徴を明らかにするため,一元配置分散分析(群間の対比較にはTukeyの多重比較),x2検定によって群間比較を行った.
    結果:精神科訪問看護で提供されたケア内容の特徴によって対象者を分類した結果,「独居者援助型」「重症者への家族援助型」「他援助がある人へのモニタリング重視型」「重症者への本人援助型」に分類でき,同居者の有無,社会機能の程度,訪問看護以外の援助者の有無において群間に差が認められた.
    結論:精神科訪問看護の利用者とケア提供パターンを類型化することができた.独居者への援助,重症者への家族援助および本人への援助,モニタリングの4つに特化した支援が行われている利用者群があることが示された.
  • 中村 伸枝, 水野 芳子, 奥 朋子, 川西 智美, 眞嶋 朋子, 仲井 あや
    日本CNS看護学会誌
    2023年 10 巻 1-8
    発行日: 2023/05/18
    公開日: 2023/05/18
    ジャーナル フリー
  • 初田 真人, 村瀬 智子
    日本赤十字看護学会誌
    2020年 20 巻 1 号 109-115
    発行日: 2020/03/31
    公開日: 2020/03/31
    ジャーナル フリー

    平成22年度の診療報酬改定により訪問看護ステーションにおける複数名による精神科訪問看護の評価が新設されているが,その後の実施状況は明らかになっていない.本研究は,複数名による精神科訪問看護の実施状況および管理者が認識している実施目的と効果を明らかにすることを目的とした.全国の訪問看護ステーションを対象とした質問紙調査を行い,量的データは記述統計を用いて,複数名による精神科訪問看護の実施目的と効果の自由記載については質的に分析した.その結果,全国の訪問看護ステーション1,721箇所における精神科訪問看護の実施率は41.0%,複数名による精神科訪問看護の実施率は全体の7.3%であった.また,自由記載についての分析の結果,実施目的として8カテゴリー,効果として7カテゴリーが生成された.複数名訪問による濃厚なケアが利用者の地域生活を支え,訪問看護師の安全確保や訪問看護技術の継承につながることが考えられた.

  • 石田 絵美子
    保健医療社会学論集
    2022年 32 巻 2 号 47-58
    発行日: 2022/01/31
    公開日: 2023/01/31
    ジャーナル フリー

    本研究では、長期入院患者を抱える精神科病棟で働く看護師の体験から、彼らの看護実践の構造を明らかにすることを目的とした。精神科病棟の看護師は、従来、長期入院患者への保護的・管理的処遇を非難されてきた。本稿で「そばにいる」「認める」「家族になる」「退院する患者を病棟で待つ」というテーマで記述した看護師たちのかかわりは、看護として明確に意識されない日常のかかわりや、あえて看護を意識しないことによって実施可能となる困難なかかわりでもあった。しかしそれらは、患者たちへの深い理解、看護者間の相互理解や他職種の協力、患者たちからの反応によって構成され、患者たちを回復へと導くという一面を有する重要な看護実践であると考えられた。

  • ― 文化の視点からの一考察 ―
    中村 伸枝, 水野 芳子, 奥 朋子, 瀬尾 智美, 眞嶋 朋子, 仲井 あや
    文化看護学会誌
    2022年 14 巻 1 号 1_11-1_20
    発行日: 2022/05/31
    公開日: 2023/06/06
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,専門看護師として10年以上活動している専門看護師の認定後5年目までの活動の広がりおよび自己教育を明らかにし,文化の視点から考察することである。専門看護師として認定され10年以上活動している7専門看護分野の専門看護師15名に,半構造化面接を実施し,質的帰納的分析を行った。
    その結果,専門看護師の認定後5年目までの活動として,「所属部署における直接ケアを中心とした活動」,「施設内での横断的活動の確保と定着」,「施設内での専門看護師としての活動」,「施設外に向けた専門看護師としての活動と発信」が得られた。また,専門看護師の自己教育として,「高度実践に向けた事例分析とエビデンスの更新」,「事例検討会や学会活動等を通した高度実践の内省と研鑽」,「サブスペシャリティ強化に向けたスキルの獲得」,「国内外の研修を通した多職種との交流」が得られた。認定後5年目までの専門看護師の活動は,自己教育に支えられた対象者への質の高い看護実践が基盤となり,看護職の文化,組織文化のなかで受入れられていた。
    専門看護師の活動は,専門看護師の理論やエビデンスに基づいた意図的な働きかけ,質の高い看護の看護スタッフへの浸透,看護管理者のサポートによる職位や立場の変化,多職種への専門看護師の認知などが合わさり,拡大していた。

