本邦において家畜の
甲状腺
地帯である長野県長野, 上田屠場から得た成豚,生後1-3ヵ月の仔山羊, 成山羊, 緬羊
甲状腺
と, 非
甲状腺
腫地帯である富山県高岡屠場から得た同種家畜
甲状腺の乾燥甲状腺
1g当りのヨード含量をLEITCH&HENDERSONの方法によつて分析し, つぎの結果を得た。
1豚 (去勢牡)
甲状腺
のヨード含量: 非
甲状腺
腫地帯のものはm=1.96±0.219mgで,
甲状腺
腫地帯のもののうち, 正常組織像を認めるものはm=1.47±0.202mg, 病的組織像を認めるものはm=1.18±0.284mgを含み, これら3群の平均値において, 非
甲状腺腫地帯の正常甲状腺と甲状腺
腫地帯の病的組織像を認める両群間に有意差 (P:0.05~0.02) を認めた。
2 仔山羊
甲状腺
のヨード含量: 非
甲状腺腫地帯の牡の甲状腺
はm=1.79±0.108mgで,
甲状腺腫地帯の正常組織像を認める牡の甲状腺
腺はm=1.22±0.246mg, 間性のものはm=1.68±0.405mg, 病的組織像を認める牡のものはm=0.84±0.222mgを含む。正常組織像を認める非
甲状腺
腫地帯のものと
甲状腺腫地帯の牡の甲状腺
の平均値の間には有意差 (P:0.05~0.02) を認め, また前者と, 後者の病的組織像を認める
甲状腺
の両群の平均値の間には顕著な有意差 (P<0.001) を認めた。
3成山羊
甲状腺
のヨード含量: 非
甲状腺
腫地帯の正常組織像を認める牝はm=2.43±0.084mgで,
甲状腺
腫地帯の正常組織像を認める牝牡, 各1例は1.92~1.99mgを含み, 正常に近い組織像を認める1例の間性は1.45mgを含有する。
4緬羊
甲状腺
のヨード含量: 非
甲状腺腫地帯の牡の甲状腺
はm=1.80±0.085mgで,
甲状腺
腫地帯の正常組織像を認める牝はm=1.30±0.447mg, 牡はm=1.12±0.203mg, 膠性
甲状腺
腫像を認める牡1例は0.36mgを含む。両地帯の正常組織像を認める3群の平均値の間に有意差を認められなかつた。
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