〈緒言〉今日の医療において、インフォームドコンセントの医療を推進することは重要な柱の一つである。患者は、自分にどのような医療・看護が提供されているかわからない不安の中で、満足した入院生活を送ることは出来ない。その中で看護師の果す役割は重要と考え、不安軽減の一方法として
看護計画
の開示が必要であると考えた。
当院では平成15年3月より入院患者へ平成16年4月より一部の外来患者に
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の開示を実施している。平成16年度は昨年度の結果を元に、患者が参画できる開示を目標に取り組んだ。今回は、看護師に焦点を絞り、
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開示マニュアル、アンケート項目の検討及び、アンケート結果を分析したのでここに報告する。
〈方法〉昨年度のアンケート結果より、
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開示は実施できているが、患者の意見を取り入れた
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立案を行なえていないことがわかった。患者参画型の
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を充実させる為に、看護師の
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開示に対する目的意識を高めることが必要と考え、
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マニュアルの修正、アンケートの内容変更を行なった。入院患者に対して「看護師が
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を一緒に立案したか」など10項目、看護師に対して「
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を患者と話し合いながら立案しているか」など11項目について、
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開示の現状把握を目的に、平成16年7月、平成17年2月にアンケートを行なった。
〈結果〉看護師のアンケート結果より、平成15年9月76.8%,平成17年2月96.5%(外来を除く)が,開示を行っていると答えた。「患者と話し合いながらできましたか」の問いに対して「はい」は、平成15年9月39.6%,平成16年7月59.2%、平成17年2月66.7%であった。「
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を開示することで受け持ちとしての意識は高まりましたか」の問いに対して「はい」は、平成17年2月92%であった。患者へのアンケート結果より「看護師は看護目標・計画を一緒に立てましたか」の問いに「はい」は、平成16年7月38.6%、平成17年2月37.2%、「
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というものを御理解いただけましたか?」の問いに対して「はい」は、平成16年7月75.7%、平成17年2月66.3%であった。
〈考察〉看護師は
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を開示する事で受持ち看護師としての自覚を持ち、患者の意見を取り入れた
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が立案できた。しかし、患者は
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の内容については理解されているが、
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立案に参画したという意識が薄いのが現状であった。理由として、初回の
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開示の方法が具体的に提示されていない。次に患者が自分の受ける看護について意見を述べる時間が不十分であると考える。現状は、電子カルテを持参し、個室で情報収集を実施している。今後はより徹底を図り、得た情報を患者とともにアセスメントし、
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の立案、修正、評価を継続できるよう検討していきたい。
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