  • 柴田 純子, 佐藤 まゆみ, 西 育子, 笠谷 美保, 瀬尾 智美, 増島 麻里子
    千葉県立保健医療大学紀要
    2013年 4 巻 1 号 1_41-1_46
    発行日: 2013/03/29
    公開日: 2023/06/21
    研究報告書・技術報告書 フリー
     本研究の目的は,がん患者を対象としたサポートグループ(以下SG)の評価方法を検討するために,和文献のレビューを通して,SG参加者はSGにおいてどのような体験をしているか,また,SGの評価はどのような方法で行われているかを明らかにすることである.
     医学中央雑誌を用い発行年数を2000年~2012年に限定してキーワード検索した結果,対象文献は「SG参加者の体験を明らかにしている研究」が12件,「SGの評価をしている研究」が8件であった.多くのSG参加者に共通して見られた体験は,「参加者同士の交流によるカタルシスと分かち合いに関する体験」等5つであった.SGの評価は短期・長期的評価とも多くの場合が既存の測定尺度や自作の質問紙を用いていた.尺度を用いた量的評価はSGの評価に有効と考えられたが,特に長期的評価においては,尺度では捉えきれない参加者の体験を質的に継続して評価する必要性が示唆された.
  • 岩﨑 優子, 山﨑 不二子
    日本看護研究学会雑誌
    2023年 46 巻 1 号 1_33-1_42
    発行日: 2023/04/20
    公開日: 2023/04/20
    [早期公開] 公開日: 2023/03/15
    ジャーナル フリー

    目的:地域生活を送る統合失調症者に訪問看護師が休息入院が必要と判断した状態,入院へのかかわりと入院による利用者の変化を明らかにする。方法:精神科病棟・精神科訪問看護に各3年以上の経験を持ち,休息入院に導いた経験を持つ11名の看護師に半構成的面接を行い,8事例を質的に分析した。結果:訪問看護師は利用者の【睡眠】【生活空間】【日常生活動作】の変化,【身体症状の出現】等から休息入院の必要性を判断していた。また訪問看護師主導で他の支援者と【協議できるシステム】による総合的な判断と,利用者が担う家族介護への支援等により【自らの意思による受診・休息入院に導】き,入院中も【地域生活再開時の準備】のためのかかわりを継続し,その結果利用者は【精神症状の改善と疾病理解の深まり】等を得ていた。結論:休息入院の判断指標や,他の支援者との協働,同居する家族を含めた介入など特徴的なカテゴリが抽出された。

