粘膜下注入所見から絶対的適応(E-AI)と相対的適応(E-RI)に分類後EMRされた早期大腸癌118例の経過を追跡した.EMR後危険因子(sm massive癌,脈管侵襲陽性,断端陽性,低,未分化癌,癌先進部の簇出)を認めた28例中20例が追加腸切除され,8例(高齢,有合併症,追加腸切除拒否)と断端不明のm癌3例は1カ月後に点墨され,3,6カ月,1年ごとに,他の87例は1年ごとに大腸内視鏡検査で経過観察された。再発は4例(3.4%)で一括摘除例の1.1%,分割摘除例の50%に認められた.分割摘除されたm癌2例は1,3年後に,断端陽性のm癌1例は1年後に再発した.sm massive癌1例は追加切除を拒否し2年後に進行癌となった.また追加腸切除の適応でありながら切除されなかった8例のうち再発を認めたのは1例のみで,今後EMRの適応拡大の可能性が示唆された.
抄録全体を表示