  • 渡邉 久美, 野村 佳代, 國方 弘子, 折山 早苗, 村上 礼子
    日本看護研究学会雑誌
    2012年 35 巻 5 号 5_97-5_104
    発行日: 2012/12/01
    公開日: 2016/03/05
    ジャーナル フリー
      本研究の目的は,一般訪問看護師による精神疾患をもつ療養者とその家族との援助関係の形成に向けた方略を明らかにすることである。精神疾患をもつ療養者の訪問を継続する一般訪問看護師10名を対象に半構成面接を行い,M-GTAによる分析を行った。方略として【精神科看護モードへの切り替え】【言動にあわせた対応】【関与の糸口の模索】【保清ケアの流れの引き寄せ】【支援要請への速やかな対応】【かけ込み寺としての存在】【家族との協働による探索ケア】【つかみきれないなかでの寄り添い】の8カテゴリーの接近法が抽出され,コアカテゴリー『防御ラインを察知した段階的接近』が導かれた。防御ラインは順に〈保清ケアによる身体接触〉〈家族の関与〉〈人々の関与〉であった。一般訪問看護師が利用者の防御ラインを見極め,段階を踏んで越えることを目標とすることで,援助関係の形成につながることが示唆された。
  • 山下 真裕子, 藪田 歩, 伊関 敏男
    日本精神保健看護学会誌
    2018年 27 巻 1 号 82-90
    発行日: 2018/06/30
    公開日: 2019/06/30
    ジャーナル フリー
  • 川内 健三, 天谷 真奈美
    日本看護研究学会雑誌
    2013年 36 巻 2 号 2_1-2_11
    発行日: 2013/06/01
    公開日: 2016/03/05
    ジャーナル フリー
     研究目的は,精神障害者の療養生活を支援する病棟看護師が,地域への移行や地域生活の安定に向けた訪問看護を実施するなかで感じる困難について明らかにすることである。精神科病棟で3年以上経験し,かつ現在,精神科病棟に所属して精神科訪問看護を行っている看護師15名に対し半構造化面接を行い,Berelsonの内容分析にて分析した。
     その結果,病棟看護師は病棟看護と訪問看護による発想の開きから生じる困難,訪問看護に関する病院組織の不十分な実施支援態勢からくる困難,限られた時間や空間で迅速な判断を1人で行う困難,精神障害者が地域生活をするうえでの特質に基づく困難を感じていた。
     このような困難をもつ看護師の支援には,精神障害者の地域生活に触れ,地域での支援方法を学ぶ機会を設ける,病院組織の看護部門主導の訪問看護実施体制の確立等で困難の軽減につなげることが必要と考える。
  • 松田 光信, 河野 あゆみ
    日本看護研究学会雑誌
    2020年 43 巻 5 号 5_835-5_845
    発行日: 2020/12/20
    公開日: 2020/12/20
    [早期公開] 公開日: 2020/10/16
    ジャーナル フリー
    目的:精神障害をもちながら地域で暮らす当事者が,精神科訪問看護からどのような支援を受け,その支援を受けることでどのような価値を見出しているのかを明確にすることである。
    方法:精神科訪問看護を利用している当事者を対象として,自由記載による回答を中心に求める無記名自記式質問紙調査を実施し,その内容を質的帰納的に分析した(分析対象者138名)。
    結果:地域で暮らす当事者は,精神科訪問看護による【安心と尊厳を保障する支援】【生活力を高める支援】【生活を充実させる支援】を受けることによって,【安心の獲得】と【人生の好転】という価値を見出していた。
    結論:当事者は,精神科訪問看護を暮らしに役に立つ支援と認識していた。これからの精神科訪問看護は当事者の視座から学び,当事者を尊重した支援を充実させる必要がある。
  • A さんの語りの現象学的研究
    石田 絵美子
    現象学と社会科学
    2022年 5 巻 1-18
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/11/24
    ジャーナル フリー
  • 精神科看護師のケアし,ケアされる経験に注目して
    石田 絵美子
    質的心理学研究
    2025年 24 巻 1 号 142-156
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/03/31
    ジャーナル フリー
    本稿では,精神疾患をもつ人々とかかわり,支援するとはどういうことかを,精神科病棟の看護師の「ケアし,ケアされる」経験に注目して記述することにより探究する。そして,「ケアし,ケアされる」経験をした看護師の側から患者を捉えなおすことを目指す。精神科病棟の看護師に対して非構成的面接を実施し,インタビュー・データを現象学的に分析した。看護師たちは,言葉にしたり,意識したりすることが困難な患者たちの思いや意向を模索しながら,入院中だけではなく,退院後までも彼らを気遣い続けていた。そこでは,看護師たちはケアを通して,患者へ関心を向け,共感して,理解を深めていた。他方で,それらのケアの是非や効果は分かりづらく,長期の間,ケアは更新されながら,対象や場所を広げ継続される中で,看護師の「ケアされる」経験が生じていた。以上のことから,精神疾患をもつ人々とかかわり支援するとは,様々な状況においてかかわりを継続していくことで,彼らへの理解をすすめていくことであった。そこで看護師は「ケアされる」経験だけでなく,癒やしやエネルギー,勇気を与えられたり,新たな役割を発見したりする機会を得ていた。そうした「ケアし,ケアされる」経験を通じて,看護師は患者たちの本来の資質も見出し,彼らを妄想や暴言暴力があり,理解することが困難な人たちというよりも,一人の人として捉えなおしていた。